【安保法案反対 特別寄稿 Vol.332】 本気で止めたい 日本語教師・内田明子さん

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 今回の安保法案はアメリカからの要求によるものであることは、すでに明らかです。

 中国や韓国にどうしても謝りたくない安倍政権―――
 日本を事実上の支配下に置いておきたいアメリカ政府―――

 この両者の利害関係が一致し、ここまで強引に採決したがっているのではないでしょうか。中国・韓国への過去の侵略を明確に侵略と認めず、誠実な謝罪もしないのであれば、良好な関係を築けるはずはありません。

 となると、アメリカの軍事力という虎の威を借りる必要が出てきます。威を借りるからには、アメリカの要求に応じることはもちろん、こちらからアメリカに自発的に何かを申し出ることすらあるかもしれません。

 中国・韓国には日本が加害者であるという事実をうやむやにし、アメリカには自発的に隷従する。このようないびつな体制をいつまで続けるのですか? 自民党は未来永劫続けるつもりなのですか?

 戦後70年、日米合同委員会の存在も明らかになった今、日米の歪んだ上下関係を正しながらアメリカと新たな関係を構築し、中国・韓国には対しては侵略の事実をまっすぐに認め、誠実な謝罪も行い、友好関係を築いていく。

 すでに何度も謝罪したという意見もありますが、いじめ問題と同じで、いじめた側は忘れても、いじめられた側は忘れたくても忘れられません。そして、心からの謝罪かそうでないかは見えてします。わだかまりが融ければ武力に頼る必要はありませんし、経済・文化・学術・あらゆる人的パワーを駆使しながら外交努力を重ねる、そういう方向性を持った日本政府が必要ではないでしょうか?

 安倍総理を始め、歴史修正を試みようとする人々は、日本の近現代史における日本人の自虐史観、とよく口にされますが、アメリカの庇護の下でなければ日本はやっていけない、という前提に立つ方が、はるかに自虐的ではないでしょうか?

 私は日本語教師という職業柄、いろいろな国の人々に出会いますが、先日、ある生徒さんが私に言いました。

 「日本は民主主義だからいいよね。私の国では反体制的なことは口にできない。』

 私は答えに窮し、

 「でも、今、主権在民は無視され、マスメディアも正常に機能せず、報道の自由が危ない。民主主義と言えるかどうか…」

 すると彼は、言いました。

 「でも、今、少なくとも嫌なものは嫌、おかしいことはおかしいと言えるでしょう?」

 そうです! 言えるんです! 言っていいんです!

 今、言わなければ、声を上げなければ、戦後、大切に守ってきた平和主義は壊れ、武力も仕方ない、というようなとんでもない方向に向かってしまいます。

 個人対個人であれば、他国の人と友人になることは決して難しくありません。その友人になれるかもしれない人同士が殺し合うのが戦争です。

 紛争の根本原因である貧困や格差問題に真摯に向き合い、日本が積み上げた平和の歴史、憲法の重みを今後さらに生かすためにも、今、全力で安保法案成立阻止を訴えたいと思います。

(内田明子 日本語教師)

<署名>
「内閣総理大臣 安倍晋三殿:憲法違反の安全保障関連法案(戦争法案)の施行停止と廃案を強く求めます』
「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会
「安保法案可決に賛成した自民党&公明党議員には今後一切投票しません」
「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」
「戦争をさせない1000人委員会」
「安保関連法案に反対するママの会」
「戦争法案に反対する東大有志の会」
「自由と平和のための京大有志の会」
「TOLDs」

<賛同>
「Forum 4」

 
安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ