日刊IWJガイド・非会員版「52年ぶりに国連事務総長が国連憲章第99条を発動した、国連安保理のガザでの人道的即時停戦を要求する決議案に、米国が拒否権を発動!」2023.12.12日号~No.4094


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~52年ぶりに国連事務総長が国連憲章第99条を発動した、国連安保理のガザでの人道的即時停戦を要求する決議案に対し、米国が拒否権を発動し、否決!「パレスチナ人全体と地域の平和と安全に取り返しのつかない影響を与える」とのグテーレス事務総長の懸念に、米国は「無条件停戦はハマスを残し危険」だとイスラエル擁護! 採決では日本も賛成に回り、世界で孤立する米国とイスラエル! 国際社会が「制裁」すべきは、この2ヶ国!

■デモクラシーは、真実の情報が国民に伝えられることなしに存続しません! 政治権力やスポンサーの介入によって、マスメディアが真実を伝えず、プロパガンダたれ流しの現代にあっても、事実にもとづいた真実を、IWJはリスクを取ってでも市民の皆さまに伝え続けます! その活動を続けるのは、本当に茨の道のりですが、市民の皆さんのご支持とご支援が何よりも必要です! 財政危機にあるIWJを、お支えください! 12月こそ皆さまのご寄付・カンパが、毎月の月間目標額400万円に届きますように、よろしくお願い申し上げます! IWJへの会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

■【中継番組表】

■【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

■【第1弾! 空爆によるガザの死者の61%は民間人! イスラエル軍による過去の4つのガザへの空爆よりも、20世紀(第二次世界大戦後、1990年代まで)のどの戦争よりも民間人死亡率は遥かに多い!】(『ハアレツ』、2023年12月9日ほか)

■【第2弾! イスラエル軍がガザで拘束した大勢のパレスチナ民間人男性を下着姿で目隠し、拷問!】SNSで拡散した画像に、イスラエル政府報道官は「全員テロ容疑者」だと主張! この拷問と開き直りこそが「テロ」ではないか!?(『アルジャジーラ』、2023年12月10日)

■【第3弾! 自民党政治資金パーティー収入裏金疑惑! 安倍派に所属する全議員を政務三役から外す案が浮上!?】安倍派外しについて問われ、岸田総理は「国民の信頼回復のために、国政の遅滞を生じさせないために適切なタイミングで適切に対応を考えていきたい」と事実上無回答! 立憲民主党は不信任案を提出するも、与党が否決する見通しで、国会では浄化が期待できない! 政治をただすのは、やはり主権者たる国民!(『朝日新聞』、2023年12月10日ほか)
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■はじめに~52年ぶりに国連事務総長が国連憲章第99条を発動した、国連安保理のガザでの人道的即時停戦を要求する決議案に対し、米国が拒否権を発動し、否決!「パレスチナ人全体と地域の平和と安全に取り返しのつかない影響を与える」とのグテーレス事務総長の懸念に、米国は「無条件停戦はハマスを残し危険」だとイスラエル擁護! 採決では日本も賛成に回り、世界で孤立する米国とイスラエル! 国際社会が「制裁」すべきは、この2ヶ国!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 「ガザの人々は、(イスラエルによって)人間のピンボールのように、移動するように言われています。生存のための基本的なものを何ひとつ持たずに、南側のますます小さな断片の間を、飛び跳ねて追い回されています。

 しかし、ガザには、安全な場所はどこにもありません」。

 国連のアントニオ・グテーレス事務総長が、12月8日、パレスチナ問題を含む中東情勢に関する安全保障理事会で、ガザの危機的な人道状況について、こう訴えましたが、ガザ地区での人道的即時停戦を要求する決議案の採択は、米国の拒否権により、否決されました。

※People of Gaza ‘Being Told to Move like Human Pinballs’, but Nowhere Is Safe, Secretary-General Tells Security Council, Pleading for Humanitarian Ceasefire(United Nations、2023年12月8日)
https://press.un.org/en/2023/sgsm22076.doc.htm

※Security Council Fails to Adopt Resolution Demanding Immediate Humanitarian Ceasefire in Gaza on Account of Veto by United States(United Nations、2023年12月8日)
https://press.un.org/en/2023/sc15519.doc.htm

 この国連安保理決議案は、12月6日にアラブ首長国連邦(UAE)が提出した決議草案にもとづいています。UAEの草案は、少なくとも97の国連加盟国の賛同を集め、共同提案となりました。

 さらに同じ12月6日には、グテーレス事務総長が、就任後初めて、国連憲章第99条を発動し、安全保障理事会議長国であるエクアドルに、安保理の行動を求める書簡を送りました。

※Letter by the Secretary-General to the President of Security Council invoking Article 99 of the United Nations Charter(United Nations、2023年12月6日)
https://www.un.org/en/situation-in-occupied-palestine-and-israel/sg-sc-article99-06-dec-2023

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 11月は非常に厳しい財政状況でした。

 11月は30日間で140件、162万1900円のご寄付をいただきました。誠にありがとうございます!

 これは毎月の活動費の月間目標額400万円の41%でした。残念ながら、今月はあと59%、237万8100円の赤字となってしまいました。

 12月は11日までの11日間で、47件、56万3900円のご寄付をいただいています。ありがとうございます!

 これは、毎月の活動費の月間目標額400万円の14%にあたります。

 累積した赤字の返済と、金融機関からの借入の返済のためには、実際には毎月613万円が必要です!

 どうか引き続き、IWJ会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

 前期第13期は、目標額に到達した月が1回しかなく、平均して半分程度だったため、大変大きな赤字を出してしまいました。私、岩上安身が自身の私財の中から、赤字の月を越すたび、その都度、緊急でつなぎ融資を出し、その額2200万円となってしまいました。

 今期は、その轍を踏まないように、ぜひ、皆さまのご寄付・カンパが、毎月の月間目標額400万円に届きますように、よろしくお願いいたします!

 月間目標額400万円を超えた分は、これまでに累積した債務約5000万円の返済に回したいと存じます!

 債務を少しずつでも減らしていけば、IWJが経営破綻せず、存続する道が見えてきます! ご寄付いただいた方には、心から感謝いたします! 皆さま、本当にありがとうございます!

 これまでの前期1年間の累積の赤字2200万円(見方を変えると、個人岩上安身からの、会社IWJへの貸し付け)に加え、第14期スタートにあたっての銀行からの新たな借り入れ2500万円を考えると、まだまだ約5000万円近い累積の債務を返済できてはおらず、危機を切り抜けたなどとはとても言えません。

 第13期のこの事態は、IWJ創業以来初めての大ピンチです。これは私、岩上安身1人の力で乗り越えることは困難です。

 今期はもちろん、前期の第13期のうちから、支出を徹底的に削ってきました。今期第14期は、赤字を出さないだけではなく、黒字を出し、累積した債務への返済にあてていきたいと真剣に取り組んでいる最中です。

 今年は、私からの借り入れ2200万円を返済しきろうとすると、2200万円÷12ヶ月=183.3万円となり、この183.3万円の返済額と、直接の運営のための月間目標額の400万円とを合計すると、毎月583.3万円が必要になります。

 他方、金融機関からの借り入れ2500万円の毎月の返済額は約30万円ずつ7年間にわたることが決まっており、決して少額ではなく、毎月の返済負担は重いものとなります!

 前述の通り、毎月、583.3万円が必要であり、それに毎月30万円の銀行への返済額を合計すると、約613万円が毎月、必ず必要となります。

 そういうわけですので、月額400万円の目標額に到達して、ようやく、その月の活動費の収支がトントンということであり、累積した赤字を返済してゆくことは、それだけでは足りないということになります。特に金融機関への返済は待ったなしです!

 どうか、613万円近くにまで達するよう、皆さまのご寄付・カンパによる応援、ご支援をよろしくお願いします!

 IWJは12月4日と5日、「mRNAワクチンのもつ危険性」というタブーを打ち破る、岩上安身による京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏インタビューを、YouTubeでバン(アカウント停止)されるリスクを取ってでも、真実を報じるため、YouTube Liveで撮りおろし初配信しました。

 このインタビューは、サポート会員の方は無期限で、一般会員の方は記事公開後の2ヶ月間(2024年2月7日まで)、全編コンテンツが御覧いただけます。

※「ワクチン」と称するmRNA脂質ナノ粒子製剤接種による死亡・健康被害の実態!! その根底にあるものと対策、民主主義・科学と医学の危機など「5つの危機~岩上安身によるインタビュー第1133回 ゲスト 京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏 2023.12.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519765

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 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料サポーターの皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
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 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、米国に忖度し、隷従を深める日本政府、大手主要メディアの、連日の「情報操作」の積み重ねの恐ろしさと、権力に忖度しないで真実をお伝えする独立メディアの意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 今後とも、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます!!

 岩上安身拝


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◆中継番組表◆

**2023.12.12 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】9:25メド~「武見敬三 厚生労働大臣 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 武見敬三厚生労働大臣による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた厚生労働大臣関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%8e%9a%e7%94%9f%e5%8a%b4%e5%83%8d%e5%a4%a7%e8%87%a3

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◆中継番組表◆

**2023.12.13 Wed.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

作家・松下新土氏「メインストリームの報道が本当にひどい。『サンクション(経済制裁)』のことに言及しないってことは、単に勇気がない。何も考えてないのと同じです」~12.7〈パレスチナ〉を生きる人々を想う学生若者有志の会「日本政府・市民・報道機関に働きかける記者会見」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520208

「京都は数々の戦乱の舞台であり、原爆投下の候補地でもあった。沖縄も基地と観光は共存できないと悟った。世界的観光地である京都と沖縄から平和のアピールを」~11.26 第16回 沖縄フェスタ in 京都 :「京都と沖縄の遠くて近い関係史」仲村清司氏(沖縄大学客員教授・作家)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519937

「『復興!復興!』と言って大きな建物を建て、観光施設にしていくのではなく、自分たちが本当に元いた/住んでいた故郷を見ていく・作っていくことが復興なのではないかと思った」~12.8 原発反対八王子行動
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520237

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■【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

■【第1弾! イスラエル軍の空爆によるガザの死者の61%は民間人! イスラエル軍による過去の4つのガザへの空爆よりも、20世紀(第二次世界大戦後、1990年代まで)のどの戦争よりも民間人死亡率が高い!】非戦闘員の虐殺は国際法違反の戦争犯罪である! イスラエルは告発されてしかるべき!(『ハアレツ』、2023年12月9日ほか)

 12月9日付『ハアレツ』が、ガザでの民間人殺害の比率を調査した調査結果を発表しました。

※The Israeli Army Has Dropped the Restraint in Gaza, and the Data Shows Unprecedented Killing(ハアレツ、2023年12月9日)
https://www.haaretz.com/israel-news/2023-12-09/ty-article-magazine/.highlight/the-israeli-army-has-dropped-the-restraint-in-gaza-and-data-shows-unprecedented-killing/0000018c-4cca-db23-ad9f-6cdae8ad0000

 この調査は、二つの比較を含んでいます。

 一つは、イスラエルの過去のガザへの空爆作戦における民間人殺害率との比較です。

 二つは、20世紀(第二次世界大戦後、1990年代まで)に行われた新たな戦争での民間人の殺害率との比較です。

 同日付『ハアレツ』は、イスラエルの過去4回のガザへの空爆作戦における民間人殺害率を、次のように示しています。

 2012年「防衛の柱」作戦(約1週間)での民間人殺害率40%

 2021年「壁の守護者」作戦(10日間)での民間人殺害率40%

 2022年「夜明けの破壊」作戦(3日間)での民間人殺害率42%

 2023年「矢の防壁」作戦(5日間)での民間人殺害率33%

 これに対して、2023年10月7日から始まった「鉄の剣」作戦(10月7日~26日)では、民間人殺害率が61%(ハマスによるロケット攻撃の誤射による民間人死亡率は全体の10%で、この数字を下回る)にも上ります。

 ハマスのテロと、イスラエル軍の民間人大量虐殺と、どちらが邪悪で危険か。比べものにならないほど、イスラエル軍の方が、危険であり、邪悪です。

 さらに、20世紀(第二次世界大戦後、1990年代まで)に行われた新たな戦争での民間人の殺害率は、約50%でした。

★2023年10月7日から行われているイスラエルの「鉄の剣」作戦が、過去の4つの作戦よりも、20%から30%も多くの民間人を殺害しており、しかも、戦闘の期間がきわめて長いことがわかります。

 これはもはや「戦闘」と呼ぶべきものではなく、ジェノサイドであり、民族浄化です。一挙にガザを「さら地」にしてしまい、パレスチナ人はハマスを口実にして、殺し尽くし、残った者をエジプトの砂漠へ追放し、土地を丸ごと奪い取ろうという、公然の犯罪です。

 「鉄の剣」作戦は、休戦1週間を挟んで、すでに、34日間行われています。この作戦が、過去のイスラエルの作戦と比較して、非常に特異であることを示しています。

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■【第2弾! イスラエル軍がガザで拘束した大勢のパレスチナ民間人男性を下着姿で目隠し、拷問!】SNSで拡散した画像に、イスラエル政府報道官は「全員テロ容疑者」だと主張! この拷問と開き直りこそが「テロ」ではないか!?(『アルジャジーラ』、2023年12月10日)

 12月10日付け『アルジャジーラ』は、ガザ市でイスラエル軍によって一斉検挙されたパレスチナ人が、「拘束中に裸にされ、目隠しをされ、番号を付けられ、拷問を受けたと証言している」と報じました。

 記事によると、「このグループの拘留者は、現在解放され、治療を受けている」とのことです。

※Palestinians speak of being stripped and abused by Israeli forces in Gaza(ALJAZEERA、2023年12月10日)
https://www.aljazeera.com/program/newsfeed/2023/12/10/palestinians-speak-of-being-stripped-and-abused-by-israeli-forces-in-gaza

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■【第3弾! 自民党政治資金パーティー収入裏金疑惑! 安倍派に所属する全議員を政務三役から外す案が浮上!?】安倍派外しについて問われ、岸田総理は「国民の信頼回復のために、国政の遅滞を生じさせないために適切なタイミングで適切に対応を考えていきたい」と事実上無回答! 立憲民主党は不信任案を提出するも、与党が否決する見通しで、国会では浄化が期待できない! 政治をただすのは、やはり主権者たる国民!(『朝日新聞』、2023年12月10日ほか)

 自民党の政治資金パーティー収入の裏金疑惑の衝撃が拡大しています。

 『朝日新聞』は、10日の22時23分に、岸田政権幹部の情報として、安倍派が組織的に裏金作りをしていた疑惑があるため、「岸田文雄首相は安倍派所属の閣僚、副大臣、大臣政務官の政務三役を全員交代させる意向を固めた」と、ネット上で決め打ちの速報を流しました。

 『朝日新聞』は、岸田総理は、松野博一官房長官・西村康稔経済産業相を「更迭する意向をすでに固め」、鈴木淳司総務相、宮下一郎農林水産相を「交代させ」、「最大派閥・安倍派を政務三役から軒並み外す方針になった」と書いています。

 『朝日新聞』によると、岸田総理は、「萩生田光一政調会長(安倍派)、首相公邸で森山裕総務会長(森山派)や茂木敏充幹事長(茂木派)、首相最側近である木原誠二幹事長代理(岸田派)の順に会談し、こうした方針を伝えた模様だ」としています。

※安倍派の政務三役、計15人を全員交代へ 鈴木総務相、宮下農水相も(朝日新聞、2023年12月10日)
https://digital.asahi.com/articles/ASRDB7D5BRDBUTFK00H.html

 続いて、『日本経済新聞』は、11日月曜日の早朝5時に、「安倍派、全員交代案」と銘打ち、「安倍派に所属する全議員を政務三役から外す案が岸田文雄政権で浮上した」と、ネット版で報じました。

 『日本経済新聞』は、10日夜には、「全員交代案を耳にした安倍派幹部は『(略)内閣不信任決議案に賛成してもいい』と激高した」と、安倍派の中に強い反発があることも報じていました。

 「安倍派が首相に再考を求める事態も想定される。党幹部によると『全員交代案は複数の選択肢のうちのひとつ』といい、首相は調整を継続するとみられる」。

※安倍派、全員交代案に衝撃 実現なら「終わりの始まり」(日本経済新聞、2023年12月11日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA102A60Q3A211C2000000/

 さらに続いて、『読売新聞』が11日正午に、「岸田首相(党総裁)は政府・自民の主要ポストに就いている安倍派議員の交代について検討を本格化させた」と報じ、「自民内には、疑惑への抜本的な対応として、安倍派の政務三役を全員交代させる案が浮上している」としています。

 『読売新聞』は、岸田総理が10日、萩生田氏のほかに、茂木敏充幹事長(茂木派、旧経世会)、森山裕総務会長(森山派、山崎派の流れを汲み、二階派とも近い)とそれぞれ面会して「今後の対応を協議した」としています。

※岸田首相、安倍派議員の主要ポスト交代を本格検討…閣僚4人・副大臣5人・政務官6人(読売新聞、2023年12月11日)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20231211-OYT1T50061/

★順を追ってみていくと、最初に『朝日』が「全員交代させる意向を固めた」と決め打ちをし、『日経』は「外す案が岸田文雄政権で浮上した」、『読売』は「自民内には(略)、全員交代させる案が浮上している」と徐々にトーンダウンしていっているのがわかります。

 『朝日』がフライング気味だったのか、『朝日』の報道以降、安倍派の巻き直しがあって、トーンダウンしてきたのか、その点は判然としません。

 岸田総理は9日土曜日、副総理である麻生太郎自民党副総裁(麻生派)と会談しました。続いて10日の日曜日、萩生田光一政調会長(安倍派)、森山裕総務会長(森山派)、茂木敏充幹事長(茂木派)、木原誠二幹事長代理(岸田派)の順に会談し、概ね主要な派閥の長と、一通りの根回しが終わったことから、『朝日新聞』が「全員交代させる意向を固めた」と決め打ちしたのだと推測されます。

 11日、安倍派外しについて問われた岸田総理は、「国民の信頼回復のために、国政の遅滞を生じさせないために適切なタイミングで適切に対応を考えていきたい」と、事実上の無回答でした。

 裏金問題の発端となった『しんぶん赤旗』によれば、裏金作りの疑いは、安倍派だけではなく、自民党の主要派閥すべてに関わる疑惑であり、「安倍派」を外せばあとの派閥がクリーンなのかと言えば、そういうわけでもありません。問題を「安倍派」だけに押しつけ、スケープゴートにしようとする狙いも透けて見えてきます。

 11月6日付の『しんぶん赤旗』で公開された「パー券収入不記載」額は、所属人数との比率でいえば、非主流派となっている二階派は1人当たり23万円、安倍派の1人当たり20万円よりも多いくらいです。

清和政策研究会(安倍派) 1952万円(94人、1人当たり20万円)
志帥会(二階派) 974万円(42人、1人当たり23万円)
平成研究会(茂木派) 620万円(54人、1人当たり11万円)
志公会(麻生派) 410万円(54人、1人当たり8万円)
宏池政策研究会(岸田派) 212万円(43人、1人当たり5万円)
合計 4168万円

 突如、『朝日』がすっぱ抜いた「安倍派外し」ですが、自民党内の派閥争いだと見る向きもあります。最大派閥である安倍派の支配的影響力を、裏金疑惑に乗じて削ごうとする、非安倍派の「反乱」である、との見方です。しかし、裏金疑惑が、他派閥にも存在する以上、下手をすれば反乱を起こした側にもブーメランとなって返ってくるかもしれません。

※5派閥パー券収入不記載に捜査の手 自民“戦々恐々”「赤旗」日曜版報道が発端(しんぶん赤旗日曜版、2023年11月22日)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-11-22/2023112201_01_0.html

 考えれば考えるほど、不思議に見えてきます。自民党の外から見れば、安倍派所属議員が政務三役から外されたところで、自民党がクリーンになるとはとても思えませんし、岸田内閣への支持率が急に上向くとも思えません。子どもが考えてもわかりそうなことですが、なぜ、このようなことが取り沙汰されるのでしょうか?

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也)

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