2015/09/14 【全国デモ・抗議行動レポート47】国会前大包囲 参加報告

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9月14日の国会前「大包囲」に参加しました。
今夏、3回目(トホホ…)。
今回は一人で、名鉄バスセンター発の新宿行き高速バスに乗り、
早朝出発、深夜乗車で日帰り(?翌朝6:49名古屋着)。
チケットは手配が直前だったので、前回の倍の値段になっていましましたが、
新幹線よりはずっとマシ。バスはトイレも電源もあって快適です。

座り込みの開始は13時。バス到着はそれに間に合わないので、
メトロ出入口の封鎖を考えて、今回は「桜田門」駅に直行する作戦に出ました。
(実際には、まだその頃――14時過ぎ――は、
「国会議事堂前」も「永田町」も大丈夫だったようですが)

「新宿」から都営で「市ヶ谷」まで行き、
そこで「有楽町線」に乗り換え。
「市ヶ谷」駅でだったか、幟の竿を持った、見ず知らずの人に
「国会前に行かれるんでしょう?」「ご案内しますよ」
と声をかけていただきました。
リュックに「アベ政治を許さない」とかの
タグやバッジをじゃらじゃら付けていたからかな?
もろ「お上りさん」に見えたのかな?(その通りです)

道すがら、少しお話ししたところによると、
美術大学の先生で、大学有志の会の仲間の先生が、
集会で3時頃に憲法の話をされるので、その応援に行かれるとのことでした。
その方の大学では、まだ学生たちの会は立ち上がっていないが、
学生たちには「面白いからとにかく行って見てごらん」と声をかけておられ、
それに応じて、参加する学生がちらほらあるそうです。
この日が、出来たての幟のお披露目でもあり、
学生たちが立ち上がった時に、
先生たちは何だ! と付き上げを食らわないよう(これは冗談でしょうけど)、
教員が立ち上がって闘う姿を見せたい、とおっしゃっていました。

桜田門駅の出口を出て、国会前通りへの信号を渡ったところでお別れしましたが、
おかげさまでスムーズに現場まで到着できました。
後でこの方が、国会前交差点の本部すぐそばで
「武蔵野美術大学有志」の真新しい幟と、
ピカソの言葉の記された手製プラカードを持って、
仲間とともに立っていらっしゃるのをお見かけしました。
行動はこれから毎日あるし、明日朝早いので、早めに帰る、
とおっしゃっていましたが、
かなり遅くまで、その幟は立っていたのではないでしょうか。

スムーズに国会正面道路の歩道まで来ましたが、
それはいいとして、フト食料が乏しいのが気になりました。
憲政記念館の建物に売店などないかな、と見に行きましたが、
飲み物の自販機と食堂しかなし。
そこで、歩道に立ってまだヒマそうにしている警察官にズバリ尋ねてみたところ、
その若い警察官は、実に親切に教えて下さいました。
周辺には何もないが、10分程歩くなら、
永田町駅方向、自民党本部を超えた向こうにロー○ンとか○ブン…とかあり確実です。
とのことでした。

その辺のお店は、きっと国会前デモ「特需」ですね。
行って見ると、平日の昼下がりですが、
既に、やや品薄気味のような…

おにぎりとパン等を買って、
また戻る道で自民党本部の横を通り、その場所が、
すごくいい角度で議事堂をにらむような位置にあることに気が付きました。
また、ここだけ、塀の上に電柵が付けてあることにも。

この辺りにも、たくさん鉄の足止めを積み上げ、
また「警視庁」のトラックから次々に下ろしていました。
(こんな所まで必要かな? と思いましたが…)
目の前を、普通の車の上にちょいと看板を乗せた右翼の車が通り過ぎ、
警官が数名バタバタと走って行きました。
見ると、車を止めた横で一人の中年右翼が、
「総がかり行動」が(?)歩道上に据え付けた大型スピーカーに、
言いがかりを付けているようでした。

大きな手振りで騒いでいましたが、
警官が取り囲んで制止していました。

永田町駅を越えた辺りから、
歩道わきに場所を見つけて座っている人を見かけるようになり、
その傍らに「国会みやげ」の看板があったので、
好奇心で建物の中に入ってみました。
そこは国会観光用の大型バス駐車場に併設された建物のようで、
中にお婆さんが一人で店番をする小さな売店がありました。
クッキーだか、饅頭だか、確かにいろいろありましたが、
すべて「安倍シンゾー」一派や小泉進次郎がパッケージになったもので、
私が友人にお土産にしようと思っても、シャレにもならない。
自民党といえど、2割しか支持がないのだから、
もっと多様なお客さんの購買意欲をそそる品揃えを考えた方がいいのでは?

信号を渡った憲政記念館西の歩道と石垣の上は、
すでに団体旗やプラカードを持ったいろんな人で一杯。
この時はまだ普通に通り抜けることができました。
いろんな工夫を凝らしたプラカードがあって、感心してしまいます。

今回は、前回とは反対に、北庭といわれる所に場所を確保することにし、
本部ステージの近くの石垣に登り、手製のプラカードを掲げて立ちました。
この場所は、石(コンクリート?)垣のすぐ後ろに小さな段差があり、
しかもコンクリートの端がデコボコしたバリ状にはみ出して足場が悪く、
すぐ後は植木で、背中を枝に突き刺され、
込みあってくると、なかなか楽ではありません。

本格的な集会は18時半から、SEALDsの集会は19時半からの予定との事でしたが、
まだ日が明るいうちから、段々と人が増えてきました。

有名な「おかき屋」のトレーラーが3台、何度もぐるぐると回ってきます。
右翼だけど、戦争法案反対の強烈な味方、らしいです。
「おかき屋ー!」と歌舞伎みたいな掛け声が上がっていました。
「希望の牧場・ふくしま」の牛の電飾を乗せた車も見かけました。
高い位置に窓のある観光バスも何台も通りかかり、
みんなが手を振ってくれたバスもありました。
 
まだ人通りに余裕のあるうちでしたが、
交差点を過ぎた所の、私の目の前にタクシーが止まりました。
運転手さんが、トランクから車椅子を出し、
後部座席から相当の高齢と思われる、
赤いスカーフ?を首にかけた白髪の男性が、
這い出るようにして車椅子に移り、
ご家族と思われる白髪の女性とともに、
歩道に上がられました。
どなただろう?
混雑、あるいはひょっとしたら混乱が予想されるこんな現場に、
出て来られた決意がすごい…。
(赤いスカーフと思ったものは、鉢巻だと後から分った)

私が立っている石垣の上にも、どんどん人が登って来ました。
隣に立った、iPadをカッコ良く操作する、
白髪まじりの中年の男の人と少しお話ししましたが、
私が名古屋で「ののまみ」さんからもらってリュックに下げている、
脱原発の赤いタグや、9条の黒いタグを作って配る運動をされている方でした。
シールズや脱原発運動等について、いろいろお話しを聞くことができました。
神奈川の方だそうですが、これから毎日行動があるから、
全国からもとにかくたくさん人がきて欲しい、と言っておられました。

そこへ、60歳以上だろうと思われる、やや年輩の男性が、
話に加わってきました。
山梨県の方だそうですが、毎日来る訳にはいかないので、
いつ来ると一番力になれるだろうか? と尋ねていました。
山梨県で(埼玉県の様に2万人とか)そんなにたくさん人を集めるのは無理、
自分は何とか「場」を作って、
共産党も中核派も一緒にやっていけないかと働きかけているが、
段々人が少なくなってしまった、若い人も「中核派はダメ」で話にならない、
というような話を大声でリピートしていました。
暗に「共産党はダメだ」と言いたいのかな? と感じましたが、
その当否はともかく(私も中核派や過激派は近づきたくないと思っていますが)、
「ダメ」な話を繰り返されるのはウ○イので、
ちょっと離れて黙っている事にしました。
身動きし難い場所で、近くに変な人(スミマセン)がいると、
これもちょっとしんどいものだな~と。
いろんな人がきているんだな~と。

だんだん人が増えて身動きできない状態になり、
8月30日のように、自然発生的に「道をあけろ」コールが起り、
SEALDsのスピーカー遊撃隊もコールをリードしようとして、
本部のプログラムが開始される時刻になっても、
騒然とした状態で、
本部の人が一生懸命なにやら注意事項を言っているようですが、
まったく聞こえません。
前にも書きましたが、本部近く(直近は別として)は、
却ってスピーチが聞こえ辛いです。

私も最初は一緒にコールしていましたが、
本部のスピーチがまったく聞こえないので、
人々から「コールをやめろ」という声も出てきて、
私も「コールはストップ」と大声で叫びました。
隣にいた女性は、
「国会が開かれている時間に、(議員達に)コールを聞かせなくてどうする!」
と言っていましたが…

とにかく少し静かになりましたが、
それでも、本部のスピーチは途切れ途切れにしか聞こえません。
(カツゼツの悪い人は特に。私はやや耳が悪いし)。
まあ、後でIWJで録画を見ればいいや、
と安心しておられるので、IWJさんの存在は実に有難いです。

そして、前回の「決壊」を受けた警察の今回の作戦は、
仮設の鉄柵の前に、前回にも増してたくさんの警官を並べ、
その後ろ、道の両側に機動隊車を並べて
歩道からの「決壊」を何とか阻止する、というものでした。
(どういう役割があるのかよく分りませんが)
棒の先に色とりどりのランプを付けたものを持った警官が、
何人も行ったり来たりしていました。
また、警察なのか何なのか、
屋根の上に謎の機械を付けた白い車が何度も通ったのも気になりました。
(グーグルビューか? 今見ると、14日かどうかは分らないが、早い時間のデモ参加者が写っている)
(グーグルビューって、地上でもスパイしてるの?)

警察のこの作戦は「無駄な抵抗」だったのか、
(仕事をしている振りをしていただけのようにも思える…)
(関東の天災で大変なのに、警察もこんな事に人数を割かれて痛い…)
(もうこっちは市民に好きなようにやらせて放っておいたら?)
(たぶん東京の市民たちは上手に交通整理するよ)
(名古屋のデモも、警察が災害応援のため人手不足で、
自ら「ドシロートばかり」と評する残留部隊の仕事を、市民が手伝っている有様)
結局今回も「決壊」、
東の方から人々が道路の中央を歩いてきて国会正門前交差点まで到達し、
氾濫で中洲に取り残された人みたいに、
人の渦の中に取り残された警察の車は、
SEALDsに「車を出せ」とコールされるは
(あの状態で「命令」されたって無理だと思うけど…)
車体にプラカードの紙やシールを貼り付けられるは、
(テープまで用意していたの? 手際がいい…)
散々な目に遭っていました。

でも、「弾圧」という声も出ていましたが、
負けていたように見える警察の行動も、
「まだ(?)」抑制が効いていた、と言えるのでは。
「国家の危機」ではありますが、
民主国家の「平和的な国民のデモンストレーション」の範囲内に、
「まだ(?)」お互いの自制で保たれている…。

実は、今回は早いうちに、
いつもは議員会館前辺りで自己主張している(と私が思ってた)
中核や革マル関係の団体の旗を、国会正門前交差点で見かけたので、
少し心配していました。
(わざと挑発行為に出る人が出て来るのではないかと…)

いろいろ小競り合いはあったかもしれませんが、
(帰りがけに、既に意味を失った鉄柵のことで、まだ騒いでいる男性を見かけた)
今回も将棋倒しを含め、事故や暴力的な混乱は起らず、
みんなプラカードを高く掲げ、強い怒りに声を張り上げていましたが、
あくまで、平和を望むみんなが作りだした、
非暴力の、自制のある大抗議行動だったと思います。
「総がかり」の注意事項では、前回の経験を踏まえ?
「足元に気を付けて、人の靴を踏んだりしないように」とも言っていました。

今回は前回と違い、夜の行動だったので、
無料でペンライト等の光り物が配られ、
それをみんなでとりどりに、また一斉に掲げて、
近くのものも遠くのものもきれいでした。
霞が関の官庁は、遅くまで煌々と明かりが点いていましたが、
国会前デモを見るのに最高の位置だったはず。
官僚たちは、何かを感じただろうか…?

また前回との違いとして、
あふれた人波の中には、団体の旗も結構目立ちました。
部落解放同盟もあれば、平和委員会もあり、
大学人の会や、宗教団体の会や、多分新しく作られたいろんな会の旗があったように思います。
プラカードや幟なども、光るものあり、「さるぼぼ」あり、外人さんの「cool 9」あり、
みんなそれぞれ自らの主張を込め、工夫をこらしており、
近くにあるものしか見られなかったのが残念です。
また、骸骨に黒服の大人形もいました。

私はもう少しスピーチ台近くに移動したものの、ステージの声の主は見えないまま、
SEALDsの時間の終わる21時半過ぎまで会場にいました。
最後にスピーチした学生さんは、憲法の前文を読み上げられ、
「これは自分自身の言葉だ」と言っていました。
この場所で、この時に、「前文」の言葉はなんとふさわしいものだったか!

名残惜しいですが、バスに乗り遅れないよう、
最後の「終わります」の声を聞いてから、
石垣の上の柵の脇を通り抜け、人が少なくなった所で歩道に下り、
桜田門駅へ向かいました。

いつの間にか、議事堂のライトアップも消え、
いつの間にか、道路の北側の機動隊車も消え(どうやってあの中を抜けたのだろう?)、
警察がこれまた言い訳のように「歩道に上がって下さい」とスピーカーから叫び、
列になって行動させられているのが、
滑稽なような、物悲しいような…

今回は、周りのみんなに声をかけたものの、
平日でもあり、一人の行動になってしまいました。

みんなぞれぞれ大変だけれど、
やはりたくさんの人が国会前にも参加して欲しいです。

私は、この夏、3回も国会に行って、お金もないので、
これからは地元の活動に極力参加することにします。

(やぎどん@名古屋)