■■■ 日刊IWJガイド 2015.1.31日号 ~No.871号~ ■■■
(2015.1.31 8時00分)
おはようございます。IWJで主としてテキスト関係の編集を担当している平山と申します。
イスラム国による日本人殺害予告事件ですが、イスラム国側がヨルダンで収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚の引き渡しを求めて期限を設定して以降、イスラム国側から新たな情報の発信がありません。
日本政府は、引き続き「後藤健二さんの解放に向けて、全力で取り組んでいる」としていますが、交渉の具体的なやり取りは明らかになっていません。後藤さんの安否が危惧されます。
IWJでは昨日、後藤さんの即時解放を求めて官邸前で行われた「緊急アクション FREE KENJI!官邸前行動」の模様を中継しました。冷たい雨が降るなか、参加者は「FREE KENJI」のプラカードを持ち、後藤さんの解放を求めて声を上げました。
動画アーカイブは、準備が整い次第、IWJのトップページにアップいたしますので、どうぞご注目ください。
IWJではこれまでにも、首相官邸前で行われた、後藤健二さんの解放を訴えるアクションの模様を中継しています。こちらもあわせてご覧ください。
※2015/01/28 「後藤さんを死なせてはならない」~FREE KENJI!イスラム国に拘束されたジャーナリスト・後藤健二氏の解放を訴える緊急アクション
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/228420
今回のイスラム国による事件を読み解くためには、イスラム国が勢力を拡大しているイラク、シリアを中心とした中東情勢はもちろん、パリで発生した「シャルリー・エブド」紙襲撃事件、イスラエルの思惑、安倍政権による集団的自衛権の行使容認をはじめとする日本の外交・安全保障政策、石油を中心とするエネルギー問題、そしてすべての背後に見え隠れする米国の存在など、複雑に絡み合った要因をひとつひとつ解きほぐしていくことが必要です。
岩上さんはこの間、元内閣官房副長官補から元シリア大使、東京大学名誉教授からアラブ文学者まで、なんと7人の有識者にインタビュー。以下、なかでも私が是非見ていただきたいと思うアーカイブをご紹介します。
※2015/01/24 衝突する米国発のグローバリゼーションとイスラム世界 「近代国民国家」から「グローバル・リヴァイアサン」へ ~岩上安身による桜美林大学教授・加藤朗氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/227242
イスラム国の台頭は、米国発のグローバリズムの拡大とともに起きた「近代国民国家」の溶解とリンクする…。こう主張する加藤氏は、完全にシステム化された「戦争」の新しいステージを紹介します。その驚くべき実態を、ぜひ、ご覧ください。
先ほど「アラブ文学者」と書きましたが、それは、京都大学教授・岡真理先生のことを指します。パレスチナ問題、とりわけガザ地区の情勢に詳しい岡先生に、今回岩上さんは、イスラエルの立ち位置についてインタビューを行いました。動画は現在編集中ですが、編集が完了次第、Ch1で配信いたしますので、こちらもどうぞご注目ください。
…(後半へ続く)
◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。
**2015.1.31 Sat.**
【Ch1】11:00~「『イスラム国』による日本人人質殺害予告事件をめぐって~岩上安身による孫崎享・元外務省国際情報局局長インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※イスラム国による日本人人質殺害予告事件をテーマに、岩上安身が元外務省国際情報局局長の孫崎享氏へインタビューします!
【再配信・Ch1】19:00~「イスラム国による日本人人質殺害予告事件の発生により、世界中の注目を集める中東情勢~ウクライナ情勢と『人工国家』イスラエルによるガザ侵攻から考える モントリオール大学教授 ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー 第2弾」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/159947
※2014年8月5日に収録した「岩上安身によるモントリオール大学教授・ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー」を再配信します!IWJ特報189号~190号で、ヤコブ・M・ラブキン氏インタビューを取り上げています!なお、ラブキン氏の特報第2弾も、1月末に連続して発行予定!ご期待ください!
【IWJ特報第189・190号】「シオニズム」とは何か~ウクライナ危機とイスラエルによるガザ侵攻から考える モントリオール大学教授 ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー 第1弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/228981
(前半の続き)…
さて、イスラム国について考える際、避けて通れないのが、イスラエルの存在です。昨年夏のガザ侵攻が記憶に新しいイスラエルを、「シオニズム」により作り出された「人工国家」であると指摘し、ユダヤ人が本来持つ「絶対平和主義」と相容れないものであると主張しているのが、モントリオール大学教授のヤコブ・M・ラブキン氏です。
一昨日、そのラブキン氏へのインタビューを完全テキスト化し、詳細な注釈を付したものをメルマガ「岩上安身のIWJ特報!」として発行しました。今号では、ラブキン氏が、昨年、緊張のピークに達したウクライナ情勢をメインに据えて、「シオニズム」の歴史的起源について語っています。
※【IWJ特報第189・190号】「シオニズム」とは何か~ウクライナ危機とイスラエルによるガザ侵攻から考える モントリオール大学教授 ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー 第1弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/228981
ラブキン氏のインタビューは、引き続き、イスラエルによるガザ侵攻について取り上げた第2弾も「IWJ特報!」として発行する予定です。
毎号、ボリューム満点でお届けしているメルマガ「岩上安身のIWJ特報!」を、この機会に、ぜひ、ご購読ください!
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そして本日、今回のイスラム国による日本人人質事件を中心に、この間の経緯を振り返る意味で、IWJではお馴染み、元外務省国際情報局長の孫崎享氏に、岩上さんがインタビューを行います。
インタビューは、午前11時から。少し早いスタートですが、土曜日ということで、ご自宅にいらっしゃる方も多いと思います。ぜひ、パソコンを立ち上げ、IWJのUstreamチャンネル1にアクセスしてみてください!
※1月31日(土)11時~ 岩上安身による孫崎享氏インタビュー
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
さて、昨日は、岩上さんが、ミシェル・チョスドフスキー著『世界の貧困化~IMFと世界銀行による構造調整の衝撃』を翻訳した、立教大学経済学部教授の郭洋春氏にインタビューを行いました。
チョスドフスキーの『世界の貧困化』という本の邦訳が出版されたのは、1999年のこと。今から、16年も前です。「なぜ、このタイミングで、この本を取り上げるのか?」と思う方もいらっしゃるでしょう。正直なところ、私もそのうちの1人で、岩上さんの意図がわかりませんでした。
しかし、1%の富裕層が保有する富が、他の99%の富を上回ってしまったと言われる今日、この本のタイトルにある「世界の貧困化」は、ますます切実で差し迫ったテーマとなっています。「構造調整」というキーワードを軸に、新自由主義というイデオロギーに冒されたIMFと世界銀行が、100ヶ国を超える国々にカネを貸しこみ、担保を取る代わりに融資に条件をつけて、各国の国民や地場産業を保護する制度や規制を取り払わせ、丸裸にして食い荒らしていく実態が、非常に生々しく語られました。
私は経済、特に金融の分野はあまり強くないのですが、「ナニワ金融道」的な高利貸しの世界が、国際金融の世界でも展開されているのだと、恐ろしい現実の一端を垣間見た気がします。
個人レベルでも、法人レベルでも、借金をすると首が回らなくなると言われますが、国レベルでも同じことが起きていて、しかも国際社会は他に借り手がいない、圧倒的に貸し手優位の世界である、という。
今、話題の『21世紀の資本』の著者トマ・ピケティが来日して、連日、講演や会見を行っていますが、郭先生によると、ピケティが指摘した、世界大での貧富の格差拡大は、すでにOECDでもデータを発表しているとのこと。
世界中が、直接的、間接的に借金の奴隷で、絶望のあげく、麻薬組織が根を張ったり、テロリストが横行したりする。それをまた、対麻薬戦争、対テロ戦争と銘打って、爆弾を投下して途方もない消費をして、戦争経済が潤うようにつなげてゆく。
そうしたメカニズムが明らかにされるにつれ、ああ、このチョスドフスキーという人の本を今、取り上げる意味がようやくわかってきました。
まだ、自分の中でも未消化なので、郭先生の「特別講義」をしっかりと聴き直し、考えてみたいと思います。みなさんもぜひ、ご覧ください。
※IMF、世界銀行による構造調整が新自由主義の尖兵に? 郭洋春立教大学経済学部教授に岩上安身が聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/229091
イスラム国を中心とする中東情勢から、世界を席巻する新自由主義の実態まで、岩上さんとIWJの記者は、様々なテーマを、飛び回るようにして取材しています。しかし、実はそれぞれがバラバラではなく、つながりあっているのだということが、取材すればするほど、わかってきます。
個々のトピックをそれぞれ取材し、事象を立体的に浮かび上がらせてゆく必要がある。そのためには、しっかりとした取材やリサーチ、調査が必要です。そのためには人手をかけなければならず、それにともなう活動資金がやはり必要となります。ぜひ、IWJの定額会員にご登録いただき、IWJの活動をお支えください。
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お待たせいたしました! 昨年末、大変な好評をいただいた「饗宴V~ぎりぎりからのターンオーバー 民主主義はいつも遅れて反撃する」のDVDが完成しました! 全5部構成、総勢16名の豪華ゲストによるシンポジウムの模様を完全収録しています! IWJのサイトからお買い求めいただけますので、ぜひ、チェックしてみてください!
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他にも、グッズやDVD販売の収益も、IWJの活動の支えとなります。岩上安身直筆サイン入りの『百人百話』『前夜』の他、「饗宴」「クロストークカフェ」「Deep Night」などのDVD、Tシャツ、ステッカーなどをご用意しています。ぜひ、お買い求めください。
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もう、一月も終わりを迎えようとしていますが、IWJの財政は依然、厳しい状態が続きます。中小資本の事業は、いずこも同じかもしれませんし、世界大で悪辣な「高利貸し」が横行するようでは、零細企業や個々人はなかなか太刀打ちできないかもしれません。
しかし、そのまま、不正義や不公正の横行を黙って見過ごしていたら、99%が没落させられる世界の中で、命拾いができる、というものでもないと思います。黙っていても、没落させられる。我々が自ら、見張り、声をあげ、行動しない限り、収奪はやむことはないのです。
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