講談社様から『アメリカ 異形の制度空間 』をご恵贈いただきました。
本書において著者は、「<アメリカ>と呼ばれるものを作り出し支えている規範性の特徴を、とりわけ創設の原理とされた<自由>の観念に着目しながら、今日の世界のあり方や人びとの考え方に刻み込まれ浸透する<アメリカ>なるものの意味を明るみに出すこと」を試みています。
「アメリカとは単なる地名でもなければ国名でもない」「それは、元来、17世紀ヨーロッパに創り出された『ヨーロッパ国際法秩序』(国家間秩序)の外部に、その拘束を受けない『無主の地』とみなされた『例外領域』にもたらせた、<自由>の制度空間の名前だ」と著者は説明しています。
また、アメリカの経済社会を組成する自由主義の社会は、「『自由』な競争を『最適者』として勝ち抜かなければ、人も国も没落して淘汰されるのが当然とみなされるような世界」だと指摘。その上で、「『最適化』が人間世界の向かうべき目的なのかどうか」を根本的に問い直すべきだとして、問題提起をしています。
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