【安保法案反対 特別寄稿 Vol.324】 違憲の法案を成立させた人は、憲法改正に今後携わる資格がありません 「安全保障関連法案に反対する学者の会」賛同者 広島大学大学院理学研究科准教授・両角卓也さん

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 自然法則を研究する物理学でも、いくつかの基本法則があり、それらは理論自身の整合性と実験での検証を経て、確固となっていきます。

 したがって、自由な発想に基づいているといっても整合性を欠いたものや、実験、観測と矛盾する理論は打ち捨てられていくのです。言い換えれば、そのような制約のもとで、自然法則に採用される理論を組み立てることは非常に困難で、それがゆえに面白く価値もあるのです。

 今までに確立されてきた理論体系も様々な実験、理論の試行を経てできたものです。その場しのぎの理論を組み立てても、永くは続きません。自然法則を憲法に例えれば、憲法はその解釈も含めて確立されたものであり、今までの運用でテストされてきたものです。

 違憲の法案を認めることはできません。また、違憲の法案を成立させた人は、憲法改正に今後携わる資格がありません。元来、憲法改正をして自主憲法を作るといってきた政党は、その節を曲げて、違法な手続きの下で物事をすすめています。その内容が良かろうと悪かろうと違法な法案を通すことは不正なのです。
(両角卓也 広島大学大学院理学研究科准教授)
 
安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ