【安保法制反対 特別寄稿 Vol.252】 原爆の問題についてアメリカに何も言えない日本に、真の自尊はない 「安全保障関連法案に反対する学者の会」賛同者 福岡大学教授・大嶋仁さん

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 私の憲法についての意見は以下の通りです。

(1) 憲法は国の基本的精神の表現である。

(2) アメリカやフランスの憲法を見るまでもなく、日本でも聖徳太子がしっかり憲法を作っている。

(3) 戦後日本で作られた憲法は、占領軍の意向がつよく反映されたものであり、日本人が自ら作ったとは言い難い。

(4) だからといって、その内容の全てがおかしいということではない。

(5) しかし、欧文の邦訳によるその文体は硬く、国民の日常言語からかけ離れている。

(6) したがって、日本人は自分の手で憲法を作り直す必要がある。

(7) その場合、現行の憲法の内容を基本的精神という観点から国民全体が検討し、何を残すべきか考える必要がある。

(8) 第9条の改正についても同様である。

(9) 憲法をいじらずに、解釈によってすべてを済ませる考え方は間違っている。

(10) 自衛隊が設立された時点で、憲法議論をすべきだった。

(11) 自衛隊そのものが違憲である。

(12) 日本人が自国防衛の軍隊を望むのならば、憲法を改正せねばならない。

(13) 一度、この議論を国民全体のレベルですべきである。

(14) 以上から、今回の政府のやり方は問題を回避するやり方で、憲法の精神を踏みにじるものである。

(15) 日本人は軍隊のない国として世界に誇ることができるのに、その自覚がない。

(16) 今回の法案は、日本がアジアから抜け出しアメリカと手を結ぶという脱亜入欧の現代版である。

(17) アジアのなかの日本であるという意識がないと、今後の日本は非常に苦しくなる。

(18) 近隣諸国の意向に合わせるのは卑屈だという議論は、つまらない自尊心にもとづく。

(19) 近隣諸国と連携してこそ日本は存在できる。

(20) アジア全体を見て日本の行き方を決めるべきで、アメリカの圧力によって決めるべきではない。

(21) 原爆の問題についてアメリカに何も言えない日本に、真の自尊はない。

(大嶋仁 福岡大学教授)

 
安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ