日刊IWJガイド・非会員版「『脱炭素の影には脱ロシア、石油価格上限設定のゴールは、ロシアの資源を買い叩くこと』岩上安身によるJOGMEC原田大輔氏インタビュー」2022.12.10号~No.3740号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~<インタビュー報告>「脱炭素の影には脱ロシアがある。脱炭素を掲げ、石油価格上限設定を課し、ウクライナ紛争を利用して脱ロシアを進める欧州のゴールは、ロシアの資源を安く買い叩くこと」!「米国主導の対露制裁がもたらした大矛盾! ロシアへの制裁に参加した国々がエネルギー資源高騰で苦しむ一方で逆に制裁不参加の国々が潤っている!?」岩上安身によるJOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏インタビュー 第1回をお送りしました!

■IWJが経済的に大ピンチです! 11月は30日間で、139件140万7400円のご寄付・カンパをいただきました!! ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます! しかし累積月額目標額1072万4870円の13%、単独月間目標額390万円の36%にとどまりました! 累積の不足額931万7470円と今月の月間目標額390万円とを合計すると、12月末までに1321万7470円が必要です! 1年の3分の1で約1000万円が不足していますから、このペースだと、第13期が終わる頃には、3000万円近い不足額となりそうです。このままですとIWJは確実に倒産です。抜本的な改革が必要で、規模を縮小し、コンパクトで最優先の情報をお届けする体制を構築したいと思っています。今後とも精いっぱい頑張ってまいりますので、緊急のご支援のほど、よろしくお願いします!

■【中継番組表】

■<検証! ランド研究所報告書>ウクライナ紛争はランド研究所の青写真通り!? 米国ランド研究所の衝撃的な報告書『ロシアの力を使い果たさせる―有利な立場からの競争(Extending Russia -Competing from Advantageous Ground)』の翻訳・検証シリーズ開始!(その1)サマリー(概要)の抜粋の仮訳!

■都議会で立憲民主党・五十嵐えり都議が東京都人権部による差別問題を追及! 関東大震災での朝鮮人犠牲者否定メールを出した人権部は、過去に幹部が在日ブラジル人差別発言もしていた!! 小池百合子都知事は朝鮮人虐殺の歴史認識について、またしても明確に答えず!!

■<IWJ取材報告1>前川喜平氏「政権のいいなりのNHKが立ち直るきっかけとして、一石を投じることになればいい」――12.1 シンポジウム「公共放送NHKはどうあるべきか~市民による次期NHK会長候補・前川喜平さんと考えるメディアの今と未来」

■<IWJ取材報告2>虐待・性搾取被害少女を支援する仁藤夢乃氏らが大量の悪意のデマ記事で「サイバーハラスメント」を繰り返す男性を提訴!~11.29 Colabo(若年女性支援団体)とその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害に関する提訴記者会見
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■はじめに~<インタビュー報告>「脱炭素の影には脱ロシアがある。脱炭素を掲げ、ウクライナ紛争を利用して脱ロシアを進める欧州のゴールは、ロシアの資源を安く買い叩くこと」!「米国主導の対露制裁がもたらした大矛盾! ロシアへの制裁に参加した国々がエネルギー資源高騰で苦しむ一方で逆に制裁不参加の国々が潤っている!?」岩上安身によるJOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏インタビュー 第1回をお送りしました!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 12月9日、午後6時半すぎより、「米国主導の対露制裁がもたらした大矛盾! ロシアへの制裁に参加した国々がエネルギー資源高騰で苦しむ一方で逆に制裁不参加の国々が潤っている!?」と題して、岩上安身によるJOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏インタビュー 第1回を生中継しました。

 原田大輔氏は、1973年、第一次石油ショックの年に生まれ、東京外語大学に進み、在学中、インドのアラーハーバード大学(ウッタルプラデーシュ州)に、インドの石油資源問題などの取り組むために留学、しかし「(インドは)まだ少し時期が早かったかな」と方向転換し、1997年に石油公団へ入団。その後はロシアを専門のフィールドにし、2006年からはモスクワに赴任しました。2012年からは、グープキン記念ロシア国立石油ガス大学で修士課程を修了。

 原田氏によると、イワン・ミハイロビッチ・グープキン氏こそ、「ソ連石油地質学の父」と呼ばれ、現在のロシア資源産業の基盤を作った人物です。詳しくは、原田氏のエッセイでお読みください。

※原田大輔「ソ連石油地質学の父の膝元で学ぶ:グープキン大学留学記」(石油・天然ガスレビュー、vol.45、2011年9月)
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/_res/projects/default_project/_project_/pdf/4/4490/201109_065e.pdf

 12月に入って、これまでかなり抑えられてきた消費者物価指数が前年前月比で3.8%上昇、食用油は4割、光熱費も電気・ガス代が3割前後の値上げと、円安による輸入物価の高騰などの影響が、日本でも目立つようになってきました。当初、比較的短期間で終結するかもしれないと見られていたウクライナ紛争は長期化し、世界経済に大打撃を与えながら対露制裁も長期化しています。日本にとっても決して他人事ではありません。

 原田氏は、現在のエネルギー資源の価格高騰は「第3次オイルショック」といってよい段階だが、この価格高騰はロシアによるウクライナ侵攻以前から始まったと指摘しました。

 原田氏によると、2021年のCOP26(2050年までに世界の二酸化炭素排出量を実質ゼロを決定)で掲げられた脱炭素目標にむかって、欧州は再生可能エネルギーである風力発電を活用していましたが、「風が吹かなくて」、結局、天然ガスに頼らざるを得なくなり、天然ガス価格が高騰しました。

 ちょうど「ノルドストリーム2」が2021年9月に完成しましたが、承認手続きが遅れてすぐには稼働できないことがわかり、さらに10月11月と価格が高騰していきました。

 原田氏は、その背景にはリーマンショック以降需要が細り、従来の10分の1にまで天然ガス価格が暴落した時に、欧州がそれまでの長期安定価格契約を、変動型のスポット価格に変更したことがある、と指摘しました。原田氏は「変動価格に変えて10年以上安いガス価格を謳歌してきたので、高い時は高いで仕方ないとも思います」と述べました。

 岩上安身は、「ウクライナ紛争は本当に『自由と民主主義』を守る正義の戦いなのだろうか」と問い、ウクライナ紛争の背景にある「エネルギー資源市場の争奪戦と米国の大戦略」について概説しました。

 岩上は、今回のウクライナ紛争で、ロシア産石油を輸送する陸路のウクライナ経由パイプラインを守るために、バルト海経由の「ノルドストリーム」を阻止しようとする米国の思惑は、第一次大戦の遠因ともなった陸路輸送と海上輸送をめぐる3B政策と3C政策の対決の再来ではないかと指摘しました。

 欧露がパイプラインで安定的に結ばれ、安全保障上の緊張も低減するとなれば、NATOも必要なくなり、米国は欧州に及ぼす影響力が削がれていってしまいます。

 米国は2000年代のシェール革命によって世界最大の産油国・天然ガス生産国になりましたが、巨大な島国である米国が欧州などに、自国産のシェールガスを輸送することになれば、ロシア産のパイプライン経由の天然ガスにはコストでは到底勝てません。

 一方で米国エネルギー情報局は、2030年までに、ガス輸出量を2021年の1420億立方メートルから2550億立方メートルに増加する計画を示しています。これは、ロシア産ガスの全輸出量2745億立方メートルに匹敵する量です。

 そのためには、ロシア産ガスの半分が輸出されている欧州市場からロシア産ガスを排除し、米国産ガスで代替すれば、ロシアを弱体化しつつ、割高な米国産ガスを欧州に売ることもできます。「アメリカは欧露の結びつきを邪魔する必要があった」のだと、岩上は指摘しました。

 ドイツとロシアの天然ガスパイプラインは、ソ連時代の1973年から始まり、ソ連解体の時も半世紀にわたって安定供給をしてきました。

岩上「このパイプラインこそは、欧露の平和的共存のシンボルだったと思うんですが」

原田氏「そうですね」

岩上「米国から見れば、米国の覇権の維持あるいは拡張とのためには、欧露の間の平和的な経済的な結びつきを切断する必要があると。

 欧州市場からロシア産石油ガスを排除できれば、ロシアの弱体化を進めて、欧州を米国に依存させて、米国産の割高な石油天然ガスを売りつけることができるという一石何鳥もの妙手であると」

 岩上は、欧州はロシアから安価で安定的なガスの供給を受けることで産業も恩恵を受けてきて繁栄してきたのに、対露制裁によって、自分で自分の首を絞めているのではないかと述べました。

原田氏「アメリカが一人勝ちしていくというところ、アメリカが、最初のマイダン革命の時もそうですし、何らかの関与をしてきたことは、全てわかってる話でもあるんですが」

岩上「(ヴィクトリア)ヌーランド(国務次官補、当時)とか」

原田氏「YouTubeでも流れているものですし。

 ノルドストリームに、今、並行して、ノルドストリーム2が作られて、2019年の12月完成間際になって、アメリカが国防授権法を発動して、スイスの会社を追い出したというのがありました。

 アメリカとしては、まさにおっしゃる通り、ノルドストリームにくびきを打つと。欧州最大のガス受容国であるドイツ、それから最大の天然ガス埋蔵量を持ってる国であるロシア。これが結ばれることを非常に嫌がったところがあると思います。

 もうひとつ、付け加えるとすると、アメリカの名文といいますか、大義というのは『ウクライナを守るため』なんだと。これ(ノルドストリーム)ができてしまうと、ウクライナ経由のガスが流れなくなるだろうと。

 ちょうど、2019年12月というのは、ウクライナのガスの供給契約が満期を迎えて、次はどうなるんだって話になっていたわけです。

 ノルドストリームも、ノルドストリーム2も、トルコストリームも足しあげると、ウクライナ経由のパイプラインの容量と同じになるんです。つまり、ウクライナパイプラインを『なき者』にするために作られたのが、ドイツとロシアが作ったもの、トルコと一緒に作ったもの、ということになるわけなんですけれども。

 これに対してアメリカは、ウクライナを守るためにやらないといけない。そこに複雑に絡んでくるのが、NATOの東方拡大問題ということですね」

 現実にウクライナをNATOに加盟させるのかといえば、その可能性は高くはないわけですが、米国を筆頭としてNATO諸国はウクライナに莫大な兵器と傭兵を送り込んで、実質的にはウクライナで戦っているのは「ほとんどNATO」となっています。

原田氏「ロシアのガスが安いというところで、パイプラインが作られたのは、1973年よりももう少し古くて、1959年にはオーストリアとの間で協定が結ばれて、ロシアの内陸から4000kmも伸びるパイプラインが作られた。ヤマル・ヨーロッパとブラザーフッドですね。

 ここも重要なポイントで、欧露間の強い絆が生まれた。プラス、ソ連時代に作られたので、今はすでに減価償却が終わってしまっていて、輸送コストは安いというものですね。

 そこに作られたのがこちらのパイプライン(ノルドストリーム)で、これはもうロシアとドイツ直結ですから。いろんな国を通してしまうと、それぞれの国に使用料を支払わないといけないんですが、それがないので、ノルドストリームは、ドイツにとっては最も安いガスが手に入るルートなのです。

 でも、他の国にとっては、そこ(ノルドストリーム)を作られてしまうと、『自分たちにお金が落ちてなくなるじゃないかよ』というパイプラインで、『待った』というところですかね」

 原田氏は、仮にロシア産石油が対露制裁で市場に出なくなっても、石油は代替となる供給国がある一方、天然ガスに関しては、ロシア産天然ガスを代替できる供給国はないと述べました。

 原田氏は、12月5日に発動された、ロシア産石油に対する上限価格設定について、以下のように述べました。上限価格設定については、インドや中国など、これまで対露制裁に関わっていない国も多い中で、その有効性が問われています。

原田氏「今週の月曜日に、石油価格の上限設定が発動されたわけなんですけれども、それも一部のポーランドやバルト三国からですね、(1バレル)60ドルは高すぎると。

 今、足元で(世界的な標準価格が)75ドルまで落ちてきてしまっているので、ロシアの原油はディスカウントで27ドル安くなっていますから、もう60ドルを全然下回ってしまっているんですね。それをまさにインドが買っているというわけなんです。

 インド、中国、あとトルコが買っているんですけれども。これらの国も、国際情勢を慎重にみていると。

 12月の5日から石油禁輸が始まりましたので、ここまでは買ってよかったんですね。インドも買ってよかったんです。岸田総理も5月に年内、もしくは段階的に廃止ということをおっしゃったので、日本は買わないようにしていたんですが、7月、9月、10月ぐらいには、少し(ロシアからの契約が残っていた)ロットが入ってきたことが記録に残っています。ですから11月までは買ってもよかった。

 来年の1月の19日までは、積まれたもの(ロシア産原油)、12月5日から積まれて、運ぶ・届くまでは良いということになってますので、ここまではインドも買っていいんです。問題は、インドがそのあとどう出てくるかですね。

 この制裁が本当に発動してしまってもっとプレミアムが高くなっていくということで、(インドの対応の予想として)2つあるんですが。

 1つは、インドはロシアに対して『もっと値引きを要求する』。制裁を発動しているわけですから、もっと安くしないと自分たちも危なくて、アメリカに怒られちゃうよと言われるか。

 あるいは、もしかして、これが狙いでもあるんですけれども、石油禁輸価格上限、ロシアの収入を断つために、ロシアの輸出量を削いでいくということが実現していく可能性が高いかなと思います。(中略)

 ただ、この後、インドも中国もトルコもどう出てくるか、というところはよく見ないといけないかなと思います」

 このあと、原田氏に、12月5日に発動し始めたロシア産石油価格上限設定の「ロシア産原油を市場から締め出しはしないけれど、ロシアがぎりぎり利益を得ることのできないように運用していく」巧みな設計と、各国の思惑について詳しく解説していただきました。

 原田氏は、欧米諸国が掲げる「脱炭素の影には脱ロシアがある。脱炭素を掲げ、ウクライナ紛争を利用して脱ロシアを進める欧州のゴールは、ロシアの資源を安く買い叩くこと」ではないか、と分析しています。

 ぜひ、全編動画で御覧ください。

 また、原田氏には、近日中に第2回目のインタビューを行う予定です。詳細が決まりましたら、日刊IWJガイドでお知らせします。ぜひ御覧ください。

※米国主導の対露制裁がもたらした大矛盾! ロシアへの制裁に参加した国々がエネルギー資源高騰で苦しむ一方で逆に制裁不参加の国々が潤っている!! 岩上安身によるJOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏インタビュー
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

■IWJが経済的に大ピンチです! 11月は30日間で、139件140万7400円のご寄付・カンパをいただきました!! ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます! しかし累積月額目標額1072万4870円の13%、単独月間目標額390万円の36%にとどまりました! 累積の不足額931万7470円と今月の月間目標額390万円とを合計すると、12月末までに1321万7470円が必要です! 1年の3分の1で約1000万円が不足していますから、このペースだと、第13期が終わる頃には、3000万円近い不足額となりそうです。このままですとIWJは確実に倒産です。抜本的な改革が必要で、規模を縮小し、コンパクトで最優先の情報をお届けする体制を構築したいと思っています。今後とも精いっぱい頑張ってまいりますので、緊急のご支援のほど、よろしくお願いします!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 11月のご寄付・カンパの実績が確定しました。

 11月は30日間で、139件、140万7400円のご寄付・カンパをいただきました。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます!

 この額は、8月から11月までの累積月額目標額1072万4870円の13%、単独月間目標額390万円の36%でした。

 かなり厳しい数字となっております。

 11月も単月のご寄付・カンパの目標額390万円に、249万2600円届かず、4ヶ月分の累積の不足額は931万7470円となりました。

 12月に入り、8月から始まったIWJの第13期も、5ヶ月目を迎えました。1年の3分の1にあたる約4ヶ月で1000万円近くが不足していますから、このペースだと、第13期が終わる頃には、3000万円近い不足額となりそうです。このままですとIWJは確実に倒産です。

 12月は、上記の累積の不足額932万770円に、12月分のご寄付・カンパの目標額390万円を加えた1321万7470円が、12月末までに必要となります。大変困難な、厳しい見通しです。

 IWJの活動に抜本的な改革が必要であり、規模を縮小し、コンパクトで最優先の情報をお届けする体制を再構築したいと思っています。今よりコンパクトなスペースのオフィスに移転することも真剣に検討したいと思います。

 人員、活動ともに引き締めて行いますが、情報の質の部分は落としてはなりませんが、その分、発行する情報の量をコンパクトにせざるを得なくなるかもしれません。

 12月1日から9日までの9日間のご寄付・カンパ額は、33件で33万2400円でした。

 ご寄付・カンパをお寄せくださった皆さま、誠にありがとうございます。

 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたく、IWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 どうかIWJ会員の皆さま全員のお力で、IWJをお支えください!

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、IWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費とご寄付・カンパの両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 IWJは、市民の皆さま、お一人お一人が会員となっていただくことと、ご寄付・カンパをいただくことで、政治権力におもねり、広告スポンサーに牛耳られている記者クラブメディアとは一線を画した、独立市民メディアとしての活動を貫いてきました!

 権力に不都合であっても、真実を追及し、権力の監視を行う「ウォッチドッグ」の役割を果たし続けることが可能になります。これも、市民の皆さまのお支えがあってのことです。

 また、大新聞、大手テレビが、足並みをそろえてウクライナ紛争において情報操作を行っている現状を御覧になればわかるように、権力と大資本から距離を置く独立メディアが存在しないと、真実はまったくわからなくなってしまいます。それは結局のところ、めぐりめぐって、私たち自身の生存や生活を、脅かすことになります。

 10月17日の日刊IWJガイドを読んでいただければわかる通り、ウクライナ紛争と対露制裁によって、米国の同盟国は、欧州も日本も「巻き添え被害」にあっています。欧州の市民はその真実に気づき、ドイツやチェコのプラハだけではなく、パリにおいても市民が立ち上がって反NATOの抗議の声をあげていますが、欧州のマスメディアも日本のマスメディアも、そうした動きを意図的に報じようとしません。

 我々のような独立メディアが存在しなければ、この事態を人々が知るすべもないのです。独自の視点で真実の報道を続けるIWJの存在価値を、ご理解いただき、お支払いいただければと思います。

※日本のマスメディアが伝えない欧州の現実! インドメディア『WION』が、フランスの「反NATO」デモをレポート!「NATOから離脱しよう!」、「Let’s get out of NATO!」「NATOのためにフランスはウクライナの『巻き添え被害』を受けている」! フランスの高級紙『ル・モンド』は、石油会社従業員による賃上げデモを報じるも、「反NATO」デモはスルー!? 米英NATOウクライナのために、『巻き添え被害』を恐れているのは日本も同じ!! メディアの情報操作によって、その事実にすら気づかない日本国民!(日刊IWJガイド、2022年10月17日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51419#idx-6

 日刊IWJガイド11月23日号でお伝えしたように、17日付のロシアメディア『RIAノーボスチ』は、11月11日までにロシア軍が撤退したヘルソン州で、親ロシアの活動家39人が、ウクライナの治安部隊に射殺されたと報じました。しかし、ヘルソンの粛清を西側メディアはまったく伝えていません。

※ヘルソンでウクライナ軍が親ロシアの活動家住民39人を射殺! 74人が連行され行方不明! 日本のマスコミを含む西側主要メディアはこの事実をまったく伝えず! ウクライナ側に一方的に偏った視点の西側の政府発表や偏向報道を改め、今こそ普遍的な人権の視点を!(日刊IWJガイド11月23日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51564#idx-4

 また、改憲による緊急事態条項の創設は、統一教会が自民党の背中を押して、実現に向けて推進してきた政策です。統一教会という「反日・反社会的カルト」を、日本社会から追放し、政治への介入をやめさせるとともに、この危険な緊急事態条項の憲法への導入を阻止するために、私と、IWJのスタッフは、全力で立ち向かいたいと思います!

 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたく、IWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。

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 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードを、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料会員の皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします。

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です。

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身


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◆中継番組表◆

**2022.12.10 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh1・京都】13:30~「シンポジウム『「監視」を「環視」とめよう!重要土地等調査規制法!』―登壇:馬奈木厳太郎弁護士、永井友昭京丹後市議会議員ほか」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach1

 「京都弁護士会」主催、「日本弁護士連合会」共催のシンポジウムを中継します。これまでIWJが報じてきた重要土地等調査規制法関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e9%87%8d%e8%a6%81%e5%9c%9f%e5%9c%b0%e7%ad%89%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e8%a6%8f%e5%88%b6%e6%b3%95%e6%a1%88

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◆中継番組表◆

**2022.12.11 Sun.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

前川喜平氏「政権のいいなりのNHKが立ち直るきっかけとして、一石を投じることになればいい」~12.1 シンポジウム「公共放送NHKはどうあるべきか~市民による次期NHK会長候補・前川喜平さんと考えるメディアの今と未来」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512690

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<検証! ランド研究所報告書>ウクライナ紛争はランド研究所の青写真通り!? 米国ランド研究所の衝撃的な報告書『ロシアの力を使い果たさせる―有利な立場からの競争(Extending Russia -Competing from Advantageous Ground)』の翻訳・検証シリーズ開始!(その1)サマリー(概要)の抜粋の仮訳!

 日刊IWJガイド12月9日号のインタビュー告知でも言及しましたが、ランド研究所が2019年にまとめた報告書『ロシアの力を使い果たさせる―有利な立場からの競争(Extending Russia -Competing from Advantageous Ground)』(以下「ランド報告書」)は、米国のロシア政策を見る上で、予言的な報告書です。

 Extendとは、範囲・領土を「拡張する」、勢力を「伸ばす、広げる」という意味が一般的です。しかし、この仮訳では、「extend」が持つ、相手に「全力を出させる」という意味を用いることにします。相手に「全力を出させる」ことから、文字通りロシアの軍事費の支出を増やし、国力を「疲弊させる」、経済的に「力を使い果たさせる」、という意味で仮訳します。

※<本日の岩上安身によるインタビュー>本日午後6時半より、「米国主導の対露制裁がもたらした大矛盾! ロシアへの制裁に参加した国々がエネルギー資源高騰で苦しむ一方で逆に制裁不参加の国々が潤っている!!」と題しまして、岩上安身によるJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)原田大輔氏へのインタビューを、冒頭のみフルオープンで生配信します!(日刊IWJガイド、2022年12月9日)
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20221209#idx-1

 現在進行中のウクライナ紛争では、米国は、まるでランド研究所の描いた青写真通りに、対ロシア戦略を実行に移しているように見えるからです。

 IWJは、ランド研究所の報告書『ロシアの力を使い果たさせる―有利な立場からの競争(Extending Russia -Competing from Advantageous Ground)』が現実を「予言」しているように見えることを称揚するつもりはありません。この報告書の最重要個所を仮訳することで、この青写真を米国が実行に移した結果、どうなったのか、あるいは、米国は、この青写真を本当に実行できたのかどうかを、検証していきます。

 いわば、ランド報告書と現実の米国政府の行動との「齟齬」の検証です。

 Wikipediaの記述によると、ランド研究所は、米軍に対して調査・分析を提供する目的で、ダグラス・エアクラフト社(Douglas Aircraft Company、現在ボーイング社に吸収合併)が1948年に設立した非営利の世界政策シンクタンクです。ランド研究所のRANDとはResearch and Developmentのアナグラムです。軍事面において、米国内ではきわめて権威と影響力のあるシンクタンクとして知られています。

 資金源は、米国政府、民間寄付、企業、大学、個人となっています。

 Wikipediaの説明では、ランド研究所の目的は、「ランドは、応用科学やオペレーションズ・リサーチを用いて、形式的経済学(歴史的文脈や全体社会を考慮しない近代経済学のこと)や物理学の理論的概念を他の分野での新しい応用に置き換えることにより、学際的かつ定量的な問題解決を目指しています」となっています。
※RAND Corporation(Wikipedia、2022年12月9日閲覧)
https://en.wikipedia.org/wiki/RAND_Corporation

 ランド研究所の具体的な活動については、次の2つのIWJの記事を御覧になるとよくわかると思います。

※膨大な無駄とナンセンス!F35は高価でポンコツ!しかも開戦すれば真っ先に標的にされる!米国で最も信頼性の高い軍事シンクタンク、ランド研究所による第三次世界大戦のシミュレーションは米国の敗北を予言している! 2019.3.20
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/445131

※IWJ検証レポート~米国の有識者が米中の国力逆転を認めたアリソン・レポートの衝撃!(その7)。「アジアは米国支配のフロンティア後退を目撃」! 台湾紛争ウォーゲームで米軍「大きく有利」な作戦次元皆無に! 2022.2.11
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501996

 2019年のランド研究所の報告書『ロシアの力を使い果たさせる ―有利な立場からの競争(Extending Russia -Competing from Advantageous Ground)』は、閲覧が制限された秘密報告書でもなんでもなく、米国議会図書館のカタログにも掲載され、ランド研究所のホームページから誰でも世界中からダウンロードできるものです。

 当然、報告書の内容は、ロシアはすでに十分分析しているはずです。

 この報告書は、9章で構成されています。
 第1章 序論
 第2章 ロシアの不安と脆弱性
 第3章 経済的手段
 第4章 地政学的手段
 第5章 イデオロギー手段と情報手段
 第6章 空と宇宙における手段
 第7章 海における手段
 第8章 陸と多領域における手段
 第9章 結論

※Extending Russia -Competing from Advantageous Ground(RAND Corporation、2019)
https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR3063.html

 今回の(その1)では、この報告書のサマリー(概要)の抜粋を仮訳します。

「サマリー(概要)の抜粋

※ここから先は【中略】とさせていただきます。御覧になりたい場合は、ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して御覧ください! 会員へのご登録はこちらからお願いいたします。

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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 以上が、サマリーの抜粋の仮訳です。

 この報告書は、タイトルの『ロシアの力を使い果たさせる』に端的に表れているように、ロシアと共存共栄する平和的な戦略ではなく、いかに、ロシアを軍事的・経済的に「拡張」させて、自滅に追い込むか、という趣旨で書かれた報告書です。結論部を読むと、かなり、現実主義的で、核保有国との決定的な対決を避ける慎重な提言をしていることがわかります。

 たとえば、ロシアの喉元のウクライナに対して、ランド報告書は「ウクライナ軍に対して米国が武器供給や助言を強化することは、検討される地政学的選択肢の中でも最も現実味のある方策だが、この手の取り組みは紛争拡大を避けるためにも慎重に調整される必要がある」と述べています。

 これは、2014年以降現在までの米国のウクライナへの武器供与や軍事的な関与を指示はしているものの、過剰な深入りをいさめてもいます。

 米国はウクライナ紛争の拡大に失敗したどころか、逆に、戦略爆撃機を有するロシア空軍基地へのウクライナ軍のドローン攻撃を事実上、バックアップして、世界を「核戦争」の淵に立たせています。

 この点で、現実の米国は、ランド報告書の持つ現実主義的で紛争回避的な側面をきれいに読み飛ばして、しゃにむに、「ロシアを軍事的に拡張させている」と言えます。

 ランド報告書の結論部分の最後は重要です。

 「ロシアの拡張ということそのものは、ここで概要を示した諸々の措置を検討する十分な根拠とはならない。むしろ、防衛、抑止力、そして――米露の利害が一致することがあるなら――協力にもとづく国家政策という、広い文脈で検討される必要がある」

 つまり、ロシアの拡張を自己目的として報告書で述べた諸手段を使用すべきとはいえない、と述べているのです。

 これらの諸手段は、防衛、抑止力、そして――米露の利害が一致することがあるなら――協力にもとづく国家政策という、広い文脈で検討される必要があるとランド報告書は明言しています。

 現在の米国がロシアに対して行っていることは、防衛・抑止力・協力にもとづいた政策ではまったくなく、ロシアを軍事的に拡張させる方向へと刺激し、対立・競争をエスカレートさせる性質のものでしかありません。

 次回は「第3章 経済的手段」をご紹介します。

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■都議会で立憲民主党・五十嵐えり都議が東京都人権部による差別問題を追及! 関東大震災での朝鮮人犠牲者否定メールを出した人権部は、過去に幹部が在日ブラジル人差別発言もしていた!! 小池百合子都知事は朝鮮人虐殺の歴史認識について、またしても明確に答えず!!

 東京都総務局人権部が、都の外郭団体である東京都人権プラザの運営を委託されている、公益財団法人東京都人権啓発センターあてに送った、関東大震災時の朝鮮人虐殺否定メールの問題が、立憲民主党の都議により、7日の都議会本会議代表質問、8日の都議会本会議一般質問でも追及されました。また、11月30日に行われた総務委員会でも追及されています。

※令和4年第4回定例会 録画映像 本会議 代表質問(東京都議会、2022年12月7日)
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/live/video/221207.html

※令和4年第4回定例会 録画映像(一般質問)(東京都議会、2022年12月8日)
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/live/video/221208.html

※総務委員会 令和4年11月30日(水)(東京都議会 常任・特別委員会中継)
https://metro-tokyo.stream.jfit.co.jp/?tpl=gikai_result&gikai_day_id=699

 この問題は、東京都港区芝にある東京都人権プラザで、8月30日から11月30日まで開催されていた、美術作家・飯山由貴氏による「あなたの本当の家を探しにいく」展で、当初の企画案の中にあった映像作品『In-Mates』について、東京都人権部が人権啓発センターあてに「懸念」を示すメールを送り、結果的に上映できなかったというものです。

※朝鮮人虐殺の歴史否定 小池知事に追従した東京都人権部…展示介入事件の深刻さ<寄稿・小田原のどかさん>(東京新聞、2022年11月14日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/213611

 飯山氏らによって明らかにされている、都の人権プラザから人権啓発センター宛に送られたメールには、以下のように書かれていました。

「関東大震災での朝鮮人大虐殺について、インタビュー内で『日本人が朝鮮人を殺したのは事実』と言っています。これに対して、都ではこの歴史認識について言及をしていません」

 「(小池百合子都知事が関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典に、今年も追悼文を送らなかったという『朝日新聞』の記事を参照し)都知事がこうした立場をとっているにも関わらず、朝鮮人虐殺を『事実』と発言する動画を使用する事に懸念があります」

 11月30日の総務委員会では、立憲民主党の五十嵐えり都議の追及に対し、吉村幸子人権部長はメールについて、「事業の検討過程で、最初に当該映像作品を見た人権部の担当職員が、あくまで担当として確認した限りのものとして、いくつかの疑問点を確認する目的で、センターの担当職員宛に送付したもの」だと、繰り返し答弁しました。

 しかしこの30日の総務委員会では、五十嵐都議が、このメールが発送された時点で、メールの宛先として、人権部の課長代理も含めた職員3人にもCC共有されていたことを明らかにし、「なぜ人権部内で問題にならなかったのか」「あくまで担当者が確認のためにやりとりしたメールだというのは、苦しい言い訳だ」と指摘しました。

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■<IWJ取材報告1>前川喜平氏「政権のいいなりのNHKが立ち直るきっかけとして、一石を投じることになればいい」――12.1 シンポジウム「公共放送NHKはどうあるべきか~市民による次期NHK会長候補・前川喜平さんと考えるメディアの今と未来」

 12月1日午後1時30分より、東京都千代田区の衆議院第一議員会館にて、「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」の主催により、シンポジウム「公共放送NHKはどうあるべきか~市民による次期NHK会長候補・前川喜平さんと考えるメディアの今と未来」が開催されました。

 パネリストとして、次期NHK会長候補の前川喜平氏(現代教育行政研究会代表・元文部科学事務次官)、金平茂紀氏(ジャーナリスト・早稲田大学客員教授)、上西充子氏(法政大学教授・国会パブリックビューイング代表)、鈴木祐司氏(次世代メディア研究所代表・元NHK放送文化研究所主任研究員)が登壇し、元NHKプロデューサーの永田浩三氏が司会進行を務めました。

 シンポジウムでは、「政権のいいなり」となって自主自立を失った今のNHKの、何が問題なのか、あるべき公共放送とはどういうものかについて、登壇者が意見交換をしました。

 前川喜平氏は、自身が公選制でも公募制でもないNHK会長候補に推薦されたことについて、「本当に会長になるはずはない」と言いながら、「NHKが立ち直るきっかけとして、一石を投じることになればいい」と訴えました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※前川喜平氏「政権のいいなりのNHKが立ち直るきっかけとして、一石を投じることになればいい」――12.1 シンポジウム「公共放送NHKはどうあるべきか~市民による次期NHK会長候補・前川喜平さんと考えるメディアの今と未来」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512690

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■<IWJ取材報告2>虐待・性搾取被害少女を支援する仁藤夢乃氏らが大量の悪意のデマ記事で「サイバーハラスメント」を繰り返す男性を提訴!~11.29 Colabo(若年女性支援団体)とその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害に関する提訴記者会見

 11月29日午後2時から、東京都千代田区の衆議院第二議員会館で、一般社団法人Colabo(コラボ)とその代表・仁藤夢乃氏による記者会見が行われました。

 「Colabo」は、虐待や性搾取の被害にあっている10代の少女を保護・支援する活動を行なっています。

 「Colabo」と仁藤氏は、虚偽の投稿で社会的信頼を傷つけられたとして、都内に住む40代の男性に対し、「Colabo」に550万円、仁藤氏に550万円の計1100万円の損害賠償、デマ記事の削除、謝罪広告を求める訴えを、東京地裁に起こしました。

 被告であるこの男性は、ツイッターアカウント名「暇空茜/Kiyoteru Mizuhara @Z4mibyc8FYL06mB」、または「暇空茜 @himasoraakane」、YouTubeアカウント名「暇な空白チャンネル」並びに、ブログサイト『note』で「暇な空白」名(以下、「暇空茜」)で、「Colabo」や仁藤氏に対し、非常に深刻なデマや中傷、嫌がらせを繰り返している中の1名とのこと。

 弁護団の神原元(かんばら はじめ)弁護士は、「荒唐無稽なデマを毎日大量に垂れ流し、『Colabo』や仁藤さんの信用を傷つける行為は、サイバーハラスメント、オンラインハラスメントだ」と批判しました。

 暇空茜は、ブログサイト『note』で以下のように書いています。

 「Colaboは10代の女の子をタコ部屋に住まわせて生活保護を受給させ、毎月一人65000円ずつ徴収している」

 「これね、Colaboが公式にあげてる写真によると、タコ部屋みたいな部屋に3人で住んでて、その3人の家計簿を見ると収入が14~16万とアルバイトなら高すぎる。しかも額が生活保護費と一致。家賃と光熱費で4万、他に謎の税保険費とかいう25000円が3人同額で支出に計上されている。生活保護はシェアハウスだめとかあるはずだから、それを不正に受給させながら、さらに不正にバイトも裏でお駄賃をもらってColaboの手伝いをしてる。1000円単位だから時給1000円じゃない? で、月に65000円、ヤサ代を徴収してる以外の答えが思いつかない、っていうだけの話なんだよ」

 「ここで一旦これまでわかったことをまとめます。Colaboは家出少女に弁護士を使って役所にカチこんで生活保護をつけ、シェアハウス(タコ部屋)やアパート(自物件)に住まわせて一人月65000円を徴収している。募った寄付品の食料は、アパートに住んでる子に定期的に送っている。こうして子飼いにした女の子たちを、沖縄基地反対座り込み活動や韓国慰安婦団体正義連のデモに連れ回して政治活動を主として行ってる。こうとしか考えられない様々な疑惑があるってことなんだよ」

 「ざっとみて、補助金の不正受給、生活保護不正受給、未成年誘拐かなにか(親元から引き離して許可を得ず政治活動旅行は合法ではないだろう)、あたりは普通に問題だろうね」

※Colaboと仁藤夢乃さんの生活保護ビジネスについて調べてみました
(ver1.4 9/13更新)(『note』、2022年9月9日)
https://note.com/hima_kuuhaku/n/n85e40cf806be

 訴状によると、「補助金の不正受給」「未成年誘拐」との主張も原告らの名誉を毀損するものではあるが、これらについては本件訴訟では扱わず、別の機会に譲り、本件訴訟では、暇空茜による「生活保護不正受給」の中傷に対して訴えるとのことです。

 記者会見で、弁護団の太田啓子弁護士は、下記のように述べました。

 「暇空茜の書くデマの特徴なんですけれども、『Colabo』のフェイスブックやインスタグラムで、『Colabo』の活動を紹介する写真が載ってるのを引用するんですね。公式の『Colabo』が言ってるんだから、『ほら、本当じゃん!?』といったことをやるわけです。

 ですが、例えば今映ってるこれ(写真を提示)は、女性が3人お布団に座ってる写真ですけれど、『Colabo』のフェイスブックの写真なんですが、これをもってこの暇空茜は、『日常的にこういう風に、せまい一部屋に3人が押し込められてるんだよ、ほら、タコ部屋でしょ!』っていう風に言うんですけれども、その引用してるフェイスブックの投稿を見れば、これは大晦日の年越し合宿、お泊まり会なんですね。

 しかも、これは一時シェルターであって、普段そうやって使っている所に、仲良くなった子たちが、お泊まり会をしていると、そういう楽しい風景として流したものを、わざと文脈を変えて、あたかも事実(タコ部屋)であるかのように断言して流すと。こういうデマのパターンばかりなんですね」

 IWJ記者は、暇空茜による『note』の「Colaboと仁藤夢乃さんの生活保護ビジネスについて調べてみました」と題するブログを確認しました。

 暇空茜は、シェアハウスの10代の女性たちが生活費のシミュレーション(模擬訓練)をしている写真から、ホワイトボードに書き込まれている数字を読み取り、それをエクセルに起こし、そのエクセル表の「家賃」と「光熱費」と「保険+税」の項目の横に、自身で「Colabo徴収」と記入しています。写真に写っているホワイトボードには、「Colabo徴収」とは、どこにも書かれていません。

 Colaboの理事である齋藤百合子氏(大東文化大学特任教授)は、次のように語りました。

 「これって、今に起きたことじゃなくて、百数十年前にヨーロッパで、女性が『参政権が欲しい』って言ったときにも、こういうバックラッシュ(反動)がありました。日本でも66年前に売春防止法ができたときにも、やはり市川房枝さんが命の危険を感じるほどの中傷があったという風に書かれています。

 そしてこの66年目にして今年は、『困難な問題を抱える女性への支援に関する法律』というのが、5月に成立しました。仁藤さんもこれに深く関わっています。こうした少しずつ女性の権利が認められようとするこの社会に、『やっぱり、そういう生意気な女たちをやっつけてやろう』、そういう悪意がのぞいているように見えて仕方ありません」

※令和四年法律第五十二号 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(e-GOV 法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=504AC0100000052_20240401_504AC0000000066

 詳細は、ぜひ全編動画を御覧ください。

※虐待・性搾取被害少女を支援する仁藤夢乃氏らが大量の悪意のデマ記事で「サイバーハラスメント」を繰り返す男性を提訴!~11.29 Colabo(若年女性支援団体)とその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害に関する提訴記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512665

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20221210

IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、城石裕幸、浜本信貴、前田啓、六反田千恵、中村尚貴)

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