岩波書店編集部の藤田紀子様から『「意地悪」化する日本』をご恵贈いただきました。
内田樹著, 福島みずほ著
「意地悪」化する日本
岩波書店 2015/12/16
本書は、神戸女学院大学名誉教授である内田樹氏と社民党・参議院議員である福島みずほ氏の対談集です。対談は2015年4月から9月にかけて4回行われました。安全保障関連法案をめぐる国会内外のさまざまなできごとをについて、二人が意見交換をしています。
本書では、「貧困や孤立からくる嫉妬、焦り、恐怖が渦巻き、それが嫌韓・嫌中にもつながっている」とする状況を、「意地悪化する日本」という言葉で表現しています。
福島氏は、安倍総理や官僚たちの答弁において、言葉は他者との対話、論争のためではなく、「ひどい現実を覆い隠しだますための手段」として使われていると訴えています。また、「100年後の人が今の国会の議事録を読んだら、質問と答えがまったくかみ合っていないことに驚き、政治の知的水準をいぶかしむだろう」と厳しく断じています。
内田氏は「社会の激動期を生きるのは、楽しいですよ」と前向きな言葉で読者を励まし、「ものの見方をもう少し大きくとると、見える風景が変わることがある」というメッセージを、対談を通して繰り返し訴え、この時代を生きる人びとに大切な視野・視点・視座を与えてくれています。
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