■■■ 日刊IWJガイド・番組表「日本のアカデミズムを『軍事化』の魔の手から守ることはできるか!?検討会では軍事研究容認の学術会議会長と反対派の委員が紛糾!/ドゥテルテ大統領の『安倍総理からのミサイルオファーを断った』発言について、朝日新聞は『曲解』と報道!?/共謀罪をめぐる攻防、菅官房長官は『従来の「共謀罪」とはまったく違う』と強調」2017.1.17日号~No.1586号~ ■■■
(2017.1.17 8時00分)
おはようございます、IWJ記者の城石エマと申します!
昨日の本ガイドで、フィリピンを訪問した安倍総理が、ドゥテルテ大統領に「ミサイルの提供」を提案し、同大統領がお断りしたと現地紙が報じた事実をお伝えしました。
報道したのは、「フィリピン・スター」というフィリピンの日刊紙。それによると、安倍総理の訪問後、ドゥテルテ大統領がダバオ市の商工会議所の評議員や役員の就任式の場で明かしたそうです。
・Duterte: I rejected Japan missile offer(Philippine Star、2017年1月15日)
https://sg.news.yahoo.com/duterte-rejected-japan-missile-offer-000000071.html
日本のメディアでは日比両首脳によるやりとりはほとんど報じられていませんが、もし本当に、安倍総理が訪問先の外国で「ミサイルを提供しよう」とオファーしていたとしたら、事は重大です。
安倍総理は今回の訪問で、ドゥテルテ大統領に今後5年間で1兆円もの支援をすると約束をしてきたわけですが、それが実はフィリピンを日米陣営につなぎとめて、対中ミサイル配備を目論んだものだった・・・という話であれば、南シナ海の緊張を高める危険な外交であり、事実であれば大スクープのはずです。
昨日の菅官房長官の記者会見では、ブルームバーグの記者がこの件について、「本当に安倍総理からそのような発言はあったのか?」と聞いた以外に質問はなし。日本のメディアからの質問はなく、菅官房長官は「承知しておりません」の一言で一蹴してしまいました。
一方で、この件について朝日新聞が16日付の記事で、ドゥテルテ大統領は「安倍にも言ったんだ、私はミサイルは必要としていないと」と述べたに過ぎず、安倍総理がミサイル提供を提案したというのは「曲解」と報じています。
・安倍首相にミサイル断る? 比大統領「発言」報道で波紋(朝日新聞、2017年1月16日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK1J4CVKK1JUHBI00T.html
もちろん、安倍総理とドゥテルテ大統領が1対1の場で何を語ったのかについては、当事者以外は現時点では知りようがありません。しかし、ドゥテルテ大統領が安倍総理の名前を出しながら「ミサイルは必要ない」と(安倍総理に)言ったのは、何らかのやりとりがあったからだと考えるのが通常でしょう。
朝日の記事でも、ドゥテルテ氏の公開の場での「必要ない」発言は、事実として報じられています。ミサイルの話題がでていないのに、一方が他方に対して「必要ない」という必要がどこにあるでしょうか?朝日の記事は、一読して不自然な印象がぬぐえません。前出の菅官房長官の会見での回答も、明確に「そうした事実はない」と断言しなかった点が引っかかります。
IWJは、日本のマスメディアが報じないこの問題を追って報じていきます。「フィリピン・スター」の記事につきましては、近く日本語翻訳を掲載する予定ですので、どうぞお待ちください。
国内マスコミが重要なニュースを報じず、自分の国の総理大臣の危ない発言や行動まで、海外からの情報をチェックしなければならないことは大変残念ですが、IWJは粘り強く報じていく所存です。どうか、IWJが今後も存続していくことができるよう、IWJの会員にご登録いただき、みなさまの会費でIWJをお支えください。
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★本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします!
┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■<ニュース・フラッシュ!>共謀罪をめぐる攻防、菅官房長官は「従来の『共謀罪』とはまったく違う」と強調/トランプ当選でTPP断念したベトナムを安倍総理が訪問!TPP推進へ向け説得へ!? /8割が「外国人犯罪多発デマ」を信じていた!(原佑介)
┠■<★取材報告★>日本のアカデミズムを「軍事化」の魔の手から守ることはできるか!?検討会では軍事研究容認の学術会議会長と反対派の委員が紛糾!(城石エマ)
┠■<お知らせ>スタッフ緊急募集!会員の皆様の情報を扱う「会員管理班」の人手が不足しています!ぜひ、ご応募ください!(城石エマ)
┠■わとはぷ~What happened today?――阪神・淡路大震災から22年、神戸市など各地で追悼式(ぎぎまき)
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◆中継番組表◆
**2017.1.17 Tue.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【Ch5】14:00~「日本外国特派員協会主催 『福島県飯舘村の原発事故による避難指示解除問題に関して』松本のり子氏(福島 自主避難者)、石丸偉丈氏(「こどもみらい測定所」代表)、吉田千亜氏(『ルポ 母子避難』著者)記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※「日本外国特派員協会」主催の記者会見を中継します。
【再配信・Ch4】19:00~「ガチ平和映画祭『派兵の真実~事故を隠蔽された元自衛官の告発~』上映会後のトークライブ―古是三春(軍事評論家)+増山れな」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※1月13日に収録した、古是三春氏(軍事評論家)と増山れな氏による、南スーダン駆けつけ警護の実態・問題点についてのトークライブを再配信します。
【再配信・IWJ_YouTube Live】19:00~「『AIIB参加こそが平和への道』――大手メディアが黙殺する『AIIB顧問就任』の真実! そして、日中友好にかける思いとは? 岩上安身が元内閣総理大臣・鳩山友紀夫氏に独占インタビュー!」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※1月10日収録の、岩上安身による元内閣総理大臣・鳩山友紀夫氏インタビューを再配信します。なお、岩上安身によるインタビュー中継及び、再・録画配信は、YouTubeのライブストリーミングを使用して配信いたします(詳しくはこちらをご参照ください→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/355478 )。
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/355569
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◆中継番組表◆
**2017.1.18 Wed.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会 田中俊一委員長による定例会見を中継します。
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◆昨日アップした記事はこちらです◆
イスラム法学者・中田考氏が駐トルコ・ロシア大使殺害事件を解説! 「トルコは今回の事件に対して非常に難しい対応を迫られている」―日本のマスコミには絶対解説できないトルコとロシアの思惑
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/353357
【献本御礼】三國英實著『食料流通問題の新展開』(筑波書房)
http://iwj.co.jp/feature/book/archives/2097
「共謀罪なしでも、国連越境組織犯罪防止条約(パレルモ条約)の立法ガイドに反しないのでは?」~民進党による国対ヒアリング・「共謀罪」法案について
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/356833
共産党大会に野党代表が集結!~一本化での共闘を宣言した民進・安住代表代行はIWJの直撃に「私個人で来たわけではありませんので」!?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/356721
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続いては、城石エマに戻りお伝えします。
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■<★取材報告★>日本のアカデミズムを「軍事化」の魔の手から守ることはできるか!?検討会では軍事研究容認の学術会議会長と反対派の委員が紛糾!
日本の学術界は、第二次大戦の痛切な反省から「二度と軍事研究には協力しない」と誓いました。その筆頭となってきたのが日本学術会議です。しかし、防衛省の軍事研究費が2016年度の6億円から、2017年度は110億円に急増した中で今、防衛省からの「お金」に目がくらみ、日本学術会議の決意が揺らいでいます。
昨日、東京で開かれた日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」では、今後の学術会議の態度を決定する上での中間報告がなされました。検討委員会・委員長の杉田敦氏から発表された声明案には、防衛装備庁が推進する「安全保障技術研究推進制度」には政府による学問への介入が大きすぎる問題があること、技術を防衛目的と攻撃目的に区別することは難しいことなどが盛り込まれ、概して軍事研究には慎重な姿勢が示されました。
しかし、意見表明した10人の委員のうち、多数がこの声明に対し賛成を示す中、日本学術会議の大西隆会長をはじめ3人が否定的な意見を表明。大西氏は、「憲法では自衛権を認めているのだから、大学での防衛装備の研究は認めるべき」「そもそも『軍事研究』などという呼び方はレッテル貼り」などといった意見が出ました。さらに他の委員から「国家の安全に対して無責任な学者や大学は政治から相手にされなくなってしまう」といった意見が出てくると、傍聴席からは失笑も。
声明に賛成の委員からは、大西会長らの発言に対し、「学術の貢献は日本の防衛にあるのではない」といった声も出ました。
ある程度の方向性が見出されることになるかと思われた昨日の日本学術会議の議場では、結局、対立意見が収まる様子はなく、審議は継続となることに。
「安全保障と学術に関する検討委員会」の模様は、近く記事にまとめますので、ぜひ、ご確認ください。
防衛省の軍事研究費の増大に対しては、昨年12月28日に名古屋大学名誉教授の池内了氏、慶応大学名誉教授の小沼通二氏、立教大学教授の香山リカ氏、NAJATの杉原浩司氏らが緊急記者会見を行いました。そちらの様子もぜひ、ご視聴ください。
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※軍事研究費6億円から110億円に急拡大! 軍事国家化の第一歩? 池内了氏・香山リカ氏ら「軍学共同反対連絡会」が緊急記者会見 2016.12.28
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/354239
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防衛省が防衛装備品(つまり「武器」)を開発するために、学問や民間企業に急接近している事実について、岩上さんが昨年、池内氏や、東京新聞記者の望月衣塑子氏らにインタビューをして明らかにしてきました。ぜひ、下記もあわせてご視聴ください。
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※今、科学の世界のスポンサーは「防衛省」!? 安倍政権のもとで進む「研究者版・経済的徴兵制」に警鐘を鳴らす! ~岩上安身が池内了名古屋大学名誉教授に「軍学共同」問題を訊く!(前編) 2016.9.20
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/332684
※「科学者は『科学の限界』を語るべき」2度の大戦、福島原発事故を振り返り、科学者の「社会的責任」を考える~岩上安身が池内了名古屋大学名誉教授に「軍学共同」問題を訊く!(後編) 2016.9.21
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/333046
※2016/09/26 日本の武器ビジネスの現場はいま――「死の商人」国家へと舵を切った安倍政権の実態に迫る!『武器輸出と日本企業』著者・望月衣塑子氏に岩上安身が訊く(前編)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/334097
※2016/10/06 誤爆率9割の殺人兵器「無人戦闘機」の実態! ついには「人工知能 (AI)」による「戦争の無人化・自動化」も実現間近!? ~『武器輸出と日本企業』著者・望月衣塑子氏に岩上安身が訊く(後編)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/336493
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■<お知らせ>スタッフ緊急募集!会員の皆様の情報を扱う「会員管理班」の人手が不足しています!ぜひ、ご応募ください!
会員制のシステムをとっているIWJには、記事やメルマガを執筆する「テキスト班」や、IWJのウェブサイトを管理する「ウェブ班」に並び、「会員管理班」というチームがあります。IWJの会員にご登録くださったみなさまの大事な個人情報をお取り扱いしたり、お問い合せにお答えさせていただいたりする、とても大事な部署ですが、この2月~3月にかけ、これまで「会員管理班」を支えていたスタッフの退社が重なることとなり、深刻な人手不足に陥ってしまいます。
そこで、この「会員管理班」でお仕事をしてくださるスタッフを、急遽大募集いたします!「会員管理班」が機能しなくなれば、どんなに岩上さんやIWJスタッフが報道を続けたい!という気概を持っていても、会社自体が回らなくなってしまいます。
以下の詳細をご確認いただき、奮ってご応募ください!お待ちしております。
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・事務経験のある方
・週5日の出勤が可能な方
・PC操作に慣れている方(特にexcelに慣れている方)
・柔軟性があり、協調性のある方
・細やかな気遣いが出来る方
・コミュニケーションスキルのある方
・責任感があり、真面目にコツコツと業務をおこなえる堅実な方
・IWJの報道に関心や理解があり、政治・社会問題にも興味のある方
・できれば長期にわたって勤められる方
IWJは政治や社会問題といった、一見すると「お固い」テーマを扱っていますが、スタッフ一人ひとりはとてもフレンドリーです。(もちろん、仕事には真剣に取り組んでいます)。「会員管理班」のスタッフとして、私たちと一緒に仕事をしてみませんか? ぜひ、以下のフォームよりご応募ください!
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