山中恒(ひさし)様から『戦時下の絵本と教育勅語』をご恵贈いただきました。
本書は、戦時下で「教育勅語」に基づく教育を受けた著者が、戦時下の教科書と絵本の出版された状況そのものを体験した同時代人として、これらの書籍をひもときながら、教育勅語の本質に迫っています。
作家の高橋源一郎氏がツイッターに投稿し、SNS上で話題になった「教育勅語」の現代訳に対して、著者は「戦時下に少国民であった私の体験からすると、雰囲気的な面で違和感をぬぐえません」として、自身の現代訳を本書に掲載。「教育勅語」は「考え方によれば「奴隷の掟」みたいなものだと指摘。その「奴隷の掟」を「ありがたがらせたのが『国体原理主義』に基づく戦前の公教育」の仕業だったと訴えています。
グリコの景品にまでなった『爆弾三勇士』など、満州事変から上海事変、満州国建国へと進む中で、軍人の美談を多数取り上げ、教育勅語の精神「忠君愛国」を子どもたちにしみこませるのに一役かった絵本。また、『講談社の絵本 国史絵話』など、教育勅語にそった「国体原理主義」を植え付け、歴史観をすり込む絵本。そして、「突貫進め」「敵前渡河」「トーチカ占領」など実際の戦争に沿って描かれた絵本『ヘイタイゴッコ』など、戦時下の絵本を本格的に検証。貴重な絵本資料も多数カラーで紹介しています。
また、1941年子ども向けに出版された『教育新体制に即応せる少国民の常識読本』では、「八紘一宇の精神」とは「天皇の言うこと、つまり日本軍の言うことをきかないものを撃ち払い、天皇の威光にひれふすようにさせるとういこと」と説いていると紹介。その上で、「自民党の女性議員で『八紘一宇の精神で行きましょう』などと、とてつもないことを口走った人物もいましたが、わけもわからず戦前のスローガンを言えば『格好良いだろう』と思っているとしたら、救いようもありません」と厳しく断じています。
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