みんなで語る「改憲への危機感」寄稿文 Vol.1 子供たちの為に 著述業 竹山知男さん

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Democracy-Tshirts

 7月10日。天下分け目の重要な決戦の日だというのに、地元浜松では、朝早くから体育振興会主催の小学生から中学生による軽スポーツ大会なるものが催され、多くの子供や父兄たちが、ドッジボールやパン喰い競争などに興じました。私も、隣保から周りが年配ばかりだからという理不尽な理由で振興会委員に選ばれているので、「なぜこのような日に?」という疑問を抱きながらも、齢56にして短パンにTシャツという若々しい姿で嫌々ながら参加し、気温32度という真夏日の中、久し振りに運動という玉の汗をかいたのでした。

 そこで思ったのは、会場に集まった子供たちの無垢で汚れの知らない明るい笑顔が、腐りきった安倍晋三や自民党・公明党が中心となって押し進める憲法の改悪によってどうなってしまうのか?戦争ができる国に成り下がった日本で、果たしてこの子たちは安全に暮らしていけるのだろうか?という素朴な疑問です。

 するといい具合に休憩が入ったので、田舎にしては?かなりの美貌の奥様に、怪しまれない程度に余所行きの顔で挨拶などを行い、「そういえば今日は参院選ですね?」などと切り出してみました。奥様の話では、「期日前投票に行こうと思ったんだけどぉ投票所が遠いから躊躇しちゃてぇ~」とのこと。素晴らしいではないですか奥様!ちゃんと投票に行こうとはされていたんですね!

 金が掛かるからと、浜松では居住区の区役所でしか期日前投票を受け付けていなかったので、私、車で20分はかかるその遠い区役所に期日前投票に行き、選挙区は「民進党」の平山佐知子氏、そして比例区は「国民怒りの声」の小林節氏に清き一票を投じていたのですが、「誰に入れようか迷ってるんですよね~」と、奥様にちょっと惚けてみると、「それなら岩井(茂樹=自民)さんがいいんじゃない?主人の会社で応援してるのよぉ」ときました。「自民党さんは、改憲をしたいようですね?」と振ると、「え?カ・イ・ケ・ン、なんですかソレ?」

 浜松は音楽の街を標榜し表向き文化の街っぽくしているのですが、実はヤマハや河合などで有名な楽器製造の街であり、軽自動車の燃費問題で世間を騒がせたスズキの本社があり、バイクのホンダもあって工業の街でもあります。つまり奥様やご主人は、思考停止を強要される悪名高い『組織票』に縛られていたのです。ですから、自民党が狙っている危険この上ない改憲のことなど知る由もなかったようです。ひょっとすると、自分たちの子供や孫が戦争へ駆り出されるかも知れないというのに。

 話は少々戻りますが、10日が暑くなると思い9日に床屋さんへ髪をカットしに行き、そこでも付き合いの長い二枚目のオーナーに無理やり参院選の話題を振ってみました。

 「行っても変わらないっしょ」。孫がいる年下のオーナーが放った開口一番の言葉に絶句した私は、「今回だけはマジだから!」と少々語気を鋭くすると、驚いた様子で「またまた~」と返されたので、「なんちゃって」とは言わずに、「駄目だ!」と叫んでしまいました。

 今回の参院選に限った話ではないと思いますが、有権者の多くは彼のように冷めているというか、無関心な人が多いのかもしれません。それは、政治家を信じていない事が原因なのかもしれません。然し、マジで投票を考えなければならない今回だけは別だった筈です。この重大な参院選を、いつものように、否、いつも以上に有権者を無関心にさせた最大の戦犯は、テレビではないでしょうか?

 言い過ぎかとも思いますが、疑うことを知らない無知蒙昧な多くの有権者は金のかかる新聞など読まず、ましてネットやSNSなども意識して行わず、無料の(一部違う局もありますが)テレビに頼っています。岩上安身氏のIWJをご覧の方はご承知の通り、そのテレビが改憲を狙う自民党や広告代理店に脅され忖度し、あえて参院選について報道しなかった。このことこそ、最大の敗因でした。

 その証拠に、全てのメディアが伝えていない、2016年5月30日に岩上氏が弁護士の升永英俊氏に行った「言論の自由」をテーマにしたインタビューのなかで強調されていた、ポール・クルーグマンという世界的な経済学者を前にして麻生太郎が言い放った言葉である「1930年代のアメリカの不況は、何によって脱出することができたか?戦争ですよ!日米とも不況下にあるから戦争で乗り切りましょう」という驚愕の事実を床屋のオーナーに伝えた途端、「期日前投票は何時まで出来るんだっけ?」と。

 とはいえ、問題の多いテレビにも、ほんの一握りではありますが良識を持った勇気ある人物は存在しています。

 例えば、テレビ朝日のモーニングショーで毎週木曜日、「そもそも総研」を担当されているテレ朝社員の玉川徹氏(@tamakawat)。これまで、「マイナンバー、他の国はうまくいってるの?」とか「放射能で汚染された土を全国の公共事業に使って大丈夫?」など、安倍政権が嫌がる題材を数多く扱われています。

 IWJを支持する私達は、改憲を画策する安倍政権に対峙する為にも、岩上安身氏と共に、テレビ・サイドの玉川氏のような人物や、都知事選に出馬された鳥越俊太郎氏などと手を組み、改憲阻止のために戦う必要があるのではないでしょうか?

 プロ野球選手が定番のように発する、「子供たちの為に」のように。

(著述業 竹山知男さん)