広島大学の前身である広島文理科大学は、世界で最初に原爆を投下された大学です。
アメリカに原爆投下をためらわせることが出来なかったことは、広島文理科大学の弱さといえます。
本来、大学という知の空間は、為政者の攻撃の手を鈍らわせ、戦争を思いとどまらせる存在であるべきです。なぜならば、大学が生み出す知は、わたしたちが住むこの世界の未来を、無限に豊かにしてくれるはずのものだからです。
いま安倍内閣によって進められている安保法案も、また「改革」という名の大学破壊も、根っこは同じです。
軍事的プレゼンスや、経済的効率性によってのみしか自己の未来を切りひらけない、信じがたいほどの知の貧困です。
これは大学の社会的使命と真っ向から対立するものです。
さらに前進しましょう。大きな変化をめざしましょう。
(河西英通 広島大学大学院文学研究科総合人間学講座)