【岩上安身のツイ録】ずっと心の一部が「仮住まい」~ウィークリーマンションで避難生活を送りながら仮設住宅暮らしの人のことを思う


※10月4日の岩上安身の連投ツイートを再掲します

 やっと帰京。会津若松まで日帰り往復約8〜9時間。寝不足で、さすがにしんどい一日だった。そして帰宅ならぬ帰ウィークリーマンション。今、自宅マンションが大規模修繕工事中。そのため、ウィークリーマンションで避難生活中。

 いったん自宅に戻り、洗濯をしたり、郵便受けに届いている郵便物をチェックしたりしたのだが、管理会社からお知らせが。工事の進捗が芳しくなく、休日も工事をするという。猛烈に音がする、という警告入り。この時期にあわせて、僕の部屋の右隣も、左隣の部屋も、リフォーム工事を始めた。

 朝から晩まで、右も左も、前も後ろも、ものすごい音と振動が鳴り響く。この工事の進捗が遅れるって、、、。ウィークリーマンションの契約を延長するしかない? あぁ、もう、また出費がかさむ。自宅ではないので、何かと不便極まりない。早く家に帰りたいと思う。

 そう弱音を吐いてみて、ハッと気づくのは、福島第一原発事故で、いまだに戻れず、仮設住宅暮らしを続ける人たちのつらさ。今日、足を運んだ会津若松には、大熊町の人たちがまとまって避難した仮設住宅がある。冬に訪ねた時には、雪が積もり、雪慣れしていない浜通りの避難者は難儀していた。

 僕の場合は、たとえ工事が伸びて延長したとしても、いずれは、仮住まい暮らしは終わる。しかし、原発事故の避難者の多くには、その日が来ない。これは本当につらいことだ。この同じ空の下、同じ地続きの世界で、同じ地震に揺られて、かくも苦しんでいる人がいる、と思うと、心安らぐことがない。

 3.11のとき、僕の自宅もめちゃくちゃになり、設立して三ヶ月のIWJの事務所もぐちゃぐちゃになった。片付けは後回しにして、中継取材のために飛び出し、以来、ずっと飛び出しっぱなしの感がある。

 事務所は一ヶ月くらいかけて片付けた。自宅の片付けは一番最後になった。でも、片付けが終わっていない部分がまだある。心の片付けだ。まだ、心は、あの時、外へ飛び出したままで、休んだり、落ち着いたりすることができずにいる。あれ以来、ずっと心の一部が「仮住まい」なのだ。

 疲れませんか? と、よく人に聞かれる。そりゃ、疲れないわけがない。しかし、疲れるかどうか、よりも、休めない、安らげない、落ち着けない、片付かない、といった方がしっくりくる。地震や原発の問題だけではない。生活や、平和や、言論の自由や、基本的人権や、国民主権などまでが、次々脅かされる。