安保法制は日本が海外に自衛隊を派兵し「無制限に」戦争を実行するものであり、これに反対する。
1)自衛隊の海外派兵が、いつから始まり、いつ終わるのかが明確でない。
2)どこで、戦争をし、どこに移動し、どこから日本に帰還するのかも明確でない。
3)誰を相手に戦争をするのか。中東というささやきがあるが、わが国の中東における国々との友好関係を壊すつもりであろうか。
4)なぜ戦うのか。アメリカには政策があり、戦略があって戦争をする。日本はアメリカと政策、戦略を異にして理由もなく武力行使を「一体化」できないではないか。アメリカの戦争に納得のいく理由ももたずに参加していきかねない。
5)いかに「一体化」したアメリカ軍から離脱するのか。アメリカの指示がなければ離脱できないのではないか。荒唐無稽であるが、戦争遂行途中で「新三要件」を満たさなくなったときに、自衛隊の指揮系統と日本政府が国会承認を得て、海外から撤退するつもりなのであろうか。
安保法制は、わが国がアメリカの戦争に、何でも、どこまでも、いつでも、誰を相手にでも、どのような理由か分からなくても、どのよう に一体化するのか、また、一体化から離脱するのはどのようにか、あらゆる点において明確でない「無制限」戦争法である。戦争は合法的暴力である。暴力は低次元の問題解決手段である。
一方、多様で非暴力の思考は、戦後70年に豊かな日本をもたらした。暴力を行使しようとする人は非暴力を想像できない。それゆえ怖れられる。非暴力の創造は、合法的暴力を目的とした技術開発より人間にとってより貴重であると考える。
日本人は合戦(battle)については考えられても、戦争(War)については不向きである。
それでいいではないか。二度と戦争の誤ちを繰り返してはならない。
私は、安保法制に反対である。
(渡邉良弘)