みんなで語る「改憲への危機感」寄稿文 Vol.3 参院選が終わった 藤沢9条の会・会社員 吉塚晴夫さん

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 参院選の結果、改憲勢力は2/3の議席を取りました。

 ここ神奈川選挙区では4議席のうち、3議席を改憲勢力が奪取し、八紘一宇で神武天皇教信者の三原じゅん子氏に、神奈川県民は100万票を投じました。

 民度というのは曖昧で嫌な言葉ですが、日本人の民度、神奈川県民の民度というのは結局の所こういうものであって、自らの投票によって私達日本人は、神奈川県民は、敗戦を否認し歴史修正主義路線を進む最悪の自己中勢力を選択したということでしょう。国民は自身に相応しい指導者を選ぶことが、ここに示されました。

 私は自分なりの危機感から、連日の「選挙に行って政治を変えよう」スタンディングアピール行動、各種チラシのポスティング、投票依頼の電話などをやりましたが、この選挙結果にはかなり参っています。勿論私ごときの行動で、変わるものなどない訳ですが。

 ネット上には、落選はしたがこの選挙応援の経験は良かった、必ず次につながる。という意見も散見されますが、選挙は結果が全てであり、次点であろうが、最下位であろうが、落選に変わりはない。良い経験とは、応援した候補者が当選してこそ言えることじゃないのか、と思います。

 そもそも今後、日本国憲法の下での選挙が行われるかどうかも分かりません。

 それにしてもアベの悪智恵には感心しますね。選挙中は改憲に付いては一切言わず、大勝した途端に「自民党は以前から憲法草案を示し、党是公約にも自主憲法制定を明記してある。当然この事も含めて投票してくれたと考える」と言ってのける。

 これは全くその通りです。悪智恵と言うよりも、実に稚拙な手法であり、こんなやり方に騙される有権者が馬鹿なのだと、アベは言っています。何しろ秘密保護法と安保法制でも、アベは同じ手法で味をしめ、今回も日本国民は容易くアベの詐術に乗せられたのです。

 でも三原じゅん子氏に投票した100万人は多分騙された積もりはないでしょう。稚拙な詐術と知りつつ投票したのではないでしょうか。

 またはそんなことはどうでもいいと、投票したのでしょう。

 高知新聞が街頭の100人に聞いた所、「2/3」の意味を8割の人が知らず、または聞いたこともないと答えたそうです。

 また18~19歳の有権者の4割が比例投票で自民党に入れたそうですから、アベが改憲を正面から喚いたとしても、同じ結果になったのではないでしょうか。

 三原じゅん子氏をトップ当選させ、無内容を体現している今井絵理子氏や朝日健太郎氏を楽々当選させる日本人ですから、無知は無知を好むということかと思います。

 改憲草案の内容を知っていても、自衛隊員が殺し殺される恐れがあっても、投票結果は変わらなかったように、私は思ってしまいます。

 改憲の策動を知らないからこういう結果になったのであって、知っていれば結果は変わっていた、とはどうも思えないのです。アベはマスコミを既に支配下に置いていますしね。

 さてこれからどうするか、無力感に襲われる程私は何かをやった訳ではない。諦めることは投票しなかった5割の奴らと、自分が同類になるということ(投票率を5割台に押さえたことでアベの勝利は保障されたのですから)。

 日本人が滅びるのは、一向に構わないし、私はさっさと滅びた方が良いと以前から思っています。

 ですがアベのようなアメリカの下僕一筋の「変態野郎」の道連れにされるのは、耐え難いことです。ですから今までの行動を止めてしまうという選択はない。

 しかしこの参院選の後で何も変えずに続ける、というのも違う気がします。

 気持ちが散り散りになった時は先人の知恵に学べと。

 「あなたがすることの殆どは無意味であるが、それでもしなくてはならない。それをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためだ」(M・ガンジー)

(藤沢9条の会・会社員 吉塚晴夫さん)