【安保法制反対 特別寄稿 Vol.240】 子どもの貧困率は16%―― 悪夢を与え続ける安倍政権 「安全保障関連法案に反対する学者の会」賛同者 東京学芸大学教授(教育臨床心理学)・小林正幸さん

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 戦後、これほど子ども・若者の夢と希望と理想を砕いてきた政権はない。嘘、ごまかしを常とし、デマを流し、的確な情報を国民に伝えるのを妨げようとする政権はない。その最たるものが、今回の違憲法案だと考える。集団的自衛権を是とする戦争法案の廃案を強く求める。

 子どもの貧困率は16%を超え、第一次安倍政権時と第二次安倍政権時に不登校が増えているのが、その証左である。片親家庭の貧困率は5割を超え、ケネディ米在日大使に「働くほど貧困になる唯一の先進諸国」と言われるのがこの国の政治である。この政権以降、東電からの原発事故関連情報は、東電自身が公表するか否かを判断し、若干の公表があっても、全国のニュースにはならなくなった。分からなければ嘘をつき、追及されればごまかし、責任者は自分だと言いながら、いまだかつて、何ほどかの責任を取ったこともない。憲法を行政が遵守しなければならないことを知らず、あるいは知っていながら、知らなかったことにし、既成事実だけを積み上げようとする。ポツダム宣言も読んだことはなく、あるいは読んでいながら、知らないとし、日本の独立を語りながら、米国に盲従する。このような情けない政治家を自分は知らない。

 子ども・若者に夢と希望と理想を与える教育者と、現実に打ちのめされて、そこから立ち上がろうとする子どもや保護者を支える子どもの心理的な問題の解決に勤しむ心理療法家を育てている自分にとって、この政権は悪夢のようである。悪夢を与え続ける安倍政権の早期の退陣と、この間違ったとしか言いようのない法律の廃案を強く願う。

 そして、仮に、万が一、今国会でこの法案が成立したとしても、それに賛成した国会議員は絶対に許さない。その者たちの名は、岩に刻んで覚えておこうと思う。

 そして、この法律が告示されても、この運動には終わりなく、その法律の廃止のさまざまな運動、司法闘争を続けていくことを誓いたいと思う。

小林正幸 東京学芸大学教授(教育臨床心理学)

 
安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ