【安保法案反対 特別寄稿 Vol.259】 日本は、世界の平和を実現させるよう努力する任務・責務を追っている 「安全保障関連法案に反対する学者の会」賛同者 千葉商科大学政策情報学部教授・鮎川ゆりかさん

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 日本が戦争に出かけられるようにする「集団的自衛権行使容認」を含む「安保関連法案」は絶対に阻止しなければなりません。人々が無残な死に方をしなければならないのが、戦争です。そしてその「無残さ」「残酷さ」「非人道的要素」は、兵器技術が進歩してくるにつれ、過酷なものになっています。

 広島・長崎の原爆投下から始まり、化学兵器、劣化ウラン爆弾、ベトナム戦争で投下されたダイオキシンを大量に含む枯葉剤、湾岸戦争の際に爆撃された石油備蓄基地からの重油流出など、時代と共に戦争がより残酷になり、悲惨な中で人々の命を奪うもの、そして環境破壊を引き起こすものとなっています。CO2を始めとする温室効果ガスの排出を抑制するための「京都議定書」が採択された時、米国は「兵器も対象になるのか」と言ったそうです。

 今や人類は地球1.5個以上分の地球資源を使った生活をしているとのことです。しかしここに「戦争」による影響は加味されていません。「戦争」を入れたら、それ以上になるのは間違いありません。戦争こそが地球の環境破壊を最も進めてきたのではないでしょうか。

 人々が限りある地球資源を、その限界の中で使い回し、安心して暮らせる社会を築いて行くことが、人類に託された責務であり義務であります。そのことを考えると、この法案が日本一国のものではなく、日本を含む世界的な戦争を引き起こす引き金になるやもしれず、またそのことにより、日本がテロの標的になる可能性も大きくすることは否定できません。

 せっかくある「戦争放棄」が書かれている日本国憲法のある国としての日本は、これを「世界平和」を導く方向へ使い、世界の平和を実現させるよう努力する任務・責務を追っているのではないでしょうか。安保関連法案に断固として反対します。

(鮎川 ゆりか 千葉商科大学政策情報学部教授)

安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ