日刊IWJガイド 2015.3.26日号~No.925号~


■■■ 日刊IWJガイド 2015.3.26日号~No.925号~ ■■■
(2015.3.26 8時00分)

おはようございます。IWJのぎぎまきです。

今朝はまず始めに、先日の日刊ガイドに書いた一文について、一部の方からご批判を招いた件について、ご説明したいと思います。

3月19日の日刊IWJガイドの冒頭で、春の訪れに「鼻歌をハミングしている」と書いたことについて、こんな非常時に危機感が足りなすぎるという内容のお叱りのメールをいただきました。

浮かれていたわけではないのですが、確かに、言葉足らずだったと反省しています。

今、IWJは浮かれている状況では、確かにありません。リーダーである岩上さんが突然の心臓発作で倒れて以来、社内はスタッフ総出で運営業務にあたっており、一瞬の気のゆるみも許さない状態です。

また、世の中を見渡せば、安全保障法制の整備が着々と進み、原発の核燃料や放射性廃棄物の問題、そして、間もなく施行される介護保険法の改正、そして、2016年の衆議院選挙後に自民党が実施を狙っている憲法改正の国民投票など、浮かれている暇はありません。

先日、3月22日、日比谷野音や国会周辺で行われた「安倍政権NO!」のデモでは、「戦争に対する不安感が大きく、安らかな気持ちではいられなくなった」という参加者の声が聞かれました。

静岡県から参加した18歳の女性は、「戦争はしない国だと思っていた。この流れがこのまま止まらなかったらどうなるんだろう」と、IWJのインタビューで不安を口にし、「選挙権がまだないので、大人にもっとしっかりして欲しい」とカメラに向かってコメントしました。

2015/03/22 「戦争はしない国だと思っていた」――日比谷野音、国会前に1万4000人もの市民が集結~「民主主義を取り戻せ!安倍政権NO!大行動」参加者インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/240127

こうした状況の中で、報道に携わる記者である私が、春の訪れに、鼻歌を思わず歌ってしまうと無防備に書いたのは確かに、不謹慎だと受け取られる表現だったかもしれません。

私自身、私生活においては、鼻歌の出るような状況にありません。

昨年、母が倒れ、長期入院や在宅での介護を必要とするようになって以降、家族ともども、苦しい時間を過ごしてきました。そんな時だからこそ、子育てや仕事という日常をこなすために、つとめて明るく振るまうことを心がけてきました。

また、冬が終わり、ようやく春が来たことで、ふと救われたような気持ちになり、ついつい、鼻歌が出て、そんな自分に気づいて、日刊ガイドの挨拶文にも書いたわけです。春の訪れを喜ぶ文章を書くだけで、叱責を受けなくてはならないのか、さびしい気持ちにもなりましたが、言葉が足りなかったかもしれません。言葉は受け取った方次第ですので、もし、ご不快な思いをした方が他にもいらっしゃいましたら、お詫びいたします。

■心電図、血圧計、ベッド まるで病院の一室!?

岩上さんの健康状態もまた、気が抜けない状況です。

24日に出演したテレビ朝日の「モーニングバード!」や、先日の鳩山由紀夫元総理にインタビューする岩上さんの姿をご覧になった方は、想像していたよりも元気なんだなと思われた方もいらっしゃるかもしれません。

現に、私も見た目は大きく変わらない岩上さんに対し、倒れる前の岩上さんという意識のままで接してしまうこともあります。

しかし、問題がなさそうに見えても、急性症状が現れた時、死に直結するのが唯一、心臓という臓器です。そんな爆弾のようなリスクを抱えている岩上さんですが、着ているシャツを一枚めくれば、お腹には四角い心電図モニターが貼られた痛々しい姿があり、岩上さんのデスクの上には血圧計が置かれ、そして、デスクの背後にはいつでも休むことができるベッドが横たわっています。まるで、病棟の一室が事務所に再現されたような光景です。週に1回休みを取ると宣言していた岩上さんですが、その公約もいまだに実現していません。仕事への復帰宣言以来、結局、休みなく出勤しています。

今、社内では、スタッフで手分けをして、運営業務にあたっているのですが、関わっているスタッフの人数の多さを見ると、これまで、岩上さんが一人で担ってきた運営の責任と実務の量がいかに大きかったか、よく分かります。

それでも、まだまだ、岩上さんがスタッフを叱らなければいけない場面もあり、その都度、岩上さんの血圧は上昇し、昨夜も150/100というヒヤヒヤの数字を記録しました。薬を服用し、血圧をコントロールしているのに、です。

岩上さん自身、どこまで頑張れるのか、どこまでがOKで、どこからが危険ラインなのか、今はまだ手探りで探っている模様です。

IWJの業務はこうして、皆で協力しあいながらも、スローペースに進んでいるのが現状です。みなさまから届いているお問い合わせについてはスタッフが応対していますが、岩上さん個人に対する励まし、お見舞いのメール、また、叱咤激励のメールは、大切に一通一通読ませていただき、これから返信していくところです。返信がまだお手元に届いてない方もいらっしゃると思いますが、大変申し訳ありません。もう、しばらくお待ちいただければと思います。

(後半に続く)…

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.3.26 Thu.**

【Ch2】18:30~「中長期ロードマップの進捗状況に関する会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデントの増田尚宏氏、福島第一廃炉推進カンパニーの川村信一氏、原子力・立地本部長代理 菅野定信氏らが記者会見を行なう。

【IWJ_SHIGA1】14:30~「原子力市民委員会 吉岡斉氏、大島堅一氏、細川弘明氏による三日月大造滋賀県知事との面会および記者会見・面会」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-shiga1
※三日月大造・滋賀県知事と原子力市民委員会との面会と、その後、15:00から行なわれる記者会見を中継します。

【Ch4】16:00~「講演『米韓FTAの現状と課題』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※米韓FTAによる韓国社会への影響や課題などについて、TPP対応汎国民対策会議チーム長 ジュ・ジェジュン氏、全国女性農民会連盟事務局長 キム・ジョンヨル女史らが発言予定。

【再配信・Ch5】18:30~「『同じ思いをする自衛隊員を増やしたくない』米軍と自衛隊が意図的に隠蔽? クウェートで米軍車両にはねられた元自衛官・池田頼将氏が告発」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/130188
※2014年3月20日に収録した、「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」主催の集会を再配信します。
かつてイラク戦争の際、クウェートに派遣された元航空自衛隊員の池田頼将氏が講演しました。

【会員限定再配信】20:00~「『企業』による資源収奪が続くアフリカへ進出する、安倍政権の思惑 ~世界トップクラスのアフリカ研究者・舩田クラーセンさやか氏に岩上安身がインタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/wj/member/limited
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/130483
※2014年3月21日収録の「岩上安身による、世界トップクラスのアフリカ研究者・舩田クラーセンさやか氏インタビュー」を会員限定再配信します。
舩田氏は、モザンビークをはじめとしたポルトガル語圏のアフリカ諸国の研究を精力的に続けている世界トップクラスの研究者です。

~~会員限定配信の視聴方法~~

1,会員限定視聴ページ( http://iwj.co.jp/wj/member/limited )へアクセス
2,登録メールアドレスとパスワードを入力
3,ページに表示されているパスワードを、視聴画面に入力

以上の手順で、ご視聴いただけます。ぜひ、ご覧ください。

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…(前半のつづき)

■ドイツ旅客機墜落 業界責任者、「極めて異例な事故だ」

チュニジアで起きたテロ事件の犠牲者になった3人の日本人の方の遺体が一昨日、成田空港に到着しました。大切な人を遺体で迎え入れなければいけない辛さはいかばかりか。飛行機の映像をテレビで見て、身につまされる思いでした。

そして昨日、飛び込んできた「ドイツ旅客機墜落」のニュース。乗客144人と乗員6人は全員死亡。乗客の多くはドイツ人やスペイン人でしたが、デュッセルドルフ在住の永田敏さんと佐藤淳一さんも事故機に搭乗していたとみられており、そのニュースを耳にした時、言葉にならないショックと悲しみを覚えました。それぞれ、理由や背景は異なるものの、外国で事件や事故に遭遇する日本人の数が増えてきていることに憂慮せざるをえません。

24日に墜落した航空機は、航空大手ルフトハンザ航空の傘下にある格安航空会社・ジャーマンウイングスのエアバスA320型機。「格安」と聞くと、やはり人件費削減などが整備不十分につながり、安全性の低下を生じさせているのでは、という疑問が湧いてきます。

しかし、格安航空会社は「快適性(サービス)」を譲ってはいるものの、安全性が低いわけではないと主張する専門家もいます。格安航空はすべて統一された安全・保守基準に従っているというのです。

直近で言えば、今回の事故は、欧州で起きた格安航空会社の事故としては2件目だといいます。前回は2007年です。航空安全ネットワークの最高経営責任者、ハロ・ランター氏は、今回の事故について、「空の安全の現況を考慮すると極めて異例な事故」だと述べています。

それだけ珍しいと言われる、今回の事故の原因は何なのか。まだ分かっていません。しかし、2014年7月に起きた、東ウクライナ上空でのマレーシア航空機墜落事故からも分かるように、事件性ももしかしたら、否定できないのかもしれません。

■ 安倍首相「我が軍」発言に波紋 菅官房長官も「自衛隊も軍隊だ」

3月20日、安倍総理が参議院予算委員会の質疑の中で、自衛隊を「我が軍」と答弁したことが波紋を呼んでいます。昨日のガイドで、佐々木隼也記者もこの問題について触れていました。

多くの人は、この発言は、口が滑っただけのことでは、と受け止めたのではないかと思います。

ところが、昨日午前に行われた、菅官房長官の記者会見。火消しに回るはずの菅官房長官が開き直るような発言をしました。

「自衛隊は一般的に国際法上は軍隊に該当することになっている。自衛隊が軍隊かどうかというのは、軍隊の定義いかんによるものだ」

さらに、

「自国防衛を主な任務とする組織を軍隊と呼ぶのであれば、自衛隊も軍隊だ」と説明しました。

これまで、「自衛隊は、外国による侵略に対し、我が国を防衛する任務を有するものの、憲法上自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約を課せられており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるものと考えている」という答弁をしていたのは、誰でもなく、安倍総理本人です。自らの発言を、自ら覆したわけです。菅官房長官の発言と併せ考えると、安倍総理の「我が軍」発言はうっかりではなく、確信犯的な発言だったのではないか、と思われます。

これについて、野党である民主党の細野豪志政調会長は、「これまで自衛隊という形で、憲法の枠組の中で積み上げた議論を全部ひっくり返すような話」だと指摘し、維新の党の松野頼久幹事長も、「不安をあおるような言い回しは、気をつけるべきだ」と記者団に答えています。

この頃、政治には日頃興味がない若いママの間で、急速に「戦争」や「改憲」に関する関心が高まってきていると言われています。皮膚感覚で、危険を感じ始める人が増えてきて、地域の勉強会などもあちこちで開かれつつあります。このままいけば、自分の息子が将来、徴兵されるかもしれない、戦争になったら、これまでの生活はどうなるのだろうか、といった危機感が若いママ世代に、芽生え始めているそうです。

そこで、何を手掛かりに勉強したらいいのか、という話になるそうですが、入り口がわからなくてとまどうようです。そういう方には、ぜひ、『前夜』をお読みいただければと存じます。

安倍政権の「戦争する国づくり」の動きを、梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士と岩上さんが、月から計12回に渡って鼎談シリーズを行いました。のべ40時間にも及ぶ動画シリーズを全て観ることは難しいという方には、ぜひ、鼎談の全てを1冊の本にまとめた『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』をご購入いただき、読んでいただければと思います。

【『前夜』のご購入はこちらから】
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=71

私も幼い子供を育てている現役のママの一人として、これからの時代が気がかりでなりません。岩上さんは、多くの人が「戦争なんて、まさか」と思っていた数年前から、「今はもはや戦後ではなく、新たな戦前である」と危機感をもって発信していました。その岩上さんの時代感覚をアンテナに、IWJは、原発問題や消費税問題やヘイトスピーチ問題だけではなく、戦争に向かっての動きがどう動いているのか、最先端の政治状況をレポートしてきました。

そうしたトップランナーとしての報道だけでなく、よくわからない政治オンチ、近現代史オンチ、軍事オンチの若いママ世代にもわかりやすく解説する番組とかテキストも必要なのではないか、そんなことをIWJでは考え始めています。

■わとはぷ!のコーナーです。

1925年の今日、「普通選挙法」(衆議院議員選挙法)が制定されました。それまでの、納税額による制限選挙とは異なり、納税要件が撤廃され、日本国籍を持ち、かつ内地に住む満25歳以上の全ての成年男子に選挙権が与えられることになりました。

有権者の数は改正前は、307万人程度であったことに対し、改正後には1240万人の4倍に激増。この頃はまだ、成年女子に選挙権が与えられることはありませんでしたが、普通選挙法に基づく選挙は1928年から1942年の間に計6回行われました。戦後のGHQによる民主化により、改正衆議院議員選挙法が公布され、全ての成人男女による完全普通選挙がようやく行われるようになったのは、1945年12月です。

選挙権が与えられなかった女性たちが、婦人参政権を求めて、地道な運動を続けてきたと聞いています。その頃の女性たちの動きについて、かつてから興味がありました。未だ、十分に調べるには至っていませんが、日本だけに関わらず、欧米社会でも見られた女性参政権を求める、女性によるデモや運動について機会があれば、ぜひ、調べてみたいと思っています。

では、長くなってしまいましたが、今日も一日、IWJをごひいきに。どうぞ、よろしくお願いいたします!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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