木村朗様から『核時代の神話と虚像―原子力の平和利用と軍事利用をめぐる戦後史』をご恵贈いただきました。
木村朗・高橋博子 編著
『核時代の神話と虚像―原子力の平和利用と軍事利用をめぐる戦後史』
明石書店、2015.7
2011年の福島の第一原発事故では放射能被害の恐ろしさが再認識され、「原発安全神話」の崩壊をもたらすきっかけとなりました。
一方、70年前の広島・長崎への原爆投下は、「戦争の終結を決定的にし、その結果多くの人命を救うことになったのでむしろ『慈悲深い人道的行為』である」との倒錯した認識・評価がいまだにまかり通っています。
本書では、広島・長崎から、ビキニ(第五福竜丸)を経て、福島へ、という流れを重視して、核兵器の問題を世界的な視点から捉え直しています。15章からなる本文と15編のコラムからなり、執筆者は総勢30名。いずれも福島第一原発事故以前から、原爆神話や原発安全性神話の虚構性・欺瞞性を見抜き、鋭い警告を社会に発してきた人々です。彼らによる核(核兵器と原発)問題をめぐる個別的かつ総合的考察を反映した著作となっています。
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