日刊IWJガイド「自衛隊が米軍の三軍になる」!? 安全保障政策のあらゆる決定権が「独走した自衛官(制服組)」と「米軍」に握られてしまう未来 2015.8.13日号~No.1065号~


■■■ 日刊IWJガイド「自衛隊が米軍の三軍になる」!? 安全保障政策のあらゆる決定権が「独走した自衛官(制服組)」と「米軍」に握られてしまう未来 2015.8.13日号~No.1065号~ ■■■
(2015.8.13 8時00分)

 おはようございます! IWJで主に記者などをやっている佐々木隼也と申します。

 昨日から国会は夏休み、安倍総理はなぜか一足お先に一昨日から夏休みをとっていますが、みなさまはお盆休み、いかがお過ごしでしょうか? 昨日だけで成田から4万人以上が海外にバカンスに発ち、また車や新幹線で田舎に帰省した方も多いのではないでしょうか。

 そんなお盆休み入り直前、国会に一陣の突風が吹き荒れました。一昨日の11日、質疑に立った共産党・小池晃議員が衝撃の「内部資料」を暴露したのです。防衛省が5月に作成したこの資料には、まだ衆議院の審議も始まっていない安保法制が、「8月には成立」する前提で、「2月に施行」「南スーダンPKOでは新法制の下で駆け付け警護が可能になるかも」などという「工程表」が書かれていたのです。

 つまり、国会を「完全無視」して、もう具体的な自衛隊の運用計画や編成が練られていたのです。小池議員は「まさに戦前の軍部の独走だ」と糾弾。中谷大臣はこの事実を「知ってた」としたら国会軽視、「知らなかった」としたらそもそもシビリアンコントロール(文民統制)が崩壊していたということになるため、答えに窮し、審議ストップ。そのまま散会となる事態となりました。

・【安保法制国会ハイライト】防衛省が「8月に法案成立」を前提に運用計画検討!? 自衛隊を「軍」と明記!? 内部資料を小池晃議員が暴露!「まさに戦前の軍部の独走」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/257593

 そして昨日、中谷大臣や防衛省官僚を真っ青にさせた小池議員に、岩上さんが緊急インタビューを行いました。

 小池議員は、すべての問題の根本、そして出発点である「日米新ガイドライン」だと指摘しました。「日米新ガイドライン」とは、日米共同でどのように連携して安全保障政策を進めていこうか、という事が書かれた「指針」です。この法律でも条約でもないただの「指針」が、4月27日、日本の外務大臣、防衛大臣、米国の国務長官、国防長官だけで合意されました。国会の審議を経ていません。

 この安倍政権が「国会の外」「憲法の外」「国民の外」で勝手に米国と約束した、本来特段の拘束力もないはずの「指針」。しかしこれを達成するために具体化しようとしているのが、この安保法制なんです。

 なので、この違憲の安保法制を無効にするのと同時に、この違憲の新ガイドラインも無効にしないと、根本的には何も変わりません。

 小池議員は、「日本の独立と主権をないがしろにする異常な対米従属の姿勢だというふうに、言わざるを得ません」と安倍政権を厳しく批判しました。まるで保守政党のような発言ですね。もはや右も左もない、日本の主権はどこにあるのか? という段階まで差し掛かっています。

 岩上さんもTwitterで、「安保法制に賛成するかしないかは、憲法を守るか否か、という問いを超え、日本の独立主権を守るのか、米国の属国として独立主権を売り渡すのか、という問いとなった」と提起しました。

・【岩上安身のツイ録】安保法制に賛成するかしないかは、日本の独立主権を守るのか、米国の属国として独立主権を売り渡すのか、という問いだ。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/257622

 小池議員への緊急インタビューでは、さらに踏み込んで、この「日米新ガイドライン」の肝である、「同盟調整メカニズム」に言及しました。詳しくはぜひインタビューをご覧になっていただければと思いますが、簡単に言うと、日本の安全保障政策のあらゆる決定権が、「独走した自衛官(制服組)」と「米軍」に握られてしまう、というものです。

 自衛隊は実質、米軍と「一体化」(というより下請け化)しますから、実質は米軍が、日本の自衛隊に集団的自衛権の名のもと、指令を下すようになる、ということです。「自衛隊が米軍の三軍になる」と小池さんは断じました。

 こんな深刻な事態が、法律も国会も国民も憲法もすっ飛ばして決められてしまった。まさに日本の独立と主権はどこに? という状態です。

 この「同盟調整メカニズム」の問題は、7月に岩上さんがインタビューした憲法学者の青井未帆・学習院大学教授が、詳細に解説しつつ、問題点を指摘しています。ぜひ、以下の動画記事をご覧ください!

・2015/07/08 「日本全体が米軍の巨大な兵站部隊になる懸念がある」――日米の「調整メカニズム」で自衛隊が米軍化する?学習院大学教授・青井未帆氏に岩上安身が緊急インタビュー!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/252124#idx-3

 そのほか、小池議員のインタビューでは、毎日新聞が「7月30日に共産党・志位委員長が、来年夏の参院選では沖縄以外では選挙協力しないと言った」と報じた件について、岩上さんがずばりおら聞きました。志位委員長、本当にそんな事を言ったのでしょうか? なんか違和感ありますよね? 事の真相はインタビュー動画で確かめていただければと思います。

 「今回の内部文書が特定秘密保護法違反にあたらないか」と心配する岩上さんに、小池議員は「そんなことをすれば独裁国家だと世界中に喧伝することになるからやるはずがない」と否定しつつも、「もし逮捕されれば獄中闘争をやるだけです」とし、「そういう覚悟がなければ共産党議員はやれません」と断言しました。さすがの覚悟です。

 ということで、今日にも早速、昨日の小池議員インタビューの模様を、19時から再配信します! 見逃した方はぜひ、この再配信をご覧下さい!配信はCh1です!

【Ch1はこちら】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

 再配信も見逃してしまった、もう一度見返したい、という方は、IWJの一般会員であれば1カ月、サポート会員であれば無限に、いつでも動画アーカイブをご覧になることができます。また最近は、動画を全て観切る時間がないという人のために、動画とともにインタビューのテキスト要旨も、記事に掲載しています。こちらも会員の方であれば、全編ご覧になれます。

 これからも小池議員インタビューのように、タイムリーかつ大手メディアが報じない取材、中継を届け、本来ならば全国民が知るべき大事な情報を可視化するために尽力していきます。ぜひ、会員となってIWJの活動を直接支えていただくとともに、IWJの膨大なアーカイブを知的堪能していただければ幸いです!

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…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.8.13 Thu.**

【Ch4】11:00~「シンポジウム『国民の70年談話』─日本国憲法の視座から」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「国民の70年談話」実行委員会主催のシンポジウムを中継。
東京大学教授の高橋哲哉氏、元日本教育学会・教育法学会会長の堀尾輝久氏、埼玉大学名誉教授の暉峻淑子氏、弁護士の新井章氏、一橋大学名誉教授の杉原泰雄氏らが登壇予定です。

【録画配信・Ch5】15:00~「『戦争法案』廃案に向けて 法学者と学生・市民のつどい 」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※昨日行われた「九条の会事務局」主催の法学者と学生・市民のつどいの模様を録画配信します。

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見の模様を中継します。

【Ch6】18:30~「戦争法案反対国会前集会~第13回目」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」主催の国会前集会を中継する予定です。

【Ch4】19:00~「川内原発再稼動反対! 0813九州電力東京支社前大抗議」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「首都圏反原発連合」、「さようなら原発1000万人アクション」、「原発をなくす全国連絡会」らが呼びかけ団体となって行われる、川内原発再稼働反対の抗議行動を中継する予定です。

【再配信・Ch1】19:00~「岩上安身による日本共産党・小池晃副委員長インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※昨日行われた、「岩上安身による日本共産党・小池晃副委員長インタビュー」を再配信します。

【再配信・Ch1】20:00~「岩上安身による矢吹晋・横浜市立大学名誉教授インタビュー ―後半」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/255325
※2015年7月29日に行われた、岩上安身による矢吹晋・横浜市立大学名誉教授インタビューの後半の模様を再配信します。

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◆明日の中継番組表◆

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.8.14 Fri.**

【Ch未定】13:00~「戦後70年、東アジアフォーラム ―過去・現在・未来―」
※「戦後70年、東アジアフォーラム ―過去・現在・未来―」実行委員会主催のシンポジウムを中継予定。

【Ch未定】18:30~「時代は動いている ―戦争被害のすべて解決のときだ! ―発言 小林節・慶應大学名誉教授ほか」
※「戦後70年・戦争被害のすべて解決を!実行委員会」主催の集会を中継予定。
発言者は、慶應大学名誉教授の小林節氏、大阪空襲訴訟弁護団の大前治氏らが予定されています。

【IWJ_KYOTO1】19:00~「SEALDs KANSAI 戦争法案に反対する金曜街宣アピール」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※「SEALDs KANSAI」主催の街頭宣伝アピールの模様を中継予定。

【Ch未定】19:00~「村山首相談話を継承し発展させる会 緊急記者会見」
※元東京大学教授・元外務省中国課長の浅井基文氏、元日本国レバノン特命全権大使の天木直人氏、埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫氏、一橋大学名誉教授の田中宏氏、恵泉女学園大学名誉教授の内海愛子氏らが出席予定の緊急記者会見。

【Ch未定】19:30~「SEALDs主催 戦争立法に反対する国会前抗議行動 ―固定カメラ」
※「SEALDs」主催の戦争立法に反対する国会前抗議行動を中継予定。こちらは固定カメラです。

【Ch未定】19:30~「SEALDs主催 戦争立法に反対する国会前抗議行動 ―遊軍カメラ」
※「SEALDs」主催の戦争立法に反対する国会前抗議行動を中継予定。こちらは遊軍カメラです。

▲▽▲▽官邸前抗議関連 ▽▲▽▲

【Ch5】18:30~「再稼働反対!首相官邸前抗議(首相官邸前/国会正門前)」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5

【IWJ_AOMORI1】17:30~「青森駅前金曜日行動」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-aomori1

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(前半の続き)…

■政府が主張する「中国の脅威」の嘘と、その実態

 もはや何の大義もなく、ただ米軍の負担を肩代わりし、日米の(主に米国の)軍需産業を潤わせるためだけという米国隷従的な動機のみで、安保法制を進めようとしている安倍政権。最近では、これまであえて明言を避けてきた中国を名指しして、その脅威を煽り、安保法制の必要性を国民に訴え始めました。

 すでに日中の経済関係は濃密なものになり、中国なしで日本の経済は立ち行かなくなっているため、特に財界は中国の脅威を不必要に煽ることを嫌っていました。しかし追い詰められた安倍総理にとってそんな事情はお構いなし、日中の冷え込みで日本の経済が打撃を被ろうが、そんなこともお構いなしです。

 ですが、その肝心の「中国の脅威」なるものは、とてもお粗末なものでした。

 中谷大臣は、東シナ海の海洋プラットホームに、中国がレーダーを配備する可能性に言及しました。すると櫻井よし子氏が、産経新聞の寄稿で「そこに弾道ミサイルが設置されれば沖縄や南西諸島が射程に入る」と煽り立て、この政府と産経新聞の連携プレーによって、脅威が醸成されようとしています。

 これについて、7月29日に岩上さんがインタビューした中国専門家の矢吹晋・横浜市立大学名誉教授は、この政府や櫻井氏の主張に大爆笑。「元々、中国のミサイルは米国まで届くんですよ。当然、日本全土にも沖縄にも届くから米軍はグアムに移るんです。防衛大臣まで何言ってるんでしょう」。

 お粗末ですね~。政府の主張、無理矢理すぎて失笑ものです。

 他にもこのインタビューで矢吹氏は、政府が主張する「中国の脅威」の嘘と、その実態について指摘しました。別に中国の軍事力が脅威ではない、と言っているのではありません。しかし、嘘に嘘を重ねて煽り立て、その結果、「先制攻撃」さえ可能にする安保法制を通すことで、エスカレーションのリスクが増大するのは、本末転倒ですよね。

 そもそも、中国のような隣国から日本が侵略を受けることがあったら、それは個別的自衛権の範疇です。当然、第一義的に日本の自衛隊が迎え撃ちます。尖閣問題が最初に騒ぎになった時の外務大臣は当時、岡田外相でした。岩上さんはすでに今から5年前に、岡田外相に会見で直接質問し、中国軍の侵略があったら迎撃するのは自衛隊である、との回答を最初に引き出しています。米軍は動きません。これははっきりとしています。中国の侵略があったら、自衛隊が個別的自衛権で迎撃する。集団的自衛権は関係ないのです。

・2010/05/11 尖閣諸島への侵略想定で「一義的に日本を守るのは当然日本人、自衛隊」と岡田大臣が明言 ~岡田外務大臣会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/15918

ーーー【会見質疑より抜粋】ーーー

【フリーランス 岩上】抑止力関連でご質問させていただきたいと思います。海兵隊の戦力というものは、抑止力になりうるということはたびたびお話しいただいてきたと思います。

 2009年に中曽根前外務大臣が「尖閣諸島は中国の脅威にさらされたときには、日米安保の対象になる」と仰られまして、麻生政権としても「これは日米安保の対象である」と答弁もされていると思います。

 ここで一点の確認ですが、実際に尖閣諸島に対して、もし中国が侵略してきたとき、海兵隊が出動するのかということに関して、2005年の日米同盟変革と再編の文書の中で明白に、「島嶼部については日本側の負担である。日本側が分担する。島嶼部の防衛は第一義的に自衛隊がやるものであって、米軍は出動しない」ということが明記されています。

 この点、やや矛盾を感じるところであるのですけれども、実際、現実性の行動、軍事行動となった場面では果たしてこの日米安保の前政権の回答が正しいのか、それとも日米同盟変革と再編に書かれている島嶼部の防衛は第一義的に自衛隊が出動して行うのが優先されるのか、どちらが正しいのでしょうか。

【大臣】どちらも正しいと思います。ですが一義的に日本を守るのは当然日本人です。自衛隊です。日本を守ることまで米軍に依存するということではありません。ただ、自衛隊の手に負えないということになれば、米軍の力を借りることもあるということであって、一義的には日本を守る役割は日本自身が行うのは当然のことだと思います。

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 矢吹先生も、だからこそ冷静かつ現実を見据えたしたたかな外交が必要だと言っているのに、安倍政権は、お腹がふくれて寝ている虎に石を投げつけようとしています。わざわざケンカを売る必要があるでしょうか。

 少し頭を冷やしていただくためにも、このインタビューは必見です。山梨で静養中の安倍総理のために、昨日今日と2部構成で、インタビューの再配信を行っています。本日も20時から、Ch1で配信しますので、ぜひご覧ください!!

【Ch1はこちら】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

■ぜひ、IWJ書店をご利用ください!

 そして現在IWJ書店では、この矢吹先生の貴重なサイン本を販売開始しています! ぜひこの機会に、お買い求めいただければと思います。特に、米中がすでに経済的にも軍事的にも共依存関係にあるという現実を、詳細なデータと共に紹介した『チャイメリカ』は衝撃の一冊です。

 尖閣で日本と中国が衝突したら、米軍が助けてくれる…という対米従属派の希望的願望を綺麗に打ち砕いてくれます。日本では訳されませんが、米国はことあるごとに、尖閣についての発言の際に「我々は傍観者の立場を崩しませんよ」と強調しているんですね。まずはその現実をスタートラインとして、日本の自主防衛を考えていかなければならないのです。

 ということで、その理解の大いなる手助けとなる以下の4冊は、本当にオススメです!

・『敗戦・沖縄・天皇 ~尖閣衝突の遠景~』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=100

・『チャイメリカ 米中結託と日本の進路』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=97

・『尖閣問題の核心 ~日中関係はどうなる~』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=99

・『尖閣衝突は沖縄返還に始まる 日米中三角関係の頂点としての尖閣』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=98

 また、こうした無理矢理な中国脅威論による安保法制の成立、そしてその先に自民党が目指しているのが、憲法改正です。自身は米国に隷従しながら、権限を強化させ、国民に隷従を強いる。そんな安倍総理周辺の思惑が、惜し気もなく反映されているのが、自民党の改憲草案です。

 安倍政権が目論んでいるのは、日米新ガイドラインの達成であり、自民党の改憲草案の達成です。安保法制はその通過点でしかありません。岩上さん、澤藤弁護士、梓澤弁護士がこの草案を逐条で解説し、そのおそるべき内容を分かりやすく解説し、批判した書籍『前夜』を、ぜひお読みいただければと思います。

 なんで安倍総理はこんなに安保法制成立を急ぐのか、憲法改正を急ぐのか。その疑問の答え、安倍総理が目指す理想の「美しい国」の正体が、つらつらと書かれています。日本を戦争に導き、人々から権利や自由や命を奪った大日本帝国憲法。その焼き直しを今、安倍政権はしようとしています。

※前夜 ~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く
http://iwj.co.jp/wj/open/%E5%89%8D%E5%A4%9C

■安保法制に反対する全ての人からメッセージを募集しています!

 安倍総理は安保法制を急ぐうえで、「これはむしろ戦争を抑止するためのものだ」などと何度も強調していますね。しかし、この法案によって、対中衝突のエスカレーションのリスク、他国の戦争に巻き込まれるリスク、先制攻撃による負の連鎖などなど、「戦争リスク」の増加について、安倍総理は本気で考えているのでしょうか?

 戦争とは何か。IWJでは今、安保法制に反対する全ての人からメッセージを募集しています。そのなかの一つに、とても印象的なものがあったので、以下、少しだけ引用させていただきます。

 「ある女性が厳寒の駅舎で子供を産んだ。母はその人に頼られたが、二人とも死ぬか、自分ひとりでも生き残るかの、二者択一でひとり生きることにかけたのだ。女性は残されて、厳寒の駅舎で身二つになった。衣類だけでは凍えるので、新聞紙を服の中につめたり、段ボールを集めたりしたが、どうにもならず、母子は時をおかずに凍え死んだ。

 産後の母子ならずとも、多くの人が凍えてなくなっていた。それらの死体は、町をながれる川に投げ込まれた。川は凍りついており、多くの死体が冷凍されていた。毎日毎日死体が投げ込まれ、雪が積もり氷の厚みをまし、川は死体を飲み込んでいた。

 それらの死体は春になって、川岸の氷が緩むにつれ、凍ったまま海へとゆっくり流れていったという」

 これは、メッセージを寄せてくれた方のお母様の体験談だそうです(「Vol.198 声を出し、次の一歩へ。」より)。

・【安保法制反対 特別寄稿 Vol.191~Vol.200】
「誰が立ち上がるのか、誰と立ち上がるのか―反安保と愛国」「現在の日本とハンガリーが酷似しているのに驚きと不安」
http://iwj.co.jp/wj/open/anti-war-msg-00191-00197

 「これがまさに戦争の暴力である。」とこの方は綴っています。安倍総理に、ぜひ読んでいただきたいと思います。この体験談を、自分や自分の身近な人に重ね合わせる想像力を持ち合わせていれば、ですが。

 IWJでは、こうした一般の方からのメッセージはもちろん、引き続き学者や研究者の方からのご寄稿もお待ちしています。一言でも、一文字でも結構ですので、ぜひご意見をお寄せいただければと思います!

・安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ
http://bit.ly/1HGpCHI

■一般事務スタッフ大募集中!

 ここから、人手不足で悲鳴をあげている一般事務班から、募集のお知らせです!

 IWJで事務を担当している、スタッフの芹沢あんずです。

 現在、一緒に働いてくださる、一般事務スタッフを大募集中しております!!!

 作業内容は、電話やメールでの外部の方との連絡、岩上さんのスケジュールを把握してのインタビューのアポ取りや、スケジュール管理。イベント開催の準備、その他、諸々発生する、庶務的なことなど、色々とあります。

 必要なパソコンのスキルは、メール送信や、ワードやエクセルなど、基本的なものを、最低限、お使いいただくことができれば大丈夫です。

 勿論、パソコンのスキルなどがあれば、大変嬉しく思いますが、スキルよりも心意気です!

 一般事務は、その時々に発生する作業に対して、柔軟に対応していただける方、どんなことにも前向きに取り組める方、繋ぎ役になって、他のスタッフたちと、相談し、情報を共有しながら、物事を進めていける方、事務スタッフとしてこのIWJを一緒に支えていこうと思っていただける方、どしどし、お待ちしております!

 ご検討していただける方、まずは一度< office@iwj.co.jp >までご連絡ください。

 具体的な勤務日数などについては、直接連絡をとり、ご相談させていただきたいきたいと思います。

 何卒よろしくお願いいたします!

■わとはぷ!のコーナーです。

 本日8月13日は、国際左利きの日だそうです。

 1992年8月13日、イギリスにある「Left-Handers Club」により、右利き用だけでない誰もが安全に使える道具を各種メーカーに対して呼びかけることを目的に提唱・制定されたといいます。

 左利きについて調べてみると、色んな説があるんですね。自然選択説や突然変異説、種の自己防衛説、脳の半球説、遺伝によるとする説、胎内で決まるという説…などなど様々ですが、どれも確定的ではないそうです。なぜ少数の左利きの人がいるのか、こんな身近なことなのに、長年、今もなお謎というのは驚きです。

 左利きに関して有名な「デマ」が、左利きは短命というものです。

 「統計によれば、高年齢層程左利きの割合が減少する。1991年に発表された論文は、この統計は左利きの人は右利きの人に比べて9年も短命であることを示すものであると主張し、その原因は左利きの人は右利き中心の世界に適しておらず、この世界で遭遇する『苦難』のために事故で死亡することが多いためであろうと示唆している」(wikipedia)

 …とのことなのですが、しかしその後の多くの研究により、右利きの人に比べて左利きの人が短命であるという証拠は全くないことが明らかになっているそうです。

 左利きに限らず、少数、マイノリティに対する無意識下の「偏見」や「差別」というのは、いつの時代も多くの誤解やデマを生み出しますよね。かくいう僕も、この「わとはぷ」を書くまでは、「左利きは短命」というデマを、特に疑いもしていなかった1人でした。

 こうした無自覚な誤解が、当事者にとっては悪意となって襲いかかっていることを、もっと自覚せねばな…と思います。

 それでは、今日も一日、IWJをよろしくお願い致します!!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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