みんなで語る「改憲への危機感」寄稿文 Vol.51 市民にどうして真実が伝わらないのか 河村大典さん

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Democracy-Tshirts

 2016年8月30日に、僕の敬愛する「チャフラフスカ」さんが亡くなられた。東京オリンピックの体操の金メダリストだけなら名前すら忘れていただろう。1968年8月21日、ワルシャワ5カ国の戦車によってドプチェク書記の掲げた「人間の顔をした社会主義」が蹂躙された日である。これに抗議する市民の「2000語宣言」に彼女が署名したからだった。この事は、自分の生命・生活を犠牲にする行為だったにちがいない。

 今、日本も同じような状況ではないのか。戦後70年続いた平和が、いとも簡単に変更できるとは僕には考えられないことだ。ソ連の衛星国であったチェコスロバキアと同じように、アメリカの衛星国である日本も憲法の前文にある平和主義と9条の戦争放棄が、蹂躙され、おとしめられている。日本と同じ立場の韓国では、ベトナム戦争に参戦して数十名が戦死しているのだ。アイゴーと泣きながら遺体にすがり付く遺族の姿が忘れられない。ISによって、バングラデシュで何故日本人が殺されたのか。

 どうして、日本人は歴史にこうも「無知」なのか。日本に報道はあるのか!!民主主義はあるのか!!2009年、本格的な政権交代を果たした民主党の「コンクリートから人へ」はどうして潰されたのか。日本に「プラハの春」は再び来るのだろうか。

 ヒトラーのナチスから解放されたチェコスロバキア初代大統領のトマス・マサリクの言葉を思い出す。

 「私たちのルネサンスは魂のルネサンスでなければならない。再び私たちは真実を探究し、真実に耳を傾け、真実を愛し、真実を語り、真実を護らなければならない。死に至るとも」

(河村大典さん)