■■■日刊IWJガイド・番組表「『関東大震災 朝鮮人虐殺の記録』を出版した西崎雅夫氏の講演を17時より再配信!9月10日には岩上さんが単独インタビュー!/『保守』候補者ばかりの民進党代表選に、市民ははやくもシラケムード!?」2016.9.6日号~No.1453号~■■■
(2016.9.6 8時00分)
おはようございます。IWJで主にテキスト関係の業務を担当している平山茂樹と申します。
9月2日に告示された民進党代表選挙。蓮舫参議院議員、前原誠司衆議院議員、玉木雄一郎衆議院議員の3人が立候補していますが、野党第一党の代表選であるにも関わらず、盛り上がりに欠けています。現執行部を継承する蓮舫氏の当選が確実視されているからでしょうか。それとも、国民はもはや民進党に露ほども期待していないということなのでしょうか?
必ずしもそうではないだろうと、岩上さん以下、IWJとしては考えています。
盛り上がりにかける最大の理由は、立候補者3人の政治信条に、さして違いがないからではないでしょうか。今のところ、7月10日に投開票された参院選、そしてその後の東京都知事選で実現した共産党を含む「野党共闘」に対し、3人とも否定的な見方を示しています。秋の臨時国会で最大の争点となる憲法改正に関しても、3人とも「積極的に議論すべきだ」としています。
※2016民進党代表選 改憲議論、3候補前向き 9条へのスタンスに差(毎日新聞、2016年9月5日)
http://mainichi.jp/articles/20160905/ddm/002/010/067000c
2010年9月、民主党(当時)政権下において、当時の菅直人総理と小沢一郎衆議院議員によって争われた代表選挙は、TPP交渉参加などで「対米従属」路線に傾くか、それとも政権交代時に国民と約束したマニフェストを守るかという点などで、対立軸が明確になった「世紀の決戦」でした。
投票権をもつ議員、党員、サポーターだけでなく、メディアの注目度、国民の関心の高さも段違いでした。結果は、僅差で菅氏が勝利。民主党は、その後に続く野田佳彦政権とあわせ、「対米従属」路線を加速させ、結果として、2012年末の第2次安倍政権の誕生を準備することになりました。
この時が民主党の分水嶺だったのだなと、今、振り返ってみてつくづく思います。
保育園の待機児童問題で一躍脚光を浴び、政調会長に抜擢された民進党の山尾志桜里衆議院議員は、今回の代表選で、党内きっての「タカ派」であり、自称「国家資本主義者」の前原誠司氏の支持を表明しています。この点に驚きと違和感を感じた人は少なくないと思います。が、実は山尾氏は、2010年9月の代表選では菅氏の推薦人に名前を連ね、小沢一郎氏が陸山会事件で追及されていた際には、「小沢バッシング」に加わったこともありました。また、2011年の衆議院憲法審査会で、「緊急事態条項」の必要性を主張したこともあります。
待機児童問題では、困ったお母さんたちに寄り添う姿勢を示して広く共感を得ていましたが、ご本人の政治思想、前原氏や長島昭久氏と同じように、改憲と、さらには「緊急事態条項」まで容認する「タカ派」議員ではないかと思われます。
岩上さんは、昨年12月25日に行われた民主党(当時)の岡田克也代表への単独インタビューの中で、山尾氏が「緊急事態条項」の必要性を主張していることに触れています。これは、まだ山尾氏が待機児童問題で脚光を浴びる以前のインタビューです。岡田代表の、この時の気色ばみ方も印象に残ります。
このたびIWJでは、このインタビューの中から山尾氏に言及した部分をハイライト動画として切り出し、YouTubeにアップしましたので、民進党代表選の行方とあわせて、ご覧いただきたいと思います。
※【ハイライト動画】山尾志桜里氏が緊急事態条項に賛成と発言!~岩上安身による民主党・岡田克也代表(当時)インタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=acwdIajzBrI&feature=youtu.be
このように、岩上さんのインタビューでは、先々の情勢を見通した発言が数多く飛び出します。ですので、インタビューのアーカイブ動画には、いずれも現在および近未来の情勢とダイレクトに直結するような、貴重な証言が詰まっており、古びていません。
IWJのサポート会員にご登録いただければ、過去すべてのアーカイブ動画が、いつでも好きな時にご覧いただけます。この機会に、会員登録がまだの方は定額会員に、今一般会員の方はサポート会員へのお切り替えをご検討ください。
※IWJ定額会員へのご登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
さて、9月に入り、岩上さんはインタビュー取材を再開する予定です。後段で改めて告知しますが、まずは9月10日(土)に、関東大震災における朝鮮人虐殺に関する大部の証言集を出版した一般社団法人「ほうせんか」理事の西崎雅夫氏にインタビューを行います。どうぞ、ご注目ください!
今から1ヶ月半前、岩上さんは狭心症の発作に1年数か月ぶりに見舞われた他、過労のため(明らかにオーバーワークであり、主治医からドクターストップがかかっていました)持病の睡眠障害や高血圧も悪化。仕事をしていてもたびたび目眩に襲われるなど、体調不良が続いていました。
それでも7月いっぱいは参議院選と注目の都知事選もあり、すでに決まっていたアポイントもあって、全力投球を続けました。8月に入ってから、仕事をセーブしましたが、前半は体調不良の為、まだ苦しい様子でした。
しかし、8月後半からは、蓄積疲労が軽くなってきたようで、運動も開始。8月25日には、午前中から事務所のある六本木-麻布周辺でウォーキングを敢行して、その様子をSNSに連投。その後も、ジムで汗を流したりプールでウォーキングしたりと、根気強く運動を続け、体調の回復と減量にも取り組んでいます。岩上さんいわく、「体を動かすと、その疲労感でよく眠れて、たまっていた疲れが少しずつ抜けていく」とのこと。復活の手応えを感じているそうです。
※2016/08/25【岩上安身のツイ録】再度の心臓発作と酷いめまいに襲われた7月、リハビリの8月を乗り越え「復活」の「都心ウォーキング」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/327750
とはいえ、体調が改善に上向いているというわけではなく、まだ、めまいに見舞われており、油断はできません。ジャーナリストとIWJの編集長と経営者の3つの顔を持つ岩上さんがダウンすれば、IWJの活動は途端に立ちいかなくなります。
先週末、かなりひどいめまいに見舞われたので、週が明けて昨日の月曜日、かかりつけのクリニックに行って首筋へ注射を打ってきたそうです。頸椎に故障があり、頸椎に沿った血管が細くなって血流が悪くなっているため、交感神経を抑制、血管を拡張する治療なのだそうです。スタッフ一同、ハラハラしましたが、夕方、事務所へ戻ってきて仕事を始めたのを見て、ホッとしました。
岩上さんの体調に関しては、IWJ会員の皆さんからもあたたかい激励の声をいただいています。以下、サポート会員の岡山リツコ様からのおたよりを、ご本人の許可を得て掲載します。
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いつもありがとうございます!
岩上さんのインタビューがまた再会しそうと聞いて嬉しいです。またスタッフさんたちの奮闘ぶりにも感謝、メルマガやサイトの記事がいつも充実していて読み応えがあります。
現場の情報的なモノはもちろんダントツに充実していますが、記者さんたちご自身のさまざまな所見や意見が読めるのも大きな魅力です。
今ある問題、課題は多岐にわたっていて、ぜんぶが地続きだと思っています。
しかしやはり、脱原発、安保法案、TPPなど、様々な興味をすべて語り合うようなチャンスは少ないです。(主人とは、たくさん話すようになりました。友人とはまだ難しいです。おしゃれとか仕事の話題のように、ふつうのことあたりまえのこととして語れるようになるのが、今後の課題ですね^^;)
そういうわけで、なかなか意見交換したり、学者さんや役についた人でなく、
ふつうの人感覚の「意見」に触れる機会がないので、記者さんたちの、プロフェッショナルかつ、ふつう目線もちゃんとはいった記事を読むのもいつも楽しみにさせてもらってます。
きょうは、岩上さんの回復の記事があったので、嬉しくて感想を書きました。
お返事などはだいじょうぶですので、お気遣いなく^^。
きょうも少額ですが、送金させていただけます。わたしたちのメディアであるIWJとスタッフのみなさんをもっと支えられるように、わたしもお仕事もがんばります〜
いつもありがとうございます
岡山リツコ
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岡山様には、こうしたお声だけでなく、ご寄付もいただきました。心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。
岩上さんはこれから、自身の体調の回復具合と相談しつつ、インタビューも再開してゆきます。IWJはこれからもより一層、市民の皆さんが真に必要とする情報をお伝えするため、活発な活動を展開してゆく予定ですので、ご寄付・カンパでご支援いただければと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
※ご寄付・カンパはこちらからよろしくお願いいたします
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★本日の「日刊IWJガイド」は以下のラインナップでお届けします!
┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■<★ニュース・フラッシュ!★>九電が三田園鹿児島県知事の要請を拒否/自民・下村博文氏が東京都連会長就任へ/ドイツ・メルケル首相の地元で右派政党が躍進(平山茂樹)
┠■<★本日の配信告知★>荒川の追悼碑を守り続ける一般社団法人ほうせんか代表の西崎雅夫氏の講演会、本日17時から再配信!9月10日は岩上さんがご本人に直撃インタビュー!(ぎぎまき)
┠■<★お知らせ★>つながりあう新自由主義、ヘイトクライム、そして改憲~「みんなで語る『改憲への危機感』」寄稿募集中!「TALK ABOUT DEMOCRACY」Tシャツも絶賛発売中!(平山茂樹)
┠■わとはぷ~What happened today?(平山茂樹)
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◆中継番組表◆
**2016.9.6 Tue.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【ツイキャス・IWJ_OKINAWA1】6:00頃~「政府による高江での米軍ヘリパッド強行建設工事と市民による抗議・集会の模様」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_okinawa1
※沖縄県東村高江から現地の模様を中継します。
【再配信・Ch4】17:00~「関東大震災時・朝鮮人、中国人虐殺・追悼弾圧90周年記念集会 ―講演 西崎雅夫氏(一般社団法人ほうせんか代表)」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※2014年9月収録の、「関東大震災時・朝鮮人、中国人虐殺・追悼弾圧90周年記念集会『90年前、早稲田奉仕園スコットホールで、何があったの?!』」を再配信します。
[掲載記事はこちら] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/168806
【Ch5】18:00~「『共謀罪法国会』開会を前に訴える!~テロ準備法(共謀罪法)絶対反対!民進党は共謀罪法に(日和らず)断固反対せよ!民進党本部前アクション」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※「自由を愛する!市民連合」の呼びかけで行われる民進党本部前アクションを中継します。
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◆中継番組表◆
**2016.9.7 Wed.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会 田中俊一委員長による定例会見を中継します。
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次はぎぎまき記者より、本日の注目配信に関する告知です!
■<★本日の配信告知★>荒川の追悼碑を守り続ける一般社団法人ほうせんか代表の西崎雅夫氏の講演会、本日17時から再配信!9月10日は岩上さんがご本人に直撃インタビュー!
おはようございます。IWJ記者のぎぎまきです。
1923年、関東大震災直後に起きた「朝鮮人・中国人大虐殺」については、本ガイドでも繰り返し触れ、『九月、東京の路上で~1923年関東大震災 ジェノサイドの残響』の著者である加藤直樹氏と、虐殺が起きた跡地をめぐる検証レポートを皮切りに、関連のテーマの取材映像を9月1日から連続で再配信してきました。
本日は、2014年9月13日に行われた「関東大震災時・朝鮮人、中国人虐殺・追悼弾圧90周年記念集会」での、一般社団法人「ほうせんか」代表の西崎雅夫氏の講演の模様を再配信します。
一般社団法人「ほうせんか」とは、93年前の悲劇の実態調査に取り組んできた団体で、西崎氏はその代表を務めるなど、大虐殺の真相究明に献身してきました。また、殺害があった跡地の一つ、東京・荒川に建てられた犠牲者を悼む石碑を守り続けている方でもあり、つい数日前の9月1日には、『関東大震災朝鮮人虐殺の記録: 東京地区別1100の証言』を出版されました。
この本は、虐殺について何かしらの手がかりを知る1100人から証言を集めた、フィールドワークの総まとめです。23区それぞれに見やすい地図が添付され、地図を片手に、事件が起きた場所をめぐることができるようになっていて、里見弴(とん)、金子光晴、寺田寅彦といった著名な文学者の証言も多数収録されています。
本日、17時からCh4で西崎氏が2014年9月に行った講演会の模様を配信します。また、2014年8月に配信された「【IWJ追跡検証レポート】『九月、東京の路上で』~関東大震災・ジェノサイドの跡地を加藤直樹氏と歩く」でも、西崎氏は荒川土手でロケを行った第二夜で登場します。こちらも下記URLの動画記事でぜひご覧ください!
※2014/09/13 関東大震災時・朝鮮人、中国人虐殺・追悼弾圧90周年記念集会 ――西崎雅夫氏 講演 2014.9.13
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/168806
※2014/08/29 【IWJ追跡検証レポート】『九月、東京の路上で』~関東大震災・ジェノサイドの跡地を加藤直樹氏と歩く(西崎氏登場は第二夜)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/165254
そして、今週土曜日の9月10日、なんと西崎氏ご本人に岩上さんがインタビューします!岩上さんの単独インタビューは約1ヶ月ぶりです。ご期待ください!
※一般社団法人ほうせんか理事・西崎雅夫氏の著書『関東大震災朝鮮人虐殺の記録: 東京地区別1100の証言』(現代書館、2016年9月)
https://www.amazon.co.jp/%E9%96%A2%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E9%9C%87%E7%81%BD%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E4%BA%BA%E8%99%90%E6%AE%BA%E3%81%AE%E8%A8%98%E9%8C%B2-%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%9C%B0%E5%8C%BA%E5%88%A51100%E3%81%AE%E8%A8%BC%E8%A8%80-%E8%A5%BF%E5%B4%8E%E9%9B%85%E5%A4%AB/dp/4768457908
流言飛語を疑うことなく、無実の朝鮮人や中国人を普通の日本人が殺害してしまったこの事件。私たち日本社会が背負っている負の遺産ですが、日本政府はいまだ、この事実を公には認めておらず、謝罪もしていません。
都合の悪い過去に蓋をするのは、あまりにも未熟な社会であり、反省がなければ、また同じ道を繰り返してしまう可能性をも許してしまうことにもなります。
ドイツでは町のいたる所にホロコーストという負の遺産から目を逸らさまいと、多数のオブジェが作られているそうです。観光客でにぎわうブランデンブルク門の南に位置する「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」には、サッカー場の3倍の広さに、ホロコースト犠牲者の石棺をイメージしたコンクリートの石碑が2711基も並んでいます。
また、ベルリン市内の道路の石畳には、「つまずきの石」という10センチ四方の真ちゅうのプレート一枚一枚に、ホロコースト犠牲者の名前、生年、没年と死亡場所が彫られたプレートが配置されています。ドイツでは、このように被害者の存在を決して忘れないようにするという努力が行われているのですね。
こうしたドイツによる「過去の克服」の試みは、岩上さんが東京大学教授の石田勇治氏インタビューの中で詳しく聞いています。こちらのインタビューは、フルテキストをメルマガ「岩上安身のIWJ特報!」でも発行しましたので、動画アーカイブとあわせてご一読ください。
※2016/07/01参院3分の2議席で日本でも現実に!安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か?絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証! ~岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー(前編)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/313466
※2016/07/01参院3分の2議席で日本でも現実に!安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か?絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証! ~岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー(後編)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/313466
※有料メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」のご購読はこちらから
http://www.mag2.com/m/0001334810.html
過去への責任の放棄は未来への責任の放棄とも言えるのではないでしょうか。まだまだ、知る人の少ない関東大震災直後に起きた、朝鮮人、中国人虐殺の歴史をさらに詳しく知る機会として、本日の再配信と金曜日のインタビューをぜひ、ご覧いただきたいと思います!
■<★お知らせ★>つながりあう新自由主義、ヘイトクライム、そして改憲~「みんなで語る『改憲への危機感』」寄稿募集中!「TALK ABOUT DEMOCRACY」Tシャツも絶賛発売中!
この「日刊IWJガイド」では連日、「『国民投票』で自民党改憲草案が現実に!? みんなで語る『改憲への危機感』Talk about Democracy and Constitution」と題して、市民の皆さんから投稿していただいた寄稿をご紹介しています。
しかし、このコーナーにご投稿いただくのは、必ずしも「改憲」に関することばかりではありません。本日は、自らも「障害者」であるという「でぐちこうじ」さんからお寄せいただいた、神奈川県相模原市の「津久井やまゆり園」で発生した連続殺傷事件に関する投稿をご紹介します。
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相模原市で起こった知的障害者施設での事件は、ただでさえ生き辛い弱者に対する日本を象徴するような出来事でした。参議院選挙後、改憲勢力勝利のショックも冷めやらぬなか、追い打ちを掛けるように衝撃を受けました。
植松容疑者の詳細が明らかになる中で、個人単独での凶悪犯罪にとどまらず、容疑者を取り巻く、現代日本が内包する危うさが浮き彫りになったと思います。
小泉政権以来、新自由主義に象徴される強者の論理で不況下の日本は、生産性第一主義を掲げ、いつの間にか効率だけを追い求める社会になっていました。人は、安らぎより快楽を求め、平和や安全よりお金を求める経済至上主義が蔓延る社会に。そしてヘイトクライムを助長し、弱者を差別して憚らない人、人、人。近い将来、植松容疑者に賛同し行動する者が出てきてもおかしくない、先日の東京知事選挙での桜井誠氏の11万票獲得がそれを物語っています。
麻生財務大臣は「90歳、いつまで生きるつもりなのか」「ナチスの手口に学んだらどうか」などと公然と考えを述べますが、世論の批判は大きくなることはありません。社会は、政府や御用学者等の言うことにはいつも寛大です。植松容疑者も、この狂気にも似た発言に呼応した一人ではなかったのか。そう思えてなりません。
※障がい者として伝えたいこと(でぐちこうじ)
http://iwj.co.jp/wj/open/consti-msg/1-048
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でぐちさんが記しているように、相模原で起きてしまった最悪の「ヘイトクライム」は、新自由主義が蔓延し、日本が「平和や安全よりお金を求める経済至上主義が蔓延る社会」となった結果、強者が弱者を組み伏せ、差別するようになったことの帰結であるように思われます。
安倍政権は、新自由主義的な経済政策によって個々人の社会的な関係性をずたずたにしたうえで、改憲によって行政府の権力を強化することで、「独裁」とも言える体制を築こうとしているのではないでしょうか。新自由主義、ヘイトクライム、そして改憲は、それぞれ独立した事象ではなく、いずれも連続した事柄なのではないでしょうか。
IWJでは、相模原で起きた「ヘイトクライム」の前例ともいえるナチス・ドイツの「T4作戦」について、その思想的背景を詳述した東京大学教授・石田勇治氏の『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)より、該当箇所を抜粋してWebにアップしましたので、ぜひご一読ください。
※【特別掲載!】30万人ものマイノリティーを虐殺した「ナチスの手口」を紐解く!相模原市のヘイトクライムの背景にあった「思想」とは!? 東大教授・石田勇治著『ヒトラーとナチ・ドイツ』を転載!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/328093
このような「独裁」の動きに市民が抵抗するためには、個々人が話し合い、意見を表明することが必要です。実際に顔をつきあわせての議論はもちろん、TwitterやFacebookなどSNSに意見を書き込んだり、賛同できる書き込みをRetweetするのでもよいでしょう。もちろん、デモに出かけ、シュプレヒコールをあげたり、マイクを握ってスピーチをすることも、とても大切な意見表明のあり方ではないでしょうか。選挙に関わることも、一票を投じることも、すべて大切な意思表明だと思います。
そこでIWJでは、寄稿募集とのコラボレーション企画として、復刻版「TALK ABOUT DEMOCRACY」Tシャツの販売を開始しました。
このTシャツの胸元には、「TALK openly ABOUT DEMOCRACY and CONSTITUTION」という文言がプリントされています。これは直訳すると、「民主主義と憲法についてどんどん話してみようよ、私たちの自由と未来のために」という意味になります。まさに、「議論しよう!権力の独裁に抗おう!」と呼びかけているわけですね。
Tシャツの柄は、「ヘザーグレー」と「バーガンディ」の2色からお選びいただけます。サイズも、XS、S、M、L、XLと豊富に取り揃えていますので、この機会にぜひお買い求めください!
※復刻版!! Tシャツ TALK ABOUT DEMOCRACY 色:ヘザーグレー
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=256
※復刻版!! Tシャツ TALK ABOUT DEMOCRACY 色:バーガンディ
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=257
またTシャツだけでなく、自民党のトンデモ改憲草案の問題点を詳細に論じた『前夜[増補改訂版]』も絶賛発売中です!安倍政権に抵抗し、その暴走を止めるためにお役に立てる本としてお勧めいたします!下記のURLからは、「まえがき」、「第二章 戦争の放棄」、「第九章 緊急事態」をお読みいただけます!ぜひ、ご覧ください!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%89%8D%E5%A4%9C
※販売ページ:【増補改訂版・岩上安身サイン入り】前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171
※日刊IWJガイドのフルバージョンは下記URLより御覧ください。
http://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20160906
※カンパ・ご寄付はこちらから
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それでは、本日もよろしくお願いいたします!
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