日刊IWJガイド 2015.3.29日号~No.928号~


■■■ 日刊IWJガイド 2015.3.29日号~No.928号~ ■■■
(2015.3.29 8時00分)

おはようございます、日々の中継などを担当している石川優と申します。

最近は事務作業なども一部お手伝いしています。慣れない作業で四苦八苦しておりますが、IWJの事務スタッフの皆さんが、日頃、いかに大変な作業をしていたのかということが、よくわかり始めました。

中継のスキルを高める一方で、岩上さんの方針である「IWJは全員攻撃、全員守備」というチームIWJのスタメンとなるべく、必死に事務作業を覚えている最中です。現場で他メディアの大男たちに揉まれるのとは対照的に、事務所では、優しいお姉さまがたに仕事を教えていただけているので、そこはほんのり幸せでもあります。春って素晴らしいですね。

■本日、 『天は人の下に人を造る~「福沢諭吉神話」を超えて』著者・杉田聡氏に岩上さんがインタビュー

さて、本日は、注目の中継が続きます!

岩上さんのインタビュー復帰第2弾として、帯広畜産大学教員の杉田聡氏にインタビュー致します(※一昨日夜の古賀さんインタビューを含めれば第3弾です!)。

午前10時よりCh1で中継致します。
視聴はこちらから→【 http://bit.ly/1biXzMu

杉田氏は、昨年末、著書『天は人の下に人を造る~「福沢諭吉神話」を超えて』を発表された哲学・思想史研究者です。前著『福沢諭吉 朝鮮・中国・台湾論集~「国権拡張」「脱亜」の果て』とあわせて、福沢諭吉の言説を俎上にあげ、従来の「諭吉像」に疑義を唱えられています。

杉田氏によると、福沢諭吉は朝鮮や中国、台湾に対する拡張主義的、かつ差別的な論説を多数発表していたといいます。元祖ネトウヨであり、本家ヘイトスピーカーであり、侵略的な帝国主義者の親玉である、ということになります。

以前、岩上さんがインタビューをした名古屋大学名誉教授・安川寿之輔氏も同様の指摘をされていました。さらに杉田氏によれば、福沢諭吉はアジア蔑視にとどまらず、国内の障害者や被差別民、さらには女性にまでも差別的な視線が向けられていたというのです。さらには貧富の格差も肯定していました。現代の新自由主義の先駆けでもあったのです。

かつて、杉田氏のご著書を読んで衝撃を受けた岩上さんは、「重要資料については、可能な限り、引用された部分ではなく、原典を読むべき、とはよく言われるが、本当にその通りだとつくづく思う」とツイートしました。

さらに、杉田氏の『福沢諭吉朝鮮・中国・台湾論集~国権拡張脱亜の果て』(明石書店)を引用し、次のようにツイートを続けました。

「1882年3月に書かれた論説。『圧制もまた愉快なるかな』。タイトルからして悪魔的、かつ今日的である。ほんの少し前なら、圧制など過去の話と笑って片付けられたが、安倍政権の誕生以降、誰も笑えなくなった。140年前の論説は、今も命脈を保っている。

 福沢諭吉は、洋行中に目撃した、英国人が中国人に対して、『幕吏』の如く、威張り散らしている様子にふれ、なんと『英国人民の圧制を羨むのほかなし』と書く。羨ましい、というのだ。そして、いつの日かその英国人民すら奴隷のように扱いたい、と続ける。

 『その英人をも奴隷のごとくに圧制して、その手足を束縛せんものをと、血気の獣心、おのずから禁ずることあたわざりき』。中国人を憐れむのでもなく、英人を憎むのでもなく、圧制する側に立てば愉快だろう、というのだ」

 福沢諭吉だけが特別なレイシストだったのであれば話はそれまでですが、そう単純な話ではありません。福沢諭吉の差別・侵略思想が日本に根付き、その後の侵略戦争に直接結びついているからこそ無視できないのです。岩上さんは次のようにまとめています。

 「今なお日本が明治から始まる侵略的な帝国主義の尻尾を断ち切ることができないのは、なぜか。理由は様々あれども、満州事変以降の昭和の軍部の暴走だけを取り上げ、その土台をなした明治の時代精神を振り返らず、手つかずに残してきたからではないか。

 当時の最大のイデオローグである福沢諭吉の生の宣布を読まずにきてしまったからではないか。当時の論説をありのまま読むと、福沢の論法、レトリック、罵詈雑言に至るまで、今も命脈を保っていることがよくわかる」

岩上さんのツイートは、次の「岩上安身のツイ録」にまとめてあります。昨日トップページにも再掲いたしましたので、インタビューの前に、是非ご一読ください!

※2014/01/04 【岩上安身のツイ録】「圧制もまた愉快なるかな」~福沢諭吉の「時事新報」論説を読む 「栄光の明治」の延長としての「暴走の昭和」、そして現代
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/118697 

ヘイトスピーチ問題に関心のある方、戦争への懸念を覚える方、新自由主義へ疑問のある方、必見のインタビューです!平日はお仕事で生中継を見られないという方々も、本日は日曜日なので家で過ごされる方も多いかと思います。お出かけの方も、午前10時スタートのインタビューですので、お出かけ前に、ぜひ、ご視聴ください。

昨年、岩上さんがインタビューした名古屋大学名誉教授・安川寿之輔氏インタビューもご参考に御覧いただければ、より理解が深まるかと思います。

※2014/09/03 「奴隷の群衆」「牛馬豚犬」…”元祖ヘイトスピーカー”としての福沢諭吉を徹底検証~岩上安身による名古屋大学名誉教授・安川寿之輔氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/166258

(後半へ続く…)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.3.29 Sun.**

【Ch1】10:00~「岩上安身による『天は人の下に人を造る―「福沢諭吉神話」を超えて』著者・杉田聡氏インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※昨年12月に『天は人の下に人を造る―「福沢諭吉神話」を超えて』を出版されたばかりの杉田聡氏への初インタビュー。杉田氏によると、福沢諭吉は、朝鮮人や中国人などに対する差別だけでなく、女性差別、身障者差別、部落差別など、様々な差別的言動を、自分の主宰する新聞「時事新報」(現在の産経)紙上で、繰り返していたといいます。
(2月22日に北海道の帯広で行なう予定となっていましたが、その前夜の21日の夜に岩上安身が狭心症の発作に見舞われ、緊急搬送されたため延期となっていました)

~関連記事はこちら~
【岩上安身のツイ録】「圧制もまた愉快なるかな」~福沢諭吉の「時事新報」論説を読む 「栄光の明治」の延長としての「暴走の昭和」、そして現代
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/118697

【IWJ_FUKUSHIMA1】13:30~「西尾正道氏講演会『正しく放射線のリスクを知る』」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-fukushima1
※北海道がんセンター名誉院長で、臨床医として約40年もの間、放射線治療に携わってきた西尾正道氏の講演を中継。

~関連記事はこちら~
【IWJブログ・特別寄稿】『健康被害に関するICRPの理論の問題点』(北海道がんセンター名誉委員長 西尾正道)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/238989

「内部被曝の影響は、これから出てくる」 放射線治療の第一人者が語る、被曝問題の隠された真実 ~岩上安身による西尾正道氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/233698

【Ch4】13:30~「『安全工学からみた原発』~安全の基本原理がなぜ成立しないか~」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※NPO法人APAST主催、明治大学安全学研究所共催。
後藤政志氏(NPO法人APAST理事長)、杉本旭氏(明治大学理工学部教授
同大学院新領域創造安全学専攻)、佐藤国仁氏(技術士・機械安全技術者)、筒井哲郎氏(APAST事務局長、元プラント設計技術者)、小倉志郎氏(コスタリカに学ぶ会世話人、元・原発技術者)が参加予定

【再配信・Ch5】17:00~「報道の正しい機能が失われていくことで独裁や戦争に繋がっていく可能性を危惧――『翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/235576
※2015年2月25日(水)に、今井一氏、古賀茂明氏、マッドアマノ氏らが日本外国特派員協会で行った会見を再配信します。
この声明には、IWJ代表の岩上安身も賛同者として名を連ねているほか、現役のNHKチーフプロデューサーや、毎日新聞編集制作者も名乗りをあげている。この日の会見では、劇作家・演出家の平田オリザ氏、小説家の中沢けい氏も出席。

【IWJ_MIE1】19:00~「ピースウイング代表・山中光茂氏×古賀茂明氏対談」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-mie1
※「改革はするけど、戦争はしない」という理念に共感する勢力(フォーラム4)を結集していくことの重要性を訴えている、古賀茂明氏とピースウイング代表・山中光茂松阪市長の対談を中継します。
(※電波状況によっては録画になることがあります)

~関連記事はこちら~
【速報】「報道ステーション」終了直後の古賀茂明氏に岩上安身が緊急直撃インタビュー!降板の内幕を衝撃暴露
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/240770

【集団的自衛権行使容認】「市民が、当たり前の生活を送ることができなくなる」 ~岩上安身による山中光茂・松阪市長インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/163402

【会員限定再配信】19:00~「電力業界によるメディアコントロールの実態『広告代理店は企業の危機管理係』~岩上安身による『電通と原発報道』著者・本間龍氏インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/wj/member/limited
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/36979
※2012年10月23日(火)に行われた、「岩上安身による『電通と原発報道』著者・本間龍氏インタビュー」を会員限定で再配信します。本間氏は、業界第2位の大手広告代理店・博報堂に17年間勤務し、優れた営業成績を残してきました。

~~会員限定配信の視聴方法~~

1,会員限定視聴ページ( http://iwj.co.jp/wj/member/limited )へアクセス
2,登録メールアドレスとパスワードを入力
3,ページに表示されているパスワードを、視聴画面に入力

以上の手順で、ご視聴いただけます。ぜひ、ご覧ください。

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(…前半の続き)

■報道ステーションを降板した古賀茂明氏と集団的自衛権行使容認を提訴予定の山中光茂・松阪市長が対談 本日夜19時より生中継

もうひとつ本日、注目の中継があります。

一昨日金曜日の報道ステーション出演を最後に降板した元経産官僚の古賀茂明氏と、昨年7月の集団的自衛権行使の閣議決定に意義を唱え、国を提訴する予定の山中光茂・松阪市長が対談をおこないます! ご注目ください!

【IWJ_MIE1】にて、夜19時からです
ピースウイング代表・山中光茂氏×古賀茂明氏対談

ご視聴はこちらから→http://bit.ly/1hesf58

山中光茂松阪市長には、昨年8月、岩上さんがインタビューし、閣議決定に対して違憲訴訟、国家賠償請求を起こすと表明した思いなどをお聞きしました。

インタビューの中で、山中氏が繰り返し口にしたのは、「当たり前」というキーワードです。当たり前の市民が、当たり前の生活を送ることが、集団的自衛権行使容認で不可能となってしまう。つまり「平和的生存権が侵害される」ことに対する異議申立てを行うのだと強調されました。

※2014/08/23 【集団的自衛権行使容認】「市民が、当たり前の生活を送ることができなくなる」 ~岩上安身による山中光茂・松阪市長インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/163402

古賀茂明氏には先月2月2日、岩上さんが単独インタビュー致しました。古賀さんは「イスラム国(IS)」の邦人人質事件に関して、「後藤健二さんらがイスラム国に拘束されていることを外務省は把握していたため、外務省は、安倍総理の中東歴訪にリスクを感じ、官邸に対して取りやめるよう進言していたのではないか」と分析。

それでも中東歴訪が行われたのは、「首相官邸が却下したか、あるいは、外務省が言えなかったかのどちらかだろう」との推測を披露しました。さすが元官僚ならではといった、鋭い分析です。

このお二人が対談するとは、今日の対談は絶対に見逃せません! こちらの古賀さんインタビューの模様は、一昨日、「岩上安身のIWJ特報!」にまとめて発行致しました! そちらのほうもご購読ください。

※2015/02/02 日本が「戦争なしでは生きられない国」になってしまう――岩上安身が元経産官僚・古賀茂明氏に聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/229813

※【IWJ特報202号発行!】「日本が『戦争なしでは生きられない国』になってしまう」 岩上安身による元経産官僚・古賀茂明氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/240738

4月2日のインタビューまでにはぜひ、読んでおいてもらいたい内容です。
IWJ特報は、まぐまぐ、ブロマガでもご購読いただけます。

※まぐまぐ http://bit.ly/1bRZgTa

※ブロマガ http://bit.ly/1hOF7O2

一昨日夜には、最後の『報ステ』出演直後の古賀氏に、岩上さんが直撃インタビュー致しました。生中継時は、リアルタイム視聴者4000人を超え、合計視聴者数は、1万人を超えました。

※【速報】「報道ステーション」終了直後の古賀茂明氏に岩上安身が緊急直撃インタビュー!降板の内幕を衝撃暴露
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/240770

中継後の記事も、相当な数のアクセスがあります。これだけの人がリアルタイムで見るというのは、それだけ古賀茂明さんの番組降板が関心の高い出来事だったことがわかります。

現在、自民党の憲法改正推進本部長を務めているのは、船田元衆議院議員。テレビなどでもよく見かけます。時事通信によると、船田元氏は今月25日、都内で講演し、憲法改正発議について「来年夏の参院選直後の臨時国会では難しい。これから2年以内に発議と国民投票ができればいい」と述べ、再来年の通常国会中の発議を目指す考えを示したといいます。また、9条改正に関しては「1回目でやりやすいところをやった後、できれば2回目にやりたい」と本音を包み隠さず語りました。

一度、会員の皆様には会員限定で配信をしましたが、サポート会員の方でも、このDVDでしかご覧いただけない動画です!!

・2013年8月収録
岩上安身による篠田謙一氏インタビュー
http://bit.ly/1BC4H3q

日本人はどこから来たのか。そもそも「日本人」とは何か――。
人類学の分野では、人類の起源を解き明かそうとする試みが長年行われてきました。数十年前の通説では、「人類は100万年以上前にアフリカを出て世界各地に広がり、長い年月をかけて黒人や白人へと進化した」とされてきたのですが、近年の研究で、この通説は覆されました。

2013年8月15日、国立科学博物館で岩上安身のインタビューに応えた篠田謙一氏(人類史研究グループ長)は、「世界中に広がる人類の歴史はそれほど長くない。人類は皆6万年前にアフリカから出発し、その時には今の私たちと同じ体格・能力を持っていた」と語ります。人類は皆、兄弟姉妹であるというのは、比喩ではないのですね。ミトコンドリアDNAを分析することで、人類の起源を解き明かしてきた篠田氏は、さらに日本人の成り立ちにも言及しました。

もう一点、注目のDVDがあります。

・2013年12月収録
岩上安身による上村静氏インタビュー
http://bit.ly/1IG9IwE

ユダヤ学・聖書学が専門で、『宗教の倒錯』(岩波書店、2008.09)、『キリスト教の自己批判~明日の福音のために』(新教出版社、2013.10)などの著書がある上村静氏に、岩上安身が6時間を超えるロングインタビューを行いました。24日のクリスマス・イブ、25日のクリスマス当日の2回に分けて、「IWJクリスマス・スペシャル」と題して特別配信。

話題は、「聖書学」が明らかにした「史的イエス」の実像から、ユダヤ教徒とキリスト教の関係、黙示録やシオニズム、さらにはTPPや集団的自衛権行使容認といった今日的な話題まで、非常に多岐に渡りました。

日本は米国の圧倒的な影響下にありますが、彼ら欧米のキリスト教圏の諸国が何を考えいるのか、理解するためには「聖書とキリスト教」への理解が不可欠でしょう。

■わとはぷのコーナー (3月29日)

2004年3月29日に、世界初、アイルランドで全国の公共施設で全面禁煙をスタートしました。アイルランドではタバコの自動販売機も禁止になっているそうです。

日本では、神奈川県で2010年4月から受動喫煙防止条例が施行されました。

この受動喫煙防止の動きは、国政でも少しずつ動きはじめています。2020年の東京五輪もあり、その2020年までを目標に、受動喫煙防止法を作ろうという動きです。昨年11月には、超党派の議連「東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を実現する議員連盟」も発足しました。

東京都も有識者を集めて、受動喫煙防止条例の検討会を発足し、これまでに4回会合を開いてきましたが、明日30日に開催される会合で検討会の取りまとめをするそうです。

タバコを吸わない私にとっては、受動喫煙防止法はありがたいことですが、法の中身については、よく議論していただきたいと思います。

ちなみに、先日、帯広で倒れた岩上さん、最後のトリガーを引いたのは、三次会でタバコの煙が立ち込めるバーに行き、受動喫煙してしまったことによると、岩上さん自身が言っています。

タバコの煙は、血管を収縮させます。心肺に悪影響をもたらすことは間違いありません。

どうぞ、皆さんもお気をつけてください。

健康ですこやな毎日を、皆さんとともに過ごしたいと思います。

本日も一日、よろしくお願い致します。

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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