「貝原浩の仕事の会」代表である世良田律子様から『万人受けはあやしい 時代を戯画いた絵師 貝原浩』をご恵贈いただきました。
貝原浩の仕事の会編
万人受けはあやしい 時代を戯画いた絵師
貝原浩
本書は東京・江古田のギャラリー古藤で2017年11月17日~26日に行われた「万人受けはあやしい 時代を戯画いた絵師 貝原浩」の図録集で、同会では展示されなかった作品も追加されています。
貝原浩は、1947年岡山県倉敷市生まれ。東京藝術大学を卒業後、紳士服メーカー「エドワーズ」の専属イラストレーターとして1年間パリに在住。その後、大手出版社・広告媒体の書籍装丁や雑誌レイアウトデザイン、広告のイラストやデザインなどに携わります。
30歳ころから書籍のイラストと装丁の仕事を始め、中小の出版社と関わり合いを持つようになり、800冊以上の書籍装丁、現代書館のフォー・ビギナーズ・シリーズなどのイラスト、小説の挿し絵など、幅広く膨大な仕事を残しています。
40歳をすぎたころから南米ペルーにはじまり、ほぼ年に1回海外を旅行。チェルノブイリ原発事故の風下になったベラルーシの村々には何度も訪れ、風景や人々を筆ペンと水彩絵の具で手漉き紙に書いた絵巻物を制作し1992年に発表。2010年にパロル舎から『風しもの村』として復刻しています。
50歳をすぎたころから、雑誌掲載用ではない鉛筆画に再び取り組み、『鉛筆画集 FAR EAST』(現代書館、2002年)が鉛筆画の集大成となっています。56歳で耳下腺癌が発覚。脊髄、髄膜に転移し、2005年6月30日、58歳をむかえる前に死去しています。亡くなる2ヶ月前には「オレは絵描きをやれて、幸せだと思っている」と、友人に語っていたそうです。
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