■■■ 日刊IWJガイド 2015.3.19日号 ~No.918号~ ■■■
(2015.3.19 8時00分)
おはようございます。IWJのぎぎです。
朝と夜の気温差があるものの、すっかり桜色が似合う春の季節になりました。みなさんの地域はいかがですか? これからは、お花見が楽しみですね~。特に何があるわけじゃないのですが、最近、気づいたら鼻歌をハミングしている私です。
■三原じゅんこ議員の「八紘一宇」発言に波紋
さて、3日前になりますが、3月16日の参院予算委員会で、質問に立った自民党の三原じゅんこ議員が、「八紘一宇」と発言したことが、ネット上で波紋を広げています。
私も動画を確認しましたが、三原議員が「八紘一宇」という言葉を発した途端、背後に映り込んでいた議員たちが顔を見合わせ苦笑いをしているような様子が映し出されていました。にもかかわらず、三原議員は次のように続けました。
「八紘一宇の理念のもとに、世界が一つの家族のようにむつみあい、助け合えるような経済、税の仕組みを運用することを確認する崇高な政治的合意文書のようなものを、安倍総理こそが世界中に提案していくべきだと思う」
「八紘一宇」とは、「世界を一つの家」ととらえ、一つ屋根の下で共存共栄していくという意味ですが、日中戦争から第二次世界大戦にかけて、大日本帝国による、他国への侵略を正当化するためのスローガンとして盛んに用いられました。
他のアジア諸国・諸民族を、力づくで従わせる帝国主義のお題目だったのです。ある世代以上にとっては、おぞましさに身震いするような言葉であったはずです。
そんな言葉を、あっけらかんと国会で使ってしまうとは。暴走族やヤンキーが、「天下統一」とか「全国制覇」などと吹いているのと、さして変わらない気楽さです。
三原議員が、歴史的背景を踏みにじるようにして、この言葉を使用したことは、単なる歴史的な知識の欠如とか、無知とか、無教養ですませられる話ではないはずです。答弁をした麻生副総理が、呼吸をあわせていたのも、十分打ち合わせ済みであることをうかがわせました。
グローバル企業の租税回避問題の文脈で飛び出した発言だったことを考えると、グローバル企業の広がりにあわせて帝国の権力の及ぶ範囲を拡げよ、と言っているようにすら、聞こえてきます。
■中曽根元総理らも過去の国会で「八紘一宇」発言
実は、過去にも、「八紘一宇」発言は国会の場で繰り返されてきました。ですが、三原議員のような、「ポジティブ」な意味で用いられたことはありません。
例えば、昭和32年9月、松永東文部大臣は衆議院文教委員会で、「戦前は八紘一宇ということで、日本さえよければよい、よその国はどうなってもよい、よその国はつぶれた方がよいというくらいな考え方から出発しておったようであります」と発言しています。
敗戦から12年しか経っていない時代では、「八紘一宇」とは、「よその国はどうなったっていい」という国家的なエゴイズムを意味する言葉だったことがわかります。
昭和58年1月には、衆議院本会議の場で中曽根元総理が「戦争前は八紘一宇ということで、日本は日本独自の地位を占めようという独善性を持った、日本だけが例外の国になり得ると思った、それが失敗のもとであった」と、戦争の反省に立った上で使用しています。
あの「中曽根」さんですら、「八紘一宇」とは、戦前の日本の独善性の表現と認めているわけです。三原議員は、かつての中曽根さんよりも、はるかに右寄り、戦前・戦中の軍国主義者と変わらない立ち位置に立っているわけです。
三原議員の口にした「八紘一宇」は、安倍自民党だからこそ、飛び出した発言であることは否定できないと思います。
冒頭、ネット上では波紋を呼んでいると書きましたが、既存マスメディア、特にテレビは何事もなかったかのように、素知らぬ顔で、この発言をスルーしています。この批判精神の不在が、戦前の大日本帝国の現代的な復活をぬくぬくと許していくのだろうかと思うと、鳥肌が立つ思いです。
終戦から70年にあたる今年、夏頃に発表されると言われている「安倍談話」の行方を、世界中が注目しているただ中で、「喧嘩上等」とばかりに、侵略戦争正当化のスローガンを復活させた三原議員の真意を、ぜひ野党議員には国会で追及してもらいたいと思います。
…(後半へ続く)
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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
**2015.3.19 Thu.**
【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力の定例会見
【Ch6】13:30~「『日本は原発輸出政策をやめるべき』ロシア・インド・ヨルダンNGO関係者による記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※ロシア・インド・ヨルダンのNGO関係者が、日本社会に向け、原発輸出反対を訴える記者会見。
【Ch4】16:00~「3.19函館市大間原発訴訟第4回口頭弁論後の報告集会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※15時から開かれる、「函館市大間原発訴訟第4回口頭弁論」の後に行なわれる報告集会を中継します。河合弘之弁護士、海渡雄一弁護士らが報告予定。主催は「大間原発反対関東の会」。
※関連記事はこちら
・2014/12/25 「世界初のフルMOX」大間原発の建設差し止め裁判で進展、市民らが第3回口頭弁論報告集会を開催
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/216697
【Ch5】16:00~「国会エネルギー調査会(準備会) 第47回 さらなる原子力産業保護は必要か? ~コスト、経営、原子力損害賠償~」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※大島堅一氏(立命館大学教授)、除本理史氏(大阪市立大学教授)、卯辰昇氏(損保ジャパン日本興亜保険サービス株式会社)らが問題提起。テーマは、「さらなる原子力産業保護は必要か? ~コスト、経営、原子力損害賠償~」。
【会員限定再配信】17:00~「『政府にとって一番重要なのは西側(アメリカ)との連携』人質解放が優先ではなかった!? 安倍政権の対応『真剣に検証を』元外務省国際情報局長・孫崎享氏に岩上安身が聞く」
視聴URL: http://iwj.co.jp/wj/member/limited
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/229407
※2015年1月31日に収録した、「岩上安身による孫崎享氏インタビュー」を会員限定配信します。
元駐イラン大使で、外務省国際情報局長を務めた経歴を持つ孫崎享氏は、安倍総理による中東歴訪から、イスラム国による邦人人質事件に対する対応まで、「日本政府の責任を真剣に追及しなければならない」と語りました。
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【Ch6】18:30~「気候変動影響の現場とパリ会合に向けた論点~スリランカ・インドネシア調査報告~」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※2015年末に開かれる予定の、国連気候変動交渉パリ会合に向け、行なわれる報告会。「気候変動国際交渉の状況と『損失と被害』」と題し、小野寺ゆうり氏が発言予定。「国際環境NGO FoE Japan」が主催。
【Ch7】18:30~「連続セミナー『温室効果ガス削減の可能性をさぐる~新たな目標設定と政策の実施にむけて~』 第4回 再生可能エネルギーと電力システムの課題」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=7
※「再生可能エネルギーと電力システムの課題」と題し、大林ミカ氏(自然エネルギー財団)、 高橋洋氏(富士通総研)らが発言予定。
【IWJ_OSAKA1】19:00~「大阪市なくなる!くらしこわれる!大阪府民集会」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※「大阪都構想」に反対を訴える、大阪府民集会。関西学院大学法学部教授・冨田宏治氏が発言予定。
【3.11から丸4年再配信プログラム第18弾・Ch1】20:00~「百人百話第19話『はっぴーあいらんどネットワーク』世話人・植木宏さん『僕たちは無力じゃない、微力なだけだ』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/feature/100100/list1/19ueki/
※2011年9月1日に収録した「百人百話第19話『はっぴーあいらんどネットワーク』世話人・植木宏さん『僕たちは無力じゃない、微力なだけだ』」を再配信します。
※特集ページはこちらから
・百人百話 |IWJインタビューシリーズ|百人百話とは
http://iwj.co.jp/feature/100100/
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(前半の続き)…
■初の自治体訴訟「大間原発訴訟」第4回口頭弁論
さて、今日の中継予定をお知らせします。今日は、「エネルギー」関連の配信が集中する1日となりました。
15時からは、Ch4で大間原発訴訟第4回口頭弁論の報告集会を中継予定です。すでに4回目をを迎えた口頭弁論ですが、この裁判は、北海道函館市の工藤市長が、大間原発の建設凍結を求めているもの。
福島原発事故を踏まえ、国は、防災計画の策定を義務づける範囲を、これまでの10kmから30kmに変更。函館市も30km圏内に含まれることになりました。
工藤市長は、甚大な被害を受ける可能性があることを、福島原発事故から学んだ上で、函館市にも建設について発言権が与えられるべきだと、危険だけを押し付けられる理不尽さを受け入れず、自治体訴訟を起こしました。
第三回まで口頭弁論の報告集会については、こちらの記事をぜひご覧ください。
・2014/12/25 「世界初のフルMOX」大間原発の建設差し止め裁判で進展、市民らが第3回口頭弁論報告集会を開催
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/216697
その他にも、気候変動影響についての、スリランカとインドネシアからの調査報告集会や、気候ネットワークが主催する連続セミナー「温室効果ガス削減の可能性をさぐる~新たな目標設定と政策の実施にむけて~」の第4回、「再生可能エネルギーと電力システムの課題」を本日は中継しますので、ぜひご覧ください。
■東日本大震災、福島原発事故から丸4年。今夜も百人百話を再配信!
そして、3.11から丸4年再配信プログラム第18弾として、昨日に続いて、「百人百話」の第19話、「はっぴーあいらんどネットワーク」の世話人である植木宏さんの回を再配信します。長野県松本市に移住後、福島から避難したくてもできない家族の子どもを「留学」という形で受け入れる、「まつもと子ども留学プロジェクト」を開始されました。植木さんが、事故当時にどんな経験をどんな言葉で語っていたのか、事故を風化させないためにも、今一度、見ていただきたいと思います。
「百人百話」の動画アーカイブは、下記よりご覧いただけます。
※「百人百話」第1期
→ http://iwj.co.jp/feature/100100/list1/
※「百人百話」第2期
→ http://iwj.co.jp/feature/100100/list2/
※「百人百話」参院選直前特集
→ http://iwj.co.jp/feature/100100/list3/
また、こちらのページからは、書籍版の『百人百話』の第一集、第二集をご購入いただけます。岩上さんの直筆サイン入りも選べますので、この機会にぜひ、お買い求めください。
http://bit.ly/1O1W36X
■キャンプ・シュワブゲート前で、海保を告訴した32歳の男性にインタビュー!
昨日、IWJ関西スタッフの柏原資亮記者が、カヌー隊メンバー、岩田克彦さんにインタビューを敢行。岩田さんは海保とカヌー隊の攻防が激しくなっていた昨年夏に、頸椎を捻挫するという怪我を負い、海保を告訴。当時の状況や裁判の行方について、柏原記者が話を聞きました。こちらは、今日か明日、なるべく早くに記事化する予定ですので、ぜひ、ご覧ください。
柏原記者は23日まで辺野古に滞在する予定です。今朝は船に乗り、防衛局や海保が出ている海上を取材します! 取材には経費がかかっております。みなさまからの、カンパのご支援、心から感謝しています。引き続き、ご支援のほど、何卒よろしくお願いします。
※カンパはこちら
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html
■わとはぷ~What happened today?
この最後のわとはぷのコーナーに行き着く頃は、遅筆の私の頭の回路は、すでにオーバーヒート気味なので、超ライトな話題を一つ。
8年前の今日は、関東の私鉄やバスで使用できるICカード「PASMO」のサービスが開始された日です。改めて、何故「PASMO」なのでしょう。。。。調べてみると、PASSとMOREで「PASMO」なのだとか。「MORE」とは、電車もバスもあれもこれも欲張りたい、「もっともっと」的な意味合いらしいです。
全国ではどんなネーミングがあるのだろうと、こちらもググってみました。名古屋の「manaca」は、「真ん中」。日本の真ん中をつなぎ、暮らしのい真ん中をつなぐという意味が込められているようです。
関西の「ICOCA」は、関西弁の「行こかー」と思いきや、「IC Operating Card」の頭文字を取ったものだというから、ずっこけました。
福岡の「はやかけん」は、は=速くて、や=優しくて(環境や人に) 、か=快適な、けん=券(カード)であることと、「速いから」という意味の博多弁「速かけん」にかけた名称だと正式に発表されているようです。どれもいまいちパッとしませんが、便利であることは間違いないので、ドンマイですね! しかも、ICカードで切符を買うと、現金で購入するよりも、数円安いのは存知でしたか?!
ちなみに私は、ICカードを利用する時期自体が、誰よりも遅かったのですが、使ってからもずっと、使用する度に財布から取り出して「ピッ」とやっていた人間でした。友達に、「財布に入れたままできるの知らないの?」と爆笑されたことも記憶に新しいです。
では、今日も全国、春の風が吹いているといいな~と願いながら。みなさまにとって優しい1日になりますように。本日もIWJをごひいきに。どうぞ、宜しくお願いいたします。
IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/ 】
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