私は第二次アベ政権が発足した翌日から、アベ自民党による改憲阻止の街頭スピーチを始めました。2012年の衆院選開票の時、自民党総裁であったアベ氏が憲法改正について「国民の8割、9割が賛成しているのに、議席のせいで発議できないのはおかしい」という、理解不能な発言を聞いたことから始めました
安保関連法など直接改憲とは関係ないものが多いですが、昨日まで262回、延べ約20数万人の市民に訴えております。下記は参院選後に語っているものでもあります
今回の参議院選の争点、それは、与党自民党が憲法改正の発議権を衆議院同様に得られるかどうか、でした。なぜなら、それが与党である自民党の「目標」であったからです。しかし、安倍総理と自民党立候補者は全員、憲法改正についてはひと言も訴えなかったと言われます
それはしかし、改憲の意図を隠し、それから国民の目をそらす安倍自民党総裁の発言があったことで明らかだったのです
彼は公示直前に、与党である自公の獲得する議席の「目標」について語りました。改選議席数121議席の過半数、61議席であると
この「目標」設定が、真の選挙の争点が改憲の発議権を得ることであることを物語っているのです
3年前の参院選挙から今回まで、与党の得票にとって大きなプラスとなるような要因はなかったとしても、マイナスになる要因はないと思われていました。それどころか、安倍総理は「未だ中途段階だ」と言いながらも、アベノミクスが成功しているかのように語っていたんです
第二次安倍内閣が発足してから約半年、3年前の参院選では自民が65議席、公明が11議席、合計76議席取っていました
今回、自公で3年前のプラス2議席、78議席取れば参議院での改憲発議権が得られます
しかし、前回にはなかった「野党共闘」があるとしても、安倍総理が前回獲得議席数の76議席よりも15議席も少ない61議席という自公の議席獲得数「目標」を立てるのは、あまりにも不自然でした。それは、過半数ではあっても大きな後退ですから、安倍政治の否認に近いものです
今年1月初めの記者会見で、安倍総理は憲法改正について「参院選でしっかり訴えていく」と言ったのですから、前回に比べてプラス2の78議席を「目標」にすると言う方が、どれだけ自然だったでしょう
しかし、それを言うと、改憲支持が多数とは言えない現状にあっては、61議席取るのもやっとだったかもしれません。それは、改憲の発議を早くても3年後に先送りすることになり、同じような機会はめぐって来ないかもしれないのです
だから、改憲の争点を隠し、有権者の目をそらしたのです。安倍流政治としては、アベノミクスの継続を訴えて改憲発議の議席を獲得しさえすればいいのですから
ふだんから、政治を不条理なものと思っているマスコミです。それを民主主義に反した政治手法だと追及するわけがありません
したがって、今年の正月の記者会見で安倍総理は、「今度の参院選で憲法改正をしっかり訴えていく」と言いながら、「改憲を国民に問うのは国民投票のときだ」とか、「何を変えるべきか決まってない」とか、「15分ぐらいでは話せない」とか、理由にならない理由を並べて国民にはひと言も改憲について訴えませんでした
そして、多少、寄せ集めであるとはいえ、3分の2以上議席を取ると、安倍総理は一転、「改憲の発議は、イエスかノーの段階ではない」とか、若い、新しい有権者に通用する話ではないのに、「わが党がこれまで改憲を主張していることを分かった上で投票してもらっている」などと言うようになりました
これらのことから、安倍自民党は安保関連法と同じように、大多数の国民の意向とは関係なく、独裁的に憲法を変える人々であることが明らかです
このことだけから言っても、アベ自民党の下で憲法を変えることがどれほど危険なことか、分かるように思います