緊急事態条項には、「戒厳令」という言葉とともに恐ろしさを感じた・・・民主主義と憲法について話そう!寄稿文絶賛募集中です!


 さて、IWJでは現在、「みんなで語る『改憲への危機感』」というコーナーを設け、皆さんからいただいた寄稿をご紹介しています!本日は、現在はIWJのテキストスタッフとして働いている日本語教師の小川晶子記者が、まだIWJに入る前に寄稿した、『緊急事態条項と日本の現状に抗うために』を紹介します。沖縄・高江で起きている事態にも言及されています。

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 緊急事態条項には「前夜」を拝読したときから、「戒厳令」という言葉とともに恐ろしさを感じていました。重大な「緊急事態条項」を含む「改憲」を、選挙戦ではあえて隠してきた現政権の卑劣さには、言葉がありません。

 「緊急事態」を国が宣言したときには、「何人も法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体、及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公的機関の指示に従わなければならない」とあります。

 これは、一見国が私たち国民を守ってくれるかのような錯覚を覚えますが、騙されてはいけないのだと思います。この宣言により、人権も自由も極端に制限され、体制側に都合の悪い人間は逮捕され、まさにナチス・ドイツがワイマール憲法下の「緊急事態宣言」を利用し行った行為が日本でも起こります。

 そして、「緊急事態」が続く間は、「衆議院は解散されない」とあります。独裁政権であってもそれがずっと続くというのです。それは、憲法に乗っ取っていても事実上の「無法状態」と言えるのではないでしょうか。

 今の沖縄県・高江の米軍ヘリパット建設に反対している150人の市民に対して、500人の警察機動隊が行っている行為は、男性を車で轢き、女性の首をロープで締め上げるという公権力による犯罪行為です。

 沖縄問題だけではありません。格差が広がるばかりの経済政策により、日本は貧困大国になりつつあります。昨年は戦争法案が通り、日本は先の大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争への反省もないまま、「戦争ができる国」へと歩みを進めました。

 同時に日本は監視・密告社会になりつつあります。これら全てのことを私たち1人1人は、本当に望んでいるのでしょうか。沖縄で起こっていることを本土は見ないふりを続けることを、私たちは本当に望んでいるのでしょうか。

 改憲されれば、沖縄で起こっていることは、本土でも起きます。強者が弱者を食らうがごとき経済政策を、今後は医療もまともに受けられなくなり、遺伝子組み換え食品を選ぶしかない、そんな暮らしを、私たちは本当に望んでいるのでしょうか。戦争により、「殺し殺される側になる」ことを、私たちは本当に望んでいるのでしょうか。ジョージ・オーウェルが小説「1984年」で描き、アーサー・ミラーが戯曲「大司教の天井」で描いた非人間的な監視社会を、私たちは本当に望んでいるのでしょうか。

(つづく)

 小川晶子記者による『緊急事態条項と日本の現状に抗うために』の全文は、こちらでお読みいただけます!
http://iwj.co.jp/wj/open/consti-msg/1-032
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 まだまだ寄稿文は募集中です。みなさまからのご投稿を心よりお待ちしております!

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