みんなで語る「改憲への危機感」寄稿文 Vol.27 国民投票の危険性を周知徹底しよう ライター 元編集者さん
「国民投票は国民みんなで決めるんだから公平だよね!」と思っている人が多いのではないか、と思います。しかし実際には、国民投票法は歪なものになっています。
1. 国民投票といいながら、実は「投票総数の過半数」で決まってしまう。
2. 憲法学者を含む教育者は国民投票運動を禁じられており、議論そのものが萎縮する危険性がある。
この事実を知らない国民が大半ではないかと思います。安倍自民党がいかに周到に「自分たちに都合の良い改憲」を進める準備をしてきたか、国民は知るべきです。自民党支持の人も、この事実を知れば「危ない」と感じるのではないでしょうか。改憲の前に、国民投票法を国会で問う機会を作るべきだと思います。
※8月29日、IWJ編集部で一部内容を変更しました。
(訂正前)教育者、憲法学者などが国民投票について発言すると取り締まられるようになっている。
(訂正後)憲法学者を含む教育者は国民投票運動を禁じられており、議論そのものが萎縮する危険性がある。
日本国憲法の改正手続に関する法律の第103条は、公務員や教育者の「地位利用による国民投票運動」を禁じている。
103条2項は、「教育者は、学校の児童、生徒及び学生に対する教育上の地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用して、国民投票運動をすることができない」
ここでいう教育者とは、学校教育法の1条が定める「幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校」で働く教員などを指す。
ちなみに、総務省は国民投票運動について、「憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘する行為」と定義している。
教育者は「国民投票運動」を禁じられているが、総務省は、「学術的に自分の考えを表明することは規制対象にならないが、大学の授業中、教授が学生に、憲法改正の国民投票について積極的に賛成、反対の投票をするよう勧誘した場合は、『地位を利用した国民投票運動』に該当する」との見解を示しており、学者による改憲議論の自粛・萎縮 を招く可能性は否定できない。(IWJ編集部)