【声明文#20】龍谷大学教職員有志

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 私たちの大学でも教職員、学生が共同して法案に反対する運動に取り組んでいます。引き続き大学内だけでなく、さまざまな大学の方々との共同、地域との共同、宗教者と大学人との共同などを進め、法案を廃案に持ち込んでいきたいと思います。

 そして、今回広がった共同をもとにして日本国憲法が、根づく社会を創造する運動が広がっていくことを願います。


国会で審議されている安全保障関連法案の撤回を求める声明

2015年6月24日 龍谷大学教職員有志

 国会では現在、安全保障法制に関する審議が行われています。これは、昨年7月1日の日本国憲法9条の解釈変更に関する閣議決定(集団的自衛権の容認)を踏まえ検討されてきたものがまとめられ、先月(5月)15日に「国際平和支援法案」と「平和安全法制整備法案」の2本立てで国会に提出されたものです。

 法案は、従来の憲法解釈を一内閣の判断によって変更し、集団的自衛権の行使を容認しようとするものです。法案が成立すれば、日本に対する武力攻撃がなくても、海外にて武力を行使することが可能となります。また自衛隊が派遣され、他国の軍隊に対して行う「後方支援」を拡大することも盛り込まれていますので、自衛隊員はこれまでのイラク派遣等よりもはるかに危険な状況におかれます。

 憲法9条の改正をめざす安倍晋三内閣は当初、憲法改正について定めた96条の発議要件を引き下げ、憲法を変えやすくすることを目論みました。これに対しては国民からの厳しい批判が寄せられ、この企てはとん挫しました。そこで、考え出されたのが、政府によって憲法解釈を変更して、実質的に憲法を変えてしまうというやり方です。

 憲法は本来、国の権力者からわたしたちの人権を守るためにあります。また、国の権力者は簡単に憲法を変えることはできないことになっています。このような点で、いま安倍内閣が進めようとしているのは、立憲主義の破壊に他なりません。

 先の憲法審査会では、参考人として意見を述べた3人の憲法学者いずれもが、法案は違憲であることを指摘しました。国民の世論も多くが「反対」であり、国民に対する説明が不十分だとして、今国会中での法案成立には慎重な立場が大多数を占めています。しかし政府は国会会期の延長を強行し、強引に法案を成立させようとしています。

 わたしたちは龍谷大学に働き、若者(学生)の教育と未来に責任を負う立場から、法案の撤回と立憲主義にもとづいた政治の実行を求めます。それは、以下の4つの理由からであります。

 まず、法案は日本国憲法の立憲主義と平和主義を破壊するものであるからです。そして、この法案が成立すれば、学問の自由が制約され、大学における教育や研究が軍事目的のもとにおかれるからです。さらに、第2次世界大戦に対する痛苦の反省から日本がめざしてきた平和国家の道を閉ざし、「戦争する国」のもとで若者たちを戦争に参加させることとなるからです。最後に、龍谷大学は「建学の精神」に基づく育成すべき人間像の一つとして、「人類の対話と共存を願う『平和』の心」を謳い、それを実践する大学であるからです。

 今年は「戦後70年」にあたります。戦争の経験をもつ方々が少なくなっていくもとで、大学に働くものとして平和のための教育、国際理解のための教育の推進を誓って、わたしたちは、国会で審議されている安全保障関連法案の撤回を求めます。

安全保障関連法案の廃案を求める(集会アピール)

 70年前の1945年8月15日、戦争が終わりました。翌年11月3日に日本国憲法は公布され、その6か月後(1947年5月3日)に施行されました。以来70年近くにわたって日本国憲法は、わたしたちの暮らしや教育、労働にとってかけがえのない役割を果たしてきました。本来憲法を尊重すべき人々によって軽んじられてきたかもしれませんが、わたしたちの日々の生活の中に憲法は存在し続けてきたと言えるでしょう。

 その大切な日本国憲法の大きな柱の一つである第9条がいま大きく蹂躙されようとしています。「戦争の放棄」と「戦力を保持しない」ことが定められているにも拘らず、従来の憲法解釈が一内閣の判断によって変更され「集団的自衛権」を認め、他国のために戦争する道が開かれようとしているのです。

 2015年7月15日、衆議院の平和安全法制特別委員会で安全保障関連法案が可決されました。そして、その翌日には、衆議院の本会議でも強行採決されました。わたしたちは、この暴挙を決して容認することができません。それは、立憲主義(本来憲法は権力を縛るものであること)と民主主義(国のあり方は国民自身が決定すること)を真っ向から否定するものであるからです。

 安全保障関連法案の廃案を求める運動は強行採決後、全国各地でいっそう強まっています。さまざまな階層の人々が法案に対して反対の声をあげており、なかでも大学生や高校生などの若者の取り組みが注目されています。このような動きを強めていくことによって、安全保障関連法案を参議院で廃案にすることが可能となります。

 わたしたち「安全保障関連法案の強行採決に抗議する」龍谷大学関係者の学内集会に参加者した教職員・学生一同は、安全保障関連法案の強行採決に抗議するとともにその廃案を求めます。そして、戦後70年の節目の年を「戦前」に逆戻りさせないために、わたしたちも全国の取り組みと連帯して力を尽くしていく決意を表明します。

2015年7月23日(深草)、27日(瀬田)
「安全保障関連法案の強行採決に抗議する」
龍谷大学関係者の学内集会 参加者一同

主 催:「安全保障関連法案の撤回を求める声明」事務局
龍大9条の会
All Ryukoku Anti War(7月15日に結成された龍谷大学生の会)

 
※安保法制に反対する団体の声明文はこちら