みんなで語る「改憲への危機感」寄稿文 Vol.39 安倍政権の目論む改憲の異様さ 会社員 石田さん

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 私は憲法の専門家でなければ政治の専門家でもない一般人です。

 ごく普通に暮らす庶民から見た現政権の目指す改憲の「異様」さについて感じたことを記します。

 そもそも、憲法の改正は、時代の流れ、世の中の変化などにより、今のままでは不都合が生じる場合に行うものです。

 憲法に限らず決まりを変えるのは、変える必要があるからです。

 では、現政権の改憲論はどうでしょう。

 なんと改正する箇所はこれから議論するというのです。

 何らかの喫緊の問題があり、改憲がどうしても必要だから改憲勢力2/3を集めた、というのではないのです。

 「改憲勢力2/3は集まった、よし改憲しよう。ではまず何から・・・」では順番がまるで逆です。

 この何でもいいから改憲という流れが「異様」なのです。

 押しつけ憲法論とそれに対応する自民党改憲草案。

 安倍政権としては現憲法を修正するのではなく、丸ごと自民党改憲草案に置き換えたいのでしょう。

 しかし草案全ての項目を一度に国民投票にかけることが出来ません。そのため、何から改正しようか?となり「いびつ」になるのです。

 異様ではありますが、そんなこと意に介さず、安倍政権は改憲を強力に推し進めていきます。

 では、どのような改憲を安倍政権は目論んでいるのでしょうか。

 目的と手段が入れ替わったいびつさを少しでも目立たなくするため、おそらく政府は「緊急事態条項」の追加を狙ってくると思われます。

 大震災や世界中で頻発するテロを引き合いに出し、大規模災害やオリンピックでのテロに備えるためとすれば、これを喫緊の問題として提示することができるからです。その上で緊急事態条項を追加するとなれば、改憲の流れも正常に見えます。

 さらに、政府は「お試し改憲」という言葉で緊急事態条項の追加をアピールしてきます。法治国家である日本国の最高法規に対し「お試し」などという言葉は不遜きわまりなく、まるでショッピングをするような感覚で改憲を扱う点も「異様」です。しかしながらこのキャッチフレーズが国民に安心感を与えることも事実です、さらに大手メディアもこれに加担して報道するので緊急事態条項追加の敷居は相当低くなります。

 緊急事態条項の詳しい内容と危険性は、IWJさんサイトの他、数々のネットサイトで紹介されていますので割愛しますが、危険性を一言でいえば、一首相の独裁を可能とし、憲法を骨抜きに出来る、極めて危険な条項であるということです。

 ネットメディアを利用している方々の多くは、緊急事態条項の危険性を認識していると思いますが、テレビ中心の大多数の国民は緊急事態条項の危険性は「全く」知らないと思います、むしろ災害対策として歓迎してしまうかもしれません。

 何が何でも改憲、内容は後から考える、という「異様」さを多くの人に感じてもらい、災害やオリンピックのどさくさで通ってしまいそうな緊急事態条項の危険性を広く周知しなければなりません。

 政権に飼いならされた大手メディアにもはや期待はできません、これができるのは、今のところネットメディアだけです。

 ネットと口コミを通じて世論が盛り上がれば大手メディアも無視できなくなります。何としてもここまで持っていく必要があります。

 トルコの例を見ればわかりますが、一度でも非常事態宣言が出てしまうともう取り返しがつかなくなります。残された時間は多くありません。

(会社員 石田さん)