【献本御礼】米川正子著『あやつられる難民: 政府、国連、NGOのはざまで』(ちくま新書)

記事公開日:2017.3.3 献本御礼(ブックレビュー)
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米川正子様から『あやつられる難民: 政府、国連、NGOのはざまで』をご恵贈いただきました。

米川正子著
あやつられる難民: 政府、国連、NGOのはざまで
ちくま新書 2017/2/6

 

近年クローズアップされている難民問題。日本も長年関わっていますが、しかしその本質は理解されていないと、著者は訴えます。

一般的に難民は、武装グループやいわゆる「テロ集団」による紛争、迫害や人権侵害の犠牲者であるイメージが強くあります。

他方、本来難民を保護し支援する任務を果たすべき政府、国連やNGOが、しばしば難民の加害者になっていると、著者は指摘します。難民がこのような加害者の間であやつられ、翻弄されている困難な状況を、本書では主にアフリカの事例を中心に描き出すことを試みています。

なお、第三章「難民キャンプの実態とアジェンダ」、第四章「難民と安全保障――ルワンダの事例から」、第六章「人道支援団体の思惑とグローバルな構造」は、2013年から2015年にかけて、IWJにご寄稿いただいたものをもとに構成されています。また、著者より本書の印税の一部をIWJにご寄付いただけるとのお申し出を頂いております。

本書をきっかけとして、難民が直面する問題が改善に向かってほしいという、著者の強い願いがこもった一冊です。

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