【献本御礼】小泉純一郎談、吉原毅編『黙って寝てはいられない』(扶桑社)

記事公開日:2016.7.29 献本御礼(ブックレビュー)
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 扶桑社様から『黙って寝てはいられない』をご恵贈いただきました。

小泉純一郎談、吉原毅編
黙って寝てはいられない
扶桑社 2016・7・10




 本書は、福島原発事故以来、「原発即時ゼロ」を訴えて全国行脚中の小泉純一郎元首相の講演会や記者会見、インタビュー等での生の声をまとめて再構成しています。さらに、小泉氏とともに「原発ゼロ」の活動を行なっている城南信用金庫相談役の吉原毅氏が解説を加えています。

 小泉氏は福島原発事故を目の当たりにして、原発は「安全でコストが安くて、クリーンなエネルギー」という謳い文句に疑問を持つようになります。その後、自らたくさんの情報を集め研究し見比べた結果、「原発は安全じゃない。金まみれの、金食い虫の産業だ。クリーンエネルギーなんてとんでもない、環境汚染作業だ」ということに気がつきます。

 「ウソと分かって、黙って寝ているわけにはいかんだろう」。

 本書のタイトルにもなっている小泉氏の言葉です。政界から引退して7年あまり、現在の小泉氏を突き動かしている信念とも言えるこの強い思いを、同氏は「過ちては改むるに憚ることなかれ」という『論語』になぞらえて紹介しています。

 「過ぎてしまった過去は変えられないが、未来は変えられる」。過去の首相だけではなく、現在の、そして未来の首相も皆この思いに共鳴し、引き継いでいってくれる日が来ることを願ってやみません。

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