【献本御礼】三國英實著『食料流通問題の新展開』(筑波書房)

記事公開日:2017.1.16 献本御礼(ブックレビュー)
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三國英實様から『食料流通問題の新展開』をご恵贈いただきました。

三國英實 著
食料流通問題の新展開
筑波書房 2017/1/12


 本書は、著書が名誉教授を務めた広島大学生物生産学部を2000年に退職してから、現在(2016年)までの間に執筆した論考をまとめたものです。

 第1編で「食料・農業市場問題の新展開」について、第2編では「卸売市場再編問題の新展開」を論じています。

 また、豊洲移転問題では、小池都知事が2016年8月に11月7日に予定していた移転の延期を決定するまでの経過と、豊洲移転の問題点、築地での存続・再整備の必要性を論じています。

 豊洲移転の問題点としては、「盛り土」問題にみられる東京都の虚偽・隠蔽体質、汚染土壌の上に、生鮮食料品を取り扱う卸売市場の建設は許されないこと、豊洲新市場建設で見られた東京都の一貫した非民主主義的な体質などを挙げ、豊洲新市場開場中止の根拠について解説しています。

 その上で、築地市場は「卸売市場としての特質・機能を多く備えた市場」、「築地市場を守ることは、日本の卸売市場制度・経済民主主義を守ることにつながる」と強調し、築地市場の存続・再整備の必要性を著者は訴えています。

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