日刊IWJガイド・非会員版「10月は残り4日となりましたが、今月のご寄付の目標額まであと15万2400円が必要です! どうかIWJをご支援ください!」2023.10.28日号~No.4056号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~10月は残り4日となりましたが、今月のご寄付の目標額まであと15万2400円が必要です! さらに累積した赤字の返済と、金融機関からの借入の返済まであわせた毎月の目標額613万円までは、あと228万2400円が必要です! 赤字転落回避のため、どうか、IWJ会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

■IWJのYouTubeチャンネル『Movie Iwj』の登録者が7万人台に乗りました。昨年は5万人台で推移、2023年が始まった時は、6万3651人でしたが、少しずつですがご登録いただけるようになりました。ありがとうございます! 10万人突破をめざします! 皆さま、ご登録をお願いします!

■ガザへ目を奪われている間に世間の関心が薄れていたウクライナ戦線では、見のがせない重要な動きが!! ウクライナ東部戦線のアウディーイウカをめぐり、ウクライナ軍とロシア軍の間で、現在、激しい戦闘! 戦略的に重要なアウディーイウカの攻防戦は、死闘が繰り広げられた「第2のバフムート」になるか!?

■【中継番組表】

■3週間ぶりに米下院議長の不在が解消される! 新下院議長はトランプ前大統領の強力な同盟者とされるマイク・ジョンソン氏】バイデン政権が要求する1060億ドルのウクライナ=イスラエル支援に対抗して、さっそく、共和党上院議員らは、ウクライナ支援とイスラエル支援は分けるべきだとして、イスラエル支援だけを取り上げた「2023年イスラエル追加歳出法」を提案! 米国の債務残高は急増!(『ヒル』、26日ほか)

■2006年安田種夫さん不審死事件をめぐり、遺族が警視庁大塚警察署に告訴状を提出すると、大塚警察署は異例のスピード受理で、いよいよ再々捜査へ! しかし、今回の告訴状受理は岸田総理が国会対策と選挙対策のために指示した「時間稼ぎ」であり、「警察はやる気がない」と、元朝日新聞記者の佐藤章氏が『YouTube』上で暴露! 義憤の告発を行った佐藤誠元警部補は、『週刊文春』で連載を開始、新事実が明らかになるか?

■<号外を出しました!>「ジェノサイドは今起きている!『私達は知らなかった』の言い訳は成り立たない! ~10.23 ガザを知る緊急セミナー『ガザ 人間の恥としての』―登壇:岡真理氏(早稲田大学文学学術院教授)」
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■はじめに~10月は残り4日となりましたが、今月のご寄付の目標額まであと15万2400円が必要です! さらに累積した赤字の返済と、金融機関からの借入の返済まであわせた毎月の目標額613万円までは、あと228万2400円が必要です! 赤字転落回避のため、どうか、IWJ会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 10月も下旬に入り、急に冷え込むようになってきました。

 正念場を迎えているIWJの第14期も、3ヶ月目となります。

 私、岩上安身の訴えにお応えいただき、9月のご寄付・カンパは、804万9400円と、月間目標額の400万円の201%に届きました! また、今期第14期が始まった8月は赤字でしたが、その不足分107万4700円と、9月の目標額400万円をあわせた507万4700円に対しても、159%に届き、2ヶ月連続で赤字をまぬがれています! 目標額を超えた分は、約5000万の累積の借金の返済に回したいと思います。ご寄付いただいた方には、心から感謝いたします。皆さま、本当にありがとうございます!

 10月は、27日までに、206件、384万7600円のご寄付・カンパ(月間目標額の96%)をいただいております! ありがとうございます!

 ご寄付・カンパは、月間目標金額400万円の96%となりました。10月の目標額400万円まで、残り4日間で、あと4%、15万2400円が必要です! 赤字転落回避のため、引き続き、月末まで、どうぞご支援をよろしくお願いします!

 これまでの前期1年間の累積の赤字2200万円(見方を変えると、個人岩上安身からの、会社IWJへの貸し付け)に加え、第14期スタートにあたっての銀行からの新たな借り入れ2500万円を考えると、まだまだ約5000万円近い累積の債務を返済できてはおらず、危機を切り抜けたなどとはとても言えません。

 第13期の2200万円を超える赤字は、IWJ創業以来初めての危機です。これは私、岩上安身1人の力で乗り越えることは困難です。

 今期、第14期からは、支出を徹底的に削り、赤字を出さないだけではなく、黒字分を累積した赤字への返済にあてて、今年は、私からの借り入れ2200万円を返済しきろうとすると、2200万円÷12ヶ月=183.3万円となり、この183.3万円の返済額と、直接の運営のための月間目標額の400万円とを合計すると、毎月583.3万円が必要になります。

 他方、金融機関からの借り入れによって、毎月の返済額も約30万円ずつ7年間にわたると、決して少額ではなく、毎月の返済負担は重いものとなります。前述の通り、毎月、583.3万円が必要であり、それに毎月30万円の銀行への返済額を合計すると、約613万円が毎月、必ず必要となります。そういうわけですので、月額400万円の目標額に到達して、ようやく、その月がトントンということであり、累積した赤字を返済してゆくことは、それだけでは足りないということです。

 今月10月は、月々の返済まで含めた月間目標額約613万には、あと37%、228万2400円足りません!

 どうか、月400万円を超え、613万円近くにまで達するよう、皆さまの応援、ご支援をよろしくお願いします。

 皆さま、どうぞ今こそ、IWJの救済のために、ご支援をよろしくお願いします!

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料サポーターの皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、米国に忖度し、隷従を深める日本政府、大手主要メディアの、連日の「情報操作」の積み重ねの恐ろしさと、権力に忖度しないで真実をお伝えする独立メディアの意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 今後とも、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

 岩上安身

■IWJのYouTubeチャンネル『Movie Iwj』の登録者が7万人台に乗りました。昨年は5万人台で推移、2023年が始まった時は、6万3651人でしたが、少しずつですがご登録いただけるようになりました。ありがとうございます! 10万人突破をめざします! 皆さま、ご登録をお願いします!

 IWJがYouTubeにアカウントを初めて登録したのが、2012年1月4日、これまでにアップした動画は1万本を超えます。21年分を均せば、毎年3000人から3500人の方にご登録いただいてきたことになります。これは1日10人弱のペースです。

※Movie Iwj
https://www.youtube.com/@IWJMovie

 近年は、まさに一大YouTubeブームで、さまざまなチャンネルが次々と開設され、IWJも埋没しかけて苦戦してきましたが、今年は1月1日から10月20日まで、1日あたり20名の方にご登録いただくペースになっていました。

 1月1日時点での登録者数の推移を見ると、2012年にチャンネルを開設して1年後の2013年は418人、2014年1410人、2015年2444人、2016年4522人、2017年6052人、2018年1万2616人、2019年1万8388人、2020年3万2797人、2021年5万3479人、2022年5万8366人でした。

 10月20日の登録者は6万9710人でしたが、27日は7万377人となり、この1週間で677人、毎日100人近くの方にご登録いただき、これまでの5倍のペースに加速しました。

 また、IWJのYouTubeコンテンツを探すキーワードとして、1位の「岩上安身・IWJ」に続き、2位に「イスラエル・ヒューマンアニマルズ」が浮上してきました。

 この1週間で反響が大きかった番組は、26日にYouTubeライブでお届けした「政権交代を実現する会」結成大会で、配信後1日で視聴数3万回を突破、2日で4万回を超えると思われます。

 久しぶりの小沢一郎氏の登壇、白井聡氏の講演、そしてなんといっても、岸田政権の内閣支持率が30%そこそこなのに、ふがいない野党に業を煮やしている人々の期待が、一気に集まったのではないでしょうか。

 この「実現する会」の結成大会は、公益性に鑑み、少なくとも1ヶ月はフルオープンで公開することに決定しましたので、ぜひ、御覧になっていない方は御覧いただき、御覧になった方は周囲の方々やSNSで呼びかけてください。

 なお、IWJのYouTubeチャンネル、『Movie Iwj』のチャンネル登録も呼びかけの際には、お忘れなく! IWJへの会員登録もあわせてアナウンスお願いします!

※【ライブ配信 10/26】「政権交代を実現する会」結成大会 ―登壇: 立憲民主党 小沢一郎 衆院議員ほか(Movie Iwj、2023年10月26日)
https://www.youtube.com/watch?v=5u0R_p-DcCA

 岩上安身による小沢一郎氏への単独インタビュ―は、下記のURLからご視聴いただけます。会員登録をしていただいて、両名の若い姿も、ぜひ、この機会に御覧ください。

※岩上安身による単独インタビュー 第80回 ゲスト小沢一郎衆議院議員 2010.12.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/692

 続いて、早稲田大学大学院文学研究科教授である岡真理氏が、20日に、京都大学吉田南キャンパスで行った「緊急学習会 ガザとはなにか」は、ツイキャスで生中継した後、YouTubeにアップしましたが、大きな反響を呼びました。ツイキャスで生中継している段階から、どんどんと視聴数が伸び、5000回を超えるという異例の事態でした。

 10月7日にハマスがイスラエルに奇襲攻撃をかけ、多くの国際機関やアラブ諸国などから「民族浄化、ジェノサイド」だと非難を受けながら、イスラエルが過激なハマス殲滅作戦と称して、パレスチナの人々を殺害し、追放しようとしているという危機的な時期だけに、大きな注目を集めた、といえますが、何よりも明晰で真摯な岡教授のお話が、視聴する人々の共感を呼んだといえます。

 岩上安身は、これまでに岡真理教授に複数回インタビューを行っています。こちらもどうぞあわせて御覧ください。

※(1)「緊急学習会 ガザとはなにか」―登壇 岡真理 早稲田大学大学院文学研究科教授(Movie Iwj、2023年10月24日)
https://www.youtube.com/watch?v=8TtXbIi446I&t=59s

※同(2)
https://www.youtube.com/watch?v=VVL1r6DJQSw&t=17s

※同(3)
https://www.youtube.com/watch?v=BhUQV7JRBxQ&t=30s

※同(4)
https://www.youtube.com/watch?v=NW0Q4TIejnM&t=14s

※【第165-169号】岩上安身のIWJ特報!何よりガザ封鎖解除を 尊厳ある生への戦い~京都大学教授・岡真理氏インタビュー 2014.9.30
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/172310

※「今度は、日本がガザを殺す立場になる」日本とイスラエルの協調姿勢を糾弾、「暴力の根源」を探り解決を見出す必要性 ~京都大学教授・岡真理氏に岩上安身が聞く~岩上安身によるインタビュー 第514回 ゲスト 岡真理氏 2015.1.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/227872

※(再掲)ガザ封鎖と民族浄化「パレスチナ人は芝のように刈られる」~岩上安身によるインタビュー 第442回 ゲスト 岡真理・京都大教授 2014.7.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/157429

※岡真理教授のご講演の取材などは以下から御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/open/?s=%E5%B2%A1%E7%9C%9F%E7%90%86&area

 岡教授への岩上安身のインタビューは、御覧の通り、2013~14年に集中しています。これはガザ侵攻が行われたからですが、この時、同時にウクライナではユーロマイダン・クーデターと、ロシア語話者への差別・暴力・迫害・民族浄化が始まって、ロシア語話者の多い東南部ではドンバス紛争という内戦に突入していました。

 ガザとウクライナの紛争が、2013~14年と、2022~23年にかけて、2回も重なって起こったのはなぜなのか、2014年時点にまで立ち返ってみなければ、現在の事態がわかりません。

 大手メディアや一部のフリーランスが、なぜウクライナ紛争理解において、まんまと欧米のプロパガンダにのってしまっているのか、偏向し、間違った報道を続けているのか、それはそこに至るまでの「歴史的事実」を学んでいないからだ、ということもよくわかります。

 続いて、「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」では、元経産官僚の古賀茂明氏が講演、江戸文化研究者で法政大学第19代総長を務めた田中優子氏、漫画家の東村アキコ氏、日本女医会会長の前田佳子氏がパネリストとして登壇、司会は望月衣塑子氏と杉浦ひとみ氏でした。

※【ライブ配信 2023年10月22日】シンポジウム「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」―登壇:古賀茂明氏(元経産官僚)東村アキコ氏、田中優子氏、前田佳子氏(Movie Iwj、2023年10月22日)
https://www.youtube.com/watch?v=AIIPoz_rOH8

 神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏が、19日に衆議院第一議員会館で講演した「日本の没落」も、大変ご好評でした。

※【1】院内集会「日本の没落」―登壇:内田樹氏(神戸女学院大学名誉教授)(Movie Iwj、2023年10月25日)
https://www.youtube.com/watch?v=lasZw_ArkJs

※同【2】
https://www.youtube.com/watch?v=nzT_GRMfjGc

※同【3】
https://www.youtube.com/watch?v=dzuI2tnQ6Z8&t=24s

 いずれも、ぜひ、周囲の方々やSNSで評判を拡散なさってください!

 そして、『Movie Iwj』へのチャンネル登録、好評価ボタンのPushも忘れずに!

 また、IWJへの会員登録も、ぜひ、皆さん、よろしくお願いします!

■ガザへ目を奪われている間に世間の関心が薄れていたウクライナ戦線では、見のがせない重要な動きが!! ウクライナ東部戦線のアウディーイウカをめぐり、ウクライナ軍とロシア軍の間で、現在、激しい戦闘! 戦略的に重要なアウディーイウカの攻防戦は、死闘が繰り広げられた「第2のバフムート」になるか!?

 イスラエル国防軍の空爆と地上軍侵攻へ注目が集まる一方で、世間の関心が薄れていたウクライナの戦況ですが、広く東南にのびた戦線の東端、東部戦線では今、激戦が続いています。

 2014年に始まったドンバス戦争中に、ウクライナ軍により軍事要塞化された都市、アウディーイウカをめぐり、この都市を支配するウクライナ軍とロシア軍の間で、現在、激しい戦闘が行われています。

 ちなみに、ドンバス紛争中に、軍事要塞を築いてきた、ということは、ウクライナ軍はその時点から、対ロシア戦を準備していた、ということになります。こうしたことは、めったに指摘されることはありません。

 アウディーイウカ(ウクライナ軍の支配下)は、2022年10月にロシアに編入されたドネツク人民共和国の都市で、ドネツク市(ロシア軍の支配下)の北15キロ、バフムート(ロシア軍の支配下)の南に位置しています。アウディーイウカの西には、石炭炭鉱の都市、ポクロフスク(ウクライナ軍の支配下)があり、北西には産業都市、コスティアンティニフカ(ウクライナ軍の支配下)があります。

 13日付『ニューヨーク・タイムズ』によると、アウディーイウカでの戦闘が激しくなってきたのは、10月10日からです。攻めているのはロシア軍です。同日付『ニューヨーク・タイムズ』は、ロシア軍の攻撃を次のように伝えています。

 「ウクライナ当局者によると、戦車や装甲車に支援されたアウディーイウカへの攻撃には、最大3個大隊のロシア軍が関与していたという」。

※Fierce Fighting Flares Around Eastern Ukrainian Town of Avdiivka(ニューヨーク・タイムズ、2023年10月13日)
https://www.nytimes.com/2023/10/13/world/europe/ukraine-russia-war-avdiivka.html

 1個大隊の編成人数は、現代では、500~600人ですから、ロシア軍は、この短い期間に、最大で1800人程度の兵力をアウディーイウカ攻撃に投入していることになります。

 これを迎え撃っている「ウクライナ軍は、空爆と絶え間ない砲撃によって持ちこたえ、原料炭工場の敷地を要塞として利用し、周辺に塹壕や壕を掘っている」といいます。

 13日付『ニューヨーク・タイムズ』は、アウディーイウカの攻防を、ウクライナ軍が苦戦している南部戦線に例えて、こう述べています。「ウクライナ軍が南部のロシアの手強い防衛線を突破するのに苦労しているのと同様に、ロシア軍がアウディーイウカ周辺のキエフの厳重に要塞化された陣地を制圧するのは容易ではない」。

 ロシア軍の攻撃の激しさは、13日付『BBC』がよく伝えています。

 「第59旅団に所属するセルヒイ・チェコウスキー氏はBBCの取材に対し、『ロシアは広範囲で攻撃を展開している』と語った。『侵攻開始以来、(アウディーイウカ周辺で)このような集中攻撃に対処したのは初めてだ。ロシアは複数のロケットランチャーや迫撃砲、戦車、歩兵隊を使っている。全て一度にだ』」

 「『平均して、町を狙った迫撃砲やロケット弾による激しい砲撃が50~60回あった』と、アウディーイウカ軍事本部トップのヴィタリイ・バラバシュ氏は語った。『軍事拠点だと1日に少なくとも500~600回攻撃されている』。(中略)『攻撃は止まらない。昨日は日中に20回の空爆があった。夜にはKAB-500爆弾が街に落とされた』」。

※ウクライナ東部の要衝アウディーイウカで激戦 ロシアが包囲狙う(BBC、2023年10月13日)
https://www.bbc.com/japanese/67097770

 なぜアウディーイウカでの攻防が、激しくなっているのでしょうか?

 しかも、ロシア軍によるアウディーイウカへの総攻撃は、今回で、3回目になるのです。

 多くの識者やメディアは、ウクライナ軍、ロシア軍の双方にとって、アウディーイウカは、戦略的・象徴的な重要な意味があるとしています。

 たとえば、13日付『BBC』は、前線を後退させて軍事通信ハブとしてアウディーイウカをロシア軍が使用するためと解説しています。

 「ドネツクは2014年以降、ロシア軍と親ロ派の部隊に占領されているが、前線に近すぎるため、この街を主要な軍事通信ハブとして使うことができていない。アウディーイウカを掌握することで、占領軍は前線を後退させることができるという」。

※ウクライナ東部の要衝アウディーイウカで激戦 ロシアが包囲狙う(BBC、2023年10月13日)
https://www.bbc.com/japanese/67097770

 また、13日付『ニューヨーク・タイムズ』は、「ロシアのアウディーイウカでの攻撃は、ウクライナ南部の反攻に数ヶ月を費やしたモスクワが、戦争の主導権を取り戻そうとしていることの表れかもしれない」と述べ、ウクライナ軍最高司令部は、「ロシアが(アウディーイウカを)占領すれば、近隣の大都市ポクロフスクやコスティアンティニフカへの道が容易になる地域防衛の要」と見ていると報じています。

※Fierce Fighting Flares Around Eastern Ukrainian Town of Avdiivka(ニューヨーク・タイムズ、2023年10月13日)
https://www.nytimes.com/2023/10/13/world/europe/ukraine-russia-war-avdiivka.html

 こうした軍事戦略上、アウディーイウカは重要だという見立てがある一方、アウディーイウカの攻略と防衛は、どちらにとっても政治的象徴として重要だという見方もあります。

 ウクライナ軍にとって、これまでロシア軍の攻撃をことごとく跳ね返してきたアウディーイウカは、難攻不落の要塞として「抵抗」の象徴として重要であり、ロシア軍にとっては、ここを陥落させることで東部戦線の流れを一気に変えられる重要な攻略目標と考えているという見方です。

 ただ、一部で懸念点としてあげられているのは、ワグネルを投入して、死闘の末にようやく陥落させたバフムートと同じように、アウディーイウカが、人的損耗の大きかった「第2のバフムート」になるとする見方も現在、出ていることです。例えば、10月11日付『時事通信』がそうです。

 「ウクライナのメディアなどは10日、ロシア軍が東部ドネツク州アウディーイウカに同日朝から総攻撃を行っていると伝えた。アウディーイウカは、親ロシア派の拠点都市ドネツクから北に約15キロの最前線に位置。ロシア軍による包囲が進んでおり、州内の激戦地になぞらえて「第2のバフムト」と化する恐れがあると懸念されている」。

※ウクライナ東部で総攻撃=包囲進むアウディーイウカロシア軍(時事通信、2023年10月11日)
https://sp.m.jiji.com/article/show/3069728

 しかし、このアウディーイウカが、「第2のバフムート」になる」という見方は、今出てきたのではありません。早くも今年3月の時点で、英国防省から同様の指摘が出ていました。バフムート陥落は、2023年5月20日ですから、バフムート陥落前から出ていたのです。

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◆中継番組表◆

**2023.10.28 Sat.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2023.10.29 Sun.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】18:30~「NO!PFAS 健康と未来のための国分寺市民集会 ―内容:諸永裕司氏(ジャーナリスト)『PFAS・人体汚染と汚染源』、証言『PFAS汚染と私たち』ほか」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「PFAS汚染を考え、安心で住みやすい国分寺を創る市民の会(PFAS国分寺市民の会)」主催の集会を中継します。これまでIWJが報じてきた、PFAS関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/pfas

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◆中継番組表◆

**2023.10.30 Mon.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

【IWJ号外】トルコのエルドアン大統領がイスラエルのテロ組織のような非人道的行動を「決して認めない」と批判! ハマスを「テロ組織ではなく、領土と国民を守る解放派戦士のグループ」だと擁護!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519357

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■3週間ぶりに米下院議長の不在が解消される! 新下院議長はトランプ前大統領の強力な同盟者とされるマイク・ジョンソン氏】バイデン政権が要求する1060億ドルのウクライナ=イスラエル支援に対抗して、さっそく、共和党上院議員らは、ウクライナ支援とイスラエル支援は分けるべきだとして、イスラエル支援だけを取り上げた「2023年イスラエル追加歳出法」を提案! 米国の債務残高は急増!(『ヒル』、26日ほか)

 25日、米下院は新議長を選出し、3週間と1日に渡った下院議長の不在を埋めることにようやく成功しました。次期下院議長は、マイク・ジョンソン氏(51歳、共和党、ルイジアナ州選出)、トランプ前大統領の強力な同盟者とされています。

 ジョンソン氏は共和党下院議員らの全会一致の支持220票を得て、民主党下院トップのハキーム・ジェフリーズ院内総務(52歳、ニューヨーク州選出)の209票を上回りました。

 ジェフリーズ議員は昨年2022年11月30日、ナンシー・ペロシ氏の後を引き継いで民主党のトップに選出され、「連邦議会で黒人史上最高位」に就任したと話題になりました。

 つなぎ予算の採択で、共和党内の強硬派の要求を排除したケビン・マッカーシー下院議長を10月3日に、共和党下院議員8名が追放したあと、次の下院議長の選出は難航しました。最初に共和党多数派で下院内総務のスティーブ・スカリース氏(ルイジアナ州選出)、次に共和党強硬派で司法委員会委員長ジム・ジョーダン氏(オハイオ州)、そして共和党内多数派のトム・エマー氏(ミネソタ州)が名乗りを上げましたが、いずれも支持を得ることはできませんでした。

 『ヒル』は26日付で、「マイク・ジョンソン新議長が直面する5つの課題」という記事を出しました。著者のナイル・スタネージ氏によると、「5つの課題」とは以下の通りです。

課題1)下院議長選で分裂した下院共和党をまとめることができるか?

 共和党は、ケビン・マッカーシー下院議長の解任で分裂し、いがみ合っている。ジョンソン氏は、少なくとも全会一致を得たという大勝利によって、道義的権威をもっているが、分裂の傷は深い。

課題2)次の予算審議の期限11月17日までに合意をまとめ、政府機関の閉鎖を回避できるか?

 議長選のために3週間を費やし、残り時間は少ない。だが、今のところ「合意に達する前兆はほとんど期待できない」。共和党は歳出削減と国境警備のための資金増額を望んでいるが、上院多数の民主党は、この要求に対して否定的である。

課題3)終結の見通せないウクライナへの支援をどうするのか?

 ウクライナ紛争は20ヶ月が経過したが、終結の見通しは立っていない。米国民のウクライナへの支持はまだあるが、ウクライナへの支援は「党派色が強く」なっており、「共和党有権者と共和党選出の議員、特に党の極右派の人々がますます懐疑的になっている」。

 エコノミスト/ユーガブの世論調査(25日)によれば、共和党有権者の38%が、米国によるウクライナへの援助削減を望む一方、援助削減を望む民主党員は11%であった。ジョンソン氏自身は、ウクライナ政府が資金の使い方についてより「透明性」を持つ必要があると示唆している。

 バイデン大統領は、ウクライナへの支援とイスラエルへの支援などをまとめて1060億ドルの追加要求している。ジョンソン氏も、イスラエルへの追加支援を強く主張している。

課題4)トランプ前大統領との緊密な関係が、民主党の攻撃対象になるのではないか?

 ジョンソン氏は2020年選挙後の混乱期にあって、トランプ氏の選挙不正に関する主張を支持していた。これは、民主党にとって、格好の標的となるだろう。

課題5)下院における共和党の過半数を維持できるか?

 下院は共和党221議席、民主党212議席でその差はわずか9席、ジョンソン氏の下院議長としての立場は脆弱である。2020年にバイデン氏が勝利した選挙区から出馬する共和党議員18名が再選するのは容易ではない。

 米下院議長といえば、副大統領に次ぐ、第3位の大統領権限継承者ですが、ジョンソン氏は知名度があまり高くはありません。

 26日付『ブルームバーグ』は、ジョンソン氏は「2020年の大統領選で不正に勝利を奪われたとするトランプ氏の主張を中心となって支持していた人物」で、「トランプ氏が大統領選に当選した2016年に下院議員に初当選した」と紹介し、「共和党の右傾化は鮮明」だと論じています。

※5 challenges facing new Speaker Mike Johnson(The Hill、2023年10月26日)
https://thehill.com/homenews/house/4275577-speaker-mike-johnson-five-challenges/

※米下院議長にトランプ氏寄りのジョンソン氏、共和党の右傾化鮮明(ブルームバーグ、2023年10月26日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-25/S33KOTT0G1KW01

※米下院民主党トップにジェフリーズ議員、連邦議会で黒人史上最高位に(ジェトロ、2022年12月2日)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/12/a6b0b20c8bc0c5ab.html

★こじれにこじれた米下院議長の選出は、初当選が2016年という、キャリアの浅い無名のマイク・ジョンソン氏に落ち着きました。共和党多数派の候補も強硬派の候補も党内の票をまとめられず、いわば「消去法」で、敵の少ないジョンソン氏が選出された、というわけです。

 26日付『ロイター』によると、ジョンソン氏は、共和党内の下院議員らに書簡を送り、「期限を過ぎた支出法案を推進し、現在の資金が11月17日に期限切れになっても米政府が閉鎖されないようにすることを誓」い、演説では「国境警備を優先し、33兆ドルの国家債務への取り組みを検討する超党派の委員会を設立する」と述べました。

※Republican Mike Johnson elected US House speaker, ending leadership vacuum(Reuter、2023年10月26日)
https://www.reuters.com/world/us/us-house-republicans-hope-johnson-will-fill-long-leadership-vacancy-2023-10-25/

 上記『ヒル』は5つの難題を掲げましたが、難度が高く、重要性も高いのが「課題3)終結の見通せないウクライナへの支援をどうするのか?」でしょう。

 バイデン政権は、多くの共和党議員が消極的なウクライナ支援をなんとかねじ込もうと、共和党議員が全面的に支持するイスラエル支援、さらに共和党強硬派が求める米・メキシコ国境警備強化の合わせ技で、1060億ドル(16兆円)という巨額の緊急予算案を通そうとしています。

 21日付『ブルームバーグ』は、「20日に詳細が明らかになった追加予算要求には、ロシアの侵攻を受けているウクライナへの1年分の支援614億ドル、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスから攻撃を受けたイスラエルの防衛増強費143億ドル、パレスチナ住民への大規模支援を含む人道支援100億ドルが含まれる」と報じました。

・ウクライナへの1年分の支援614億ドル
・イスラエルの防衛増強費143億ドル
・パレスチナ住民への人道支援100億ドル
・米・メキシコ国境警備と合成オピオイドのフェンタニル密売取り締まりに136億ドル
・台湾などインド太平洋地域のパートナー国・地域への支援を含む、その他の国家安全保障上の優先事項として74億ドル

※バイデン政権、1060億ドル予算要求-ウクライナやイスラエル支援など(ブルームバーグ、2023年10月21日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-20/S2U148T0G1KW01

 ジョンソン氏は、共和党議員らが歓迎するであろう国境警備やイスラエル支援はともかくとして、全体の半分以上を占める巨額のウクライナ支援に対して、どのように取り組むのでしょうか。

 26日付『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、共和党上院議員らのグループが、バイデン政権が提案した1060億ドルの予算案とは別に、ウクライナ支援を除外し、イスラエルに数十億ドルの援助を送る単独法案を提出した、と報じました。共和党上院議員らのイスラエル法案は「2023年イスラエル追加歳出法」と呼ばれ、143億ドルの援助を提供することになります。

 法案を提出した共和党上院議員のグループは、イスラエル支援を分離することで、下院での支援の行き詰まりを防ぐことができると主張しています。現状、下院ではウクライナ支援に資金提供に反対する共和党議員の数が半数以上を占めているからです。

 法案を支持しているロジャー・マーシャル上院議員(共和党、カンザス州選出)は、「同僚も私も、イスラエルへのいかなる援助も、ウクライナに数百億ドルを送金するための『てこ』として利用されるべきではないと強く信じている」と述べました。

 ジョンソン新下院議長のもと、すでに下院は活動を再開しており、米国がイスラエルとともにハマスに対抗するという決議案を即座に可決しましたが、イスラエル支援とウクライナ支援は分けて考えるべき、という姿勢を打ち出しており、ウクライナ支援を含むバイデン政権の提案を受け入れるかどうかはわかりません。

※GOP Senators Propose Bill Splitting Off Israel Aid From Ukraine Funding(The Wall Street Journal、2023年10月26日)
https://www.wsj.com/politics/national-security/gop-senators-propose-bill-splitting-off-israel-aid-from-ukraine-funding-652e97b3

 共和党は、多くの議員がウクライナ支援に反対しているだけではなく、膨らみ続ける財政赤字を前に、政府の支出をなんとか削減しようとしています。

 米国の財政赤字拡大は、止まりません。20日付『ロイター』は、米財務省が20日に公表した、2023会計年度(2022年10月から2023年9月まで)の財政収支は、1兆6950億ドル(約254兆円)の赤字であったと報じました。この赤字額は、新型コロナウイルスのパンデミックに対して大規模な経済対策を行なった2020年度、2021年度に続く、過去3番目の大きさです。

 『ロイター』によると、赤字額は前年度から23%拡大し、新型コロナウイルスのパンデミック以降、最大となりました。歳出が激減する一方、社会保障費やメディケア費、連邦債務の利払い費が記録的水準に達した、ということです。

 歳入は前年度から4570億ドル(9%)減の4兆4390億ドル、歳出は前年度比1370億ドル(2%)減の6兆1340億ドルでした。

 社会保障費は、インフレ調整に伴い、10%増の1兆4160億ドル、高齢者向け公的医療保険「メディケア」の歳出は、4%増の1兆2200億ドル、33兆ドルを超える連邦債務の利払いコストも急増し、23%増の8790億ドルと過去最高を記録した、ということです。

 日本財務省は、IMFの『ワールド・エコノミック・アウトルック』(2023年4月)をベースに、米国の2023年の債務残高GDP比は122.2%になるとの推計を公開しています。米国の政府総債務残高の金額は、33兆ドル(4960兆円)になります。2003年には6.7兆ドルでしたから、20年で5倍に膨らんだことになります。

 日本の債務残高GDP比は258.2%と、比率で言えば米国の2倍以上、「G7諸国のみならず、その他の諸外国と比べても突出した水準」ですが、実額で見ると、普通国債残高は1068兆円で、米国の4分の1以下です。いかに米国の債務残高が大きいかが、わかります。

※米財政赤字、23年度は23%増の1.7兆ドル コロナ禍以降で最大(ロイター、2023年10月20日)
https://jp.reuters.com/article/usa-budget-idJPKBN31N01A

※債務残高の国際比較(対GDP比)(財務省、2023年6月30日)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/007.pdf

※アメリカの政府総債務残高の推移(世界経済のネタ帳、2023年10月11日)
https://ecodb.net/country/US/imf_ggxwd.html

 前途多難のジョンソン新下院議長ですが、バイデン政権による1060億ドル予算要求に対して、残り半月余りでどのように対処するのか、注目されます。

■2006年安田種夫さん不審死事件をめぐり、遺族が警視庁大塚警察署に告訴状を提出すると、大塚警察署は異例のスピード受理で、いよいよ再々捜査へ! しかし、今回の告訴状受理は岸田総理が国会対策と選挙対策のために指示した「時間稼ぎ」であり、「警察はやる気がない」と、元朝日新聞記者の佐藤章氏が『YouTube』上で暴露! 義憤の告発を行った佐藤誠元警部補は、『週刊文春』で連載を開始、新事実が明らかになるか?

 9月13日の内閣改造で、木原誠二官房副長官が退任して以来、政治的立場・権力を利用して、自らの妻が関与したとされる事件の再捜査を妨害した疑惑、いわゆる「木原事件」に関する報道は大きく減りました。

 しかし、木原氏の妻の元夫で、2006年4月9日に不審死を遂げた安田種雄さんの遺族が10月18日に刑事告訴に踏み切り、再びこの問題は新展開を見せています。

 告訴人は、種雄さんの父母、姉2人の4人です。告訴の趣旨は殺人罪、被疑者にあたる被告訴人は〈不詳〉、とされました。告訴状の宛先は、事件発生当初に捜査を担当した警視庁大塚警察署の署長です。

 『週刊文春』は25日、安田さんの遺族への独自取材から、告訴状が受理された、と速報を出しました。通常、刑事告訴の場合、告訴状が出されてから受理までは1ヶ月以上かかるとされていますが、警視庁は25日、迅速に1週間で告訴状を受理しました。

 『週刊文春』によると、安田さんの父は、告訴状が受理された喜びを以下のように語っています。

 「今日のことが気になって眠れず、今朝も2時に起きてしまいました。いつ受理されるのか、半年先になるのか、1年先になるのか、また長引いたらどうしようと、ずっと不安でした。それがこんなに早く受理されるとは。本当に信じられない思いです。弁護士先生を信じてここまでこれてよかった」

※《速報》「木原事件」をめぐり警視庁大塚署が安田種雄さん遺族を呼び出し〈被疑者不詳の殺人〉告訴状を受理し、再捜査へ(週刊文春電子版、2023年10月25日)
https://bunshun.jp/articles/-/66625

 『週刊文春電子版』は10月18日付で、種雄さんの遺族が8月下旬に事件現場を訪ねた際の談話を公開しています。安田さんの長姉は「これから、私たちが再捜査を求めるために刑事告訴をしていくことなども考えると、一度、自分たちの目で現場を見たほうがいいと思いました」と述べ、すでにこの頃から刑事告訴を考えていたことがわかります。

 『週刊文春電子版』は、告訴状の一部を公開しています。それによると、「時的限界なく犯人検挙のための捜査を求めることが許されなければならないし、かかる告訴人らの行為を阻害することが許されるのであれば、我が国の刑事司法は最早死んだも同然」と訴えています。

 種雄さんの次姉は、刑事告訴に踏み切った動機を「警察庁長官は『事件性はない』とまで言っている。警察を動かし、再捜査を進めてもらうためには、もはや刑事告訴しかありませんでした」と述べています。

 遺族代理人の勝部環震(たまき)弁護士は、告訴状の宛先を検察ではなく、大塚警察署にした理由を、検察は独自の捜査能力がなく、「事件当時のことを一番知っているのは大塚署」だから、と説明しています。

 遺族による告訴状が受理されれば、警察は捜査を尽くして検察に報告する義務が生じます。警察庁の露木康浩長官は7月13日、安田種雄さんの不審死事件について「事件性なし」、自殺と述べましたが、「もしそう(自殺)ならば、その証拠を揃えなければならない」と『週刊文春電子版』は論じています。

 木原氏は7月、『週刊文春』の「木原事件」報道を受け、事実無根と主張しました。露木長官の「事件性なし」発言に、義憤を抱いた佐藤誠元警部補が、『週刊文春』誌上で実名告発しました。佐藤元警部補は、2018年の再捜査時にX子さんの取り調べを担当していました。

 佐藤元警部補の告発から、タクシーのドライブレコーダーに木原氏がX子さんに「手を回しておいた」と話した記録が残っていること、X子さんの取調べを「国会召集日までに終わらせろ」と捜査幹部に要求していたことなどが、明らかにされました。

 佐藤元警部補は、2018年の再捜査は「異常な終わり方」だったと振り返り、木原氏の政治的な圧力があったことを示唆しました。

※「木原事件」遂に刑事告訴! 遺族が明かす決断の訳 《新証拠》事件直後の警察との音声データ(週刊文春電子版、2023年10月18日)
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7139

 安田種夫さんの不審死事件をめぐる、遺族の告訴状が警視庁に受理されたことによって、同事件の解明に向けて、これから始まる再々捜査が政府への忖度なく、また政治権力からの介入もなく、事件の真相を解明してもらいたいと願います。

 佐藤元警部補は、10月9日から『週刊文春』誌上で連載を始めています。連載の第2回(16日)で、佐藤元警部補は、安田種夫さん不審死事件は「立件票交付事件」だと指摘しています。

 「立件票とは事件性が疑われる事案に際して検察が交付するもので、必ず番号が付記される。立件票が交付されれば、警察は捜査を尽くし、事件性の有無を明記した総合捜査報告書を検察に送致するのだ。警察における『立件票交付事件』においては、その捜査報告書を検察が精査して『起訴』や『不起訴』を決定する。つまり、立件票交付事件で警察の側は事件判断する立場にはないんだ」。

 さらに、種夫さんの遺体は行政解剖ではなく司法解剖を受けています。検視官が事件性はない・自殺だと判断すれば行政解剖、事件性があると判断すれば司法解剖が行われます。つまり、種夫さんの不審死事件は、当時検視官が「『事件性がある』と判断したことは間違いない」と、佐藤元警部補は書いています。

 つまり、警察、特に大塚署は、告訴状を受理した以上「捜査を尽く」す必要があるのです。再々捜査ですから、「三度目の正直」であり、今度ばかりは、謎や不可解な点を残さず、捜査を徹底して、真相を解明しきってもらいたいと思います。

※木原事件(2)露木長官|ホンボシ 木原事件「伝説の取調官」捜査秘録 第2回(週刊文春電子版、2023年10月16日)
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7054

 しかし、元朝日新聞記者でジャーナリストの佐藤章氏は26日、『ユーチューブ』上で、告訴状の受理は表面的には大変喜ばしいことだが、「受理したと言ってもそれは表面だけのことで、内実は、警察は捜査やる気ないです」と、暴露しました。

※独走特ダネ解説!木原事件の告訴状受理は岸田首相が指示。国会対策、選挙対策が目的。その裏にある政治家達の思惑とは?元朝日新聞・記者佐藤章さんと一月万冊(一月万冊、2023年10月26日)
https://youtu.be/PDubu9N-sx4?si=6H0nBGzIUdKCv6XB

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■<号外を出しました!>「ジェノサイドは今起きている!『私達は知らなかった』の言い訳は成り立たない! ~10.23 ガザを知る緊急セミナー『ガザ 人間の恥としての』―登壇:岡真理氏(早稲田大学文学学術院教授)」

 10月7日に、ハマスがイスラエルに奇襲攻撃をかけ、イスラエルが猛烈な報復攻撃に出ています。ガザ地区に住むパレスチナ人の犠牲者は7000人を超えました。国際社会からも、イスラエルがやっていることは、虐殺であり、民族浄化だという批判が高まっています。

 IWJは、10月23日に早稲田大学で行われた、早稲田大学文学学術院の岡真理教授の講演を取材しました。この講演は、学生有志が主催したもので、動画は主催者が撮影配信していますので、我々はペン取材に徹しました。

 「地上戦がいつ起こるかではなく、今私達が目にしている事態が、すでにジェノサイドである」、「『私達は知らなかった』の言い訳は成り立たない」と語る、岡教授の言葉をぜひお読みください。

 日本のテレビを見ていても、何が起きているのか、真実はまったくわかりません。相変わらずハマスを「テロリスト」扱いにするだけで、ハマスの暴力とイスラエル軍の暴力を同等のレベルで対置する欺瞞的報道、というよりもプロパガンダを続けています。

 岡教授の講演を聴き、あるいは読めば、ハマス・イスラエル戦争の真相と実態がひしひしと伝わってくるはずです。

【目次】
◆「私達は知らなかった」の言い訳は成り立たない
◆「今起きているジェノサイド」「軍事攻撃は何度も繰り返されてきた」
◆「忘却が次の虐殺を準備する」
◆「広島がジェノサイドなら、2014年のガザもジェノサイドだ」
◆非暴力で訴えても世界が耳を貸さないなら、銃を取る以外にどのような方法があったのか?
◆ガザとは「巨大な実験場」である
◆「人間を非人間化する言葉」に呼応する無差別爆撃の中で
◆企業メディアはハマスを悪魔化し、報復攻撃の正当化に奉仕している
◆民間人人質化は戦争犯罪だが、解放のための武力抵抗は国際法上「正当」
◆「ホロコーストをパレスチナ人殺戮に利用するな」と声を上げるユダヤ人
◆国際社会はホローストをパレスチナ人で贖(あがな)い、今もその暴力を行使し続ける
◆人道援助だけやるのは封鎖や占領の「共犯」、必要なのは「政治的解決」

 岡教授の講演取材記事は、後日IWJサイトでも、公開する予定です。その際は、貴重な図版や写真を入れて公開しますので、ぜひ、二度御覧になってください! 拡散もお願いします!

 今回の号外は、公共性に鑑みて、非会員版もフルオープンとしました。非会員の方々も、ぜひともこれを機会にIWJへの会員登録をお願いします!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20231028

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、前田啓)

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