日刊IWJガイド 2015.3.23日号~No.922号~


■■■ 日刊IWJガイド 2015.3.23日号~No.922号~ ■■■
(2015.3.23 8時00分)

おはようございます。IWJの芹沢です。

東京では、春の陽気を感じる日が多くなってきました。
もうそろそろ、本格的な春がやってきますね。桜の開花が楽しみです。

先日、大学の後輩より、一本の連絡がありました。

連絡の内容は、2011年3月11日の東日本大震災後に発足した、被災地に対する、ボランティアサークルに、今年度は人が集まらなかったこと、また、現地の状況は、自分たちが、これまで行なってきたボランティア活動の必要性が薄くなってきた等の理由により、今年度をもって、廃部にすることを決断した、というものでした。

このサークルは、当時大学2年生だった私と友達2人が発足したサークルでした。震災直後、いてもたってもいられずに、なにかできないものかと考えて、同じような気持ちの友人たちが集まり、実際に被災地に行き、物資の配給のお手伝いを行い、さらに現地の写真を撮り、大学で展示会などを行ない、東京の大学生に、現地の状況を伝えました。

発足当時は、震災直後ということもあり、少しずつではありますが、サークルのメンバーは増え、継続的に活動を行なうことができました。発足から2年後の2013年の3月、自分たちが卒業するときに、後輩たちへ、サークルの運営を託しました。

今回、後輩から廃部の連絡をうけ、改めて、時の流れを感じました。この4年間は、本当にあっという間でした。大学を卒業したのが、つい昨日のことのように思います。それでも、時は流れ続けているのだ、とよくわかります。

ボランティアの必要性がなくなった、ということは、考えようによっては、以前より、被災地は落ち着きを取り戻したということになるわけですから、喜ばしいことでもあります。

しかし、一方では、まだまだ解決できていない問題を多く抱えたまま、震災の衝撃に対する風化が起きている現状も、あると思います。私たちが学生時代にボランティアに赴いた場所は、気仙沼など、主に津波被害の大きな場所でしたが、福島の原発周辺は、現在も、高線量に阻まれて、一般人は近づくことすらできない状況が続いています。

今年2015年2月にようやく、燃料デブリのある場所を検知するための技術開発に着手した、という段階、とのことです。東電は、2014年10月30日に1、2号機の燃料デブリ取り出し計画を2年先送りすると発表しています。

そのような現状にも関わらず、東電は、「福島第一原発40年廃炉」の見通しを崩していません。本当に40年で廃炉にできるのか、疑問が残ります。仮に事故から数えて40年ぴったりで廃炉を達成できたとしても、これから40年というのは、途方もなく、長い期間になります。

事故当時22歳だった私は、今、26歳で、廃炉の時には62歳を迎えることになります。私たちの世代の人生は、ほぼ丸ごと、福島第一原発の廃炉の工程と重なり合うことになります。私たちは、これからも、この現実と向き合い続けていかなくてはなりません。

現在は、原発事故から4年がたち、時代の曲がり角に立っていると思います。しかし、今後もIWJは、このような問題を風化させずに、追い続けていきます。みなさま何卒、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

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■本日、いよいよ鳩山元首相のインタビューです!

突然のクリミア訪問で安倍政権を右往左往させている、鳩山由紀夫元首相に、本日18時から、岩上さんがインタビューを行います。

岩上さんは、鳩山元首相には2012年に一度、インタビューをしています。

インタビュー第一弾が行われたのは、私がIWJに入る前でしたが、私もアーカイブで見て、大手メディアが意図的に歪めて伝える鳩山さんの印象とは違う、誠実丁寧な姿を見ることができました。

インタビューは18時からなので、それまでに、ぜひまだご覧になっていない方は、2012年のインタビューを見る事を強くオススメさせていただきます。

・2012/07/18 鳩山由紀夫元首相が岩上安身のインタビューで「対米従属」官僚の全貌を激白「官僚は自分たちのやりたいことをやってくれればどんな政権でもいい」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/23153

この記事は、IWJサポート会員の方であれば、いつでも全編視聴可能です。
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今回の鳩山さんの動きも、大手メディアは大いに切り貼りして伝えていることでしょう。
…と思って、記事を検索してみたら、大手メディアでは、鳩山さんの真意や主張については、ほとんどスルーしているんですね。これには驚きました。

代わりに、日本政府が鳩山さんにあきれかえる様子や、鳩山さんの行動は「国益を損なう」という論調を社説で展開したりしています。鳩山さんをバッシングするだけでなく、ロシアによるクリミア併合は許されないという点まで、最も保守的な産経新聞から最もリベラルと言われている東京新聞まで、ぴったり足並みをそろえています。

そんなオール記者クラブメディアの総ががりのバッシングにあっている鳩山さんの話を聞こうとする岩上さんも、きっと叩かれたり、批判されたりすると思うのですが、岩上さん自身は、旧ソ連地域は過去に何度も取材しており、記者クラブメディアの御用報道ぶりに強い疑問を抱いているそうです。

明日のインタビューでは、鳩山さんがなぜこのタイミングでクリミアにわたったのか。世界の動き、日本の対ロシア外交の今後、米国の世界戦略のなかで、どのような意味があると思うのか、鳩山さんに徹底的に聞くそうです。他にも、原発やTPP、安全保障、今後の日本のエネルギー需給の問題など、たくさんのテーマでお話をうかがうことになると思われます。

岩上さんは、「鳩山さんの言動や行動すべてを支持しているわけではないが、支持するか、批判するかの判断を下すその前に、当事者の話を聞かなくては、それこそ話にならない。大新聞、大マスコミのどこが、そうしたインタビューをきちっとしたのか?」と疑問を投げかけます。

2時間、中身の詰まったインタビューになると思いますので、ぜひご覧ください!

ウクライナ危機(の真相)の予習復習には、こちらのIWJブログがオススメです。

ウクライナ政変、ロシアによるクリミア編入の経緯は「IWJブログ」にまとめていますので、是非そちらもお目通しになってください。

・【IWJブログ】検証 クリミア独立・ロシア編入住民投票~選挙結果は「捏造」だったのか?ウクライナ憲法違反か?
http://iwj.co.jp/wj/open?p=131618

・【IWJブログ】ウクライナ政変第2幕 クリミアの独立・ロシア編入までのドキュメント ~コソボ独立を承認した米国のダブルスタンダード
http://iwj.co.jp/wj/open?p=131570

…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆

本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.3.23 Mon.**

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力の定例会見

【Ch4】15:00~「日本外国特派員協会主催 桑原敏武・渋谷区長 記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※渋谷区が、同性カップルに「結婚に相当する関係」を認める条例案を区議会に提出。これに関し、桑原敏武・渋谷区長が日本外国特派員協会で、記者会見を行なう。

【Ch5】 18:00~「秘密保護法対策弁護団 結成1周年&出版記念 秘密法セミナー『これからの秘密保護法との闘い方』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※秘密保護法対策弁護団は、岩波ブックレット「秘密保護法対策マニュアル」を発刊。海渡雄一弁護士、矢崎暁子弁護士、内山宙弁護士、藤原家康弁護士、小川隆太郎弁護士、海渡双葉弁護士などブックレット執筆陣が講師として登壇する予定。

【Ch1】18:00~「岩上安身による鳩山由紀夫・元総理インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※突然のクリミア訪問で安倍政権を右往左往させている、鳩山由紀夫元総理に、岩上安身が単独インタビュー!岩上さん復帰第一弾のインタビューを、是非、御覧下さい!

【3.11から丸4年再配信プログラム第22弾・Ch1】22:00~「百人百話 第54話 安竜昌弘さん『綺麗ごとじゃなくて、本音を伝えていきたい』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/feature/100100/list2/54anryumasahiro/
※2012年1月に収録した「百人百話 第54話 安竜昌弘さん『綺麗ごとじゃなくて、本音を伝えていきたい』」を再配信します。

※特集ページはこちらから
・百人百話 |IWJインタビューシリーズ|百人百話とは
http://iwj.co.jp/feature/100100/

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(前半の続き)…

■戦争帰還兵の苦悩、日本も対岸の火事ではなくなる

昨日、NHK「日曜討論」90分拡大版に、はじめて「生活の党と山本太郎となかまたち」から山本太郎共同代表が出演しました。

これまでは日曜討論は各党代表が議論する、という形をとっていたにも関わらず、7党しか出演できていませんでした。2月5日には、山本太郎共同代表と玉城デニー幹事長がNHKを訪れ、説明を求めたりもしていました。

・2015/02/03 邦人人質事件で生活・小沢代表、事件の本質が議論されていないと政府・メディア・各政党の姿勢を批判
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/230046

・2015/03/17 3月22日のNHK「日曜討論」90分拡大版に山本太郎共同代表が生出演「自分たちの政策を述べる場を担保したい」~生活の党と山本太郎となかまたち定例記者会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/239428

そして昨日初めて、「生活」を含めた10党が出演となったのですが、やはり、山本太郎代表は、与党・自民党が嫌がる発言を次々繰り出しました。そのなかで山本代表が言及したのが、イラク派遣の元自衛官が28人自殺している、という事実でした。

戦争の悲劇は、兵士たちに重い心の病、精神的後遺症をもたらすことも含まれています。

集団的自衛権で、今後戦地に派遣されるだろう多くの自衛隊員の方々にとっても、この問題は切っても切れないものです。与党・自民党としても、この問題には触れられたくないだろうな、と思います。

私が自民党の総裁で安倍総理のように権力をふるえるのだったら、山本太郎さんのような手強い人には討論の場に出てきて欲しくないな、面倒臭いな、NHKに出演させないよう圧力かけようかな、と思ってしまうかもしれません。

IWJに亜紀書房から献本いただいた、デイヴィッド・フィンケル著『帰還兵はなぜ自殺するのか』(古屋美登里)は、まさにそうした悲劇のエピソードを綴ったノンフィクションです。「優しかった夫が戦地から帰還したら別人になっていた」--。この本は、5人の兵士とその家族に起こった出来事を通して、帰還兵のPTSDという、避けられない問題に焦点をあてています。

こちら、「IWJブックレビュー」でも近く紹介予定なので、ぜひご覧になってください。

・IWJブックレビュー 【書籍紹介・書評コーナー】
http://iwj.co.jp/feature/book/

このように、贈っていただいた本や、スタッフや岩上さんが読んで「世に広めたい」と思うオススメ本を、IWJはこれからもどんどん紹介していきたいと考えています。

また、IWJでは書籍広告も大募集しています。「出版業界は厳しい」と言われる昨今ですが、IWJでは紹介記事などを通じて、とにかく良書の紹介につとめたいと思っています。ぜひ、ご検討ください!

【協賛・広告掲載の詳細はこちらをご覧ください!】
http://www.slideshare.net/iwakami_staff/iwjhp

問い合わせ先 iwj_event@iwj.co.jp

ちなみに、帰還兵のPTSDの問題については、IWJでも取り上げています。こちらの記事も、ぜひご覧になってください。

・2015/03/07 「米国に強いられた歴史解釈を一掃、9条改正を」 国際地政学研究所シンポで近代史「重鎮」が持論──自衛隊「PTSD増大懸念」も話題に
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/237557

帰還兵のPTSDの問題は、これまであまり表面化することがなかったようです。日本でもあまり報じられていなかったし、戦争大国の米国においてすら、あまり大々的に問題視されることがなかったそうです。

ですが、そうした空気は徐々に変わりはじめています。日本では今年公開されたクリント・イーストウッド監督の『アメリカン・スナイパー』も、一人の兵士の人生から、戦場の残酷さのリアルと、そして過酷なPTSDのリアルを真っ正面から描いているそうです。

イーストウッドファンの佐々木隼也記者も、映画に精通していると噂のスタッフ古田昇司も、とにかく大絶賛していました。私も早く観たいと思います。

そして、もう一本、まだ日本では未公開ですが、絶対見落としてはいけない映画について、ご紹介します。米アカデミー賞で、見事長編ドキュメンタリー賞を受賞した、エドワード・スノーデン氏のドキュメンタリー作品です。この映画は、スノーデン氏が機密を暴露する前から撮影が始まっているのだから驚きです。スノーデン氏と監督との深い信頼関係がな無ければ、この映画は誕生しませんでした。そして、IWJは同作品で監督を務めたローラ・ポイトラス氏と親交のある映画作家の想田和弘氏に、ご寄稿をお願いしました。

以下、ぜひ読んでみてください!一読の価値アリです!!

・【IWJブログ・特別寄稿】スノーデン氏と直接接触した前代未聞のドキュメンタリーがアカデミー賞受賞の快挙!~衝撃作「Citizenfour」が問いかける、我々の社会に真の「デモクラシー」は存在するか!?(映画作家・想田和弘)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/240162

■沖縄取材6日目のご報告

3月21日の辺野古取材は、内容が盛りだくさんでした。

まず、柏原記者は午前9時30分頃から海上取材を開始。同じ頃、沖縄選出の国会議員や県議会議員も、海上視察に訪れていました。土曜日ということもあり、沖縄防衛局による海底ボーリング調査は休み。誰もが、海上保安庁の出動はないだろうと予想しましたが、その予想は外れ、海保が波しぶきを上げ現れたそうです。

柏原記者が乗る船の僅か10メートル先にいる議員団の視察船に、定員の倍にもなる人数の海保職員が乗り込んだといい、その模様を柏原記者はしっかりカメラに収めました。乗り込んだ船が議員団とマスコミを乗せた視察船だということが分かった海保職員らは、途端に、それまでの威圧的で口汚い言葉とはうってかわって、丁寧な言葉へと変貌したそうです。

約1時間半の海上取材を終えた柏原記者は、次は、午後1時から、瀬嵩の浜で開催された「止めよう辺野古新基地建設!美ら海を守る県民集会・海上行動」の取材へ。この県民集会は、午前中の海上視察に参加した県選出の野党国会議員や県議会与党5会派、市民団体でつくる「止めよう辺野古新基地建設実行委員会」が呼びかけ、3000人という目標を大きく上回る、約3900人が、新基地建設に反対を訴えました。

公務のため出席が叶わなかった翁長雄志知事の代理として出席した安慶田光男副知事は、「翁長雄志を信じてください。近々に最大の決断をする時期が来ます」と壇上でスピーチ。市民から大きな拍手が起ったといいます。他にも稲嶺進名護市長や、2月にキャンプ・シュワブゲート前で拘束された平和センター議長の山城博治氏も挨拶しました。

現地で取材したものは、順次公開しています。

2015/03/18 【沖縄】「10年前の海保は防衛局と市民の『仲裁役』だった」安倍政権後に変化した海保の暴力行為!?~2014年8月、頸椎捻挫で海保太郎らを告訴したカヌー隊メンバー、岩田克彦氏(32)インタビュー(聞き手:柏原資亮記者)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/239674

2015/03/21【沖縄】安慶田沖縄県副知事「翁長知事は近々、最大の決断をする」~ボーリング調査中の大浦湾の浜に3900人――「止めよう辺野古新基地建設!美ら海を守ろう!県民集会・海上行動」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/240074

今後も、沖縄だけに限らず、全国で起きている様々な動きを、可視化していきたいと思っています。現地の記者が継続した取材を行い、また、今回のように現地へ記者を派遣するなどし、内容の濃い取材をみなさまにお届けするためにも、これからも、ご支援のほどを何卒、宜しくお願いいたします。

ご支援・ご寄付のお願い→ http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

■私たちと一緒に働きませんか?

現在IWJでは、有償の事務スタッフを募集しています。

事務スタッフといっても、小さい所帯のIWJでは、事務の他に、現場へカメラを持って出動したり、現場で取材したり、帰ってきて記事を書いたり、編集事務として原稿の赤入れを手伝ったり、多種多様な仕事をその時その時、またその人の適性に応じて、こなしています。

私も緊急時とあらば、カメラを持って現場に突っ込む事もあります。時には全員がIWJグッズの発送作業に集中したり、イベントスタッフになったりします。

こう書くと、色々なことができなければいけないのか、と躊躇される方もいるかと思います。

でも逆です。IWJは、プロのジャーナリストとして長年仕事をしてきた岩上さんをのぞき、ほとんどみんながメディア業界で働いた経験のない「素人」出身です。やる気のある「素人」が集まって、岩上さんのリーダーシップのもと、支え合い、補いあいながら、チームを形成し、業務をこなしています。岩上さんだって万能ではないので、技術面は若手がサポートします。みんなが持てる力や得意技を持ち寄って、助け合っているのです。だから、気負う必要はまったくありません。そんな私たちと、ぜひ一緒に働いてくださる方を大募集中です!

※スタッフのご応募はこちらから、ぜひ応募してみてください!
http://bit.ly/1ALJypQ

それでは、皆さん、今週もIWJをどうぞよろしくお願いします。素敵な一週間になりますように!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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