【安保法案反対 特別寄稿 Vol.280】 日本が「敵国」となり攻撃を受ける可能性が高まる 「安全保障関連法案に反対する学者の会」賛同者 ミドルベリー国際大学院国際政策教授・赤羽恒雄さん

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 イラクとアフガニスタンに軍事介入して、百数十万人という死者と何百万人という避難民がその犠牲になりました。アメリカの歴史に残る大きな失策でした。

 下記の2014年の世論調査結果が示すように、これがアメリカ国民自身の評価です。民主党支持者も共和党支持者も共通した評価です。

Growing Share Says U.S. Has ‘Mostly Failed’ in Iraq

Few Republicans or Democrats See Success in Iraq

Source: http://www.people-press.org/2014/01/30/more-now-see-failure-than-success-in-iraq-afghanistan/1-30-2014_3c/

 このような失策は将来もあるでしょう。日本はそのような国の軍事介入の担い手になるのでしょうか。

 集団的自衛権の行使にあたっての3条件はあまりにも曖昧です。日本が「敵国」となり攻撃を受ける可能性が高まり、海外に居住する邦人の生命を危険にさらすことになることも十分考えられます。日米の軍事介入がさらに拡大することも考えられます。

 どのような展開、結果になるかわからないのが戦争です。これは先の戦争で日本が学んだことです。このような危険を孕む安保政策を安倍政権が憲法の解釈変更だけで国民の反対を押し切っても進めようとするのは暴挙だと言わざるを得ないでしょう。

 安保関連法案は廃案にして、憲法改正すべきかどうかを国民に直接問うのが今の憲法のルールです。このルールを守るのが立憲民主国家の姿でしょう。

ミドルベリー国際大学院国際政策教授
赤羽恒雄

安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ