【安保法案反対 特別寄稿 Vol.337】 「積極的平和主義」は、言葉のまやかし 「安全保障関連法案に反対する学者の会」賛同者 龍谷大学教授・角岡賢一さん

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 私は安倍晋三首相を「亡国の宰相」と呼ぶことを提案します。「戦争法案」を衆議院で強行採決し国民をここまで恐怖の淵に追い込んだこと、これだけで戦後歴代首相中で最悪かつ最凶と言えるのではないでしょうか。

 もしもこの法案が可決されて自衛隊が集団安全保障を実際に行使したら、どうなるでしょうか。その時はおそらく米国の追随で、イラク戦争のように理不尽な闘いに駆り出されているに違いないでしょう。イラク戦争は、ありもしない大量破壊兵器を口実に米国が国連安全保障理事会の手続きを経ずに無理矢理に突き進み、現在のイスラム国の台頭を招いたのです。

 財政難の米国、何兆円という戦費の肩代わりも算盤を弾いていることでしょう。「積極的平和主義」というのは、言葉のまやかしも甚だしい。自衛隊員が戦場に駆り出されて他国民の命を奪い、また自衛隊員も生命の危険に晒されます。闘いの相手となった国の恨みを買い、日本国内でテロを招くことは火を見るより明らかです。

 「歴史の審判を待つ」というような悠長なことを言っていられません。今、止めなければ日本は太平洋戦争時のように亡国の道を突き進むことになります。

(角岡賢一 龍谷大学教授)

 
安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ