『引き裂かれた「絆」-がれきトリック、環境省との攻防1000日』をご恵贈いただきました。
25年前から自然保護・ごみ環境問題に取り組む環境ジャーナリストの青木泰氏が追い続けた、がれき広域処理問題。著者は、広域処理に疑問を持ち検証を続けていく中で、広域処理が必要のないものであり、その裏に秘められた目的が予算をつくることであったことにたどり着きます。本書では、広域処理が進められた経緯から、破綻までの流れ、破綻に追い込むまでに市民運動とインターネットが果たした役割、そしてこれらの裏で進められていた官僚による予算流用の仕組みを明らかにしていきます。
青木泰著
『引き裂かれた「絆」-がれきトリック、環境省との攻防1000日』
(鹿砦社、2015.3)
「なぜ広域処理なのか」――。この疑問に納得できる答えを行政は持っていません。なぜなら、広域処理が被災からの早期復旧を目的とした支援活動ではないからです。それを暴いていったのは、市民による草の根の活動でした。がれき受け入れを表明していた自治体の処分場周辺の住民は、詳細な説明を自治体に求めました。放射性廃棄物に不安を持つ住民は、安全性の基準に対して厳しい目を向けていったのです。こうした説明会やがれき問題の講演会はIWJでも中継が行われ、その結果、行政の矛盾や疑問が全国で共有されることになり、市民活動の大きな力につながっていきました。
結果だけを見れば、無理筋と言えるがれき広域処理。これがまことしやかに進められていったのは、仕事をつくり、予算をつけて、懇意にするゼネコンや事業者に便宜を図るためだと著者は指摘します。広域処理を全国の「絆」だと国や政府、大手メディアがキャンペーンを展開し、既成事実を作り上げようとしました。震災復興の「絆」は、「利権の絆」に利用されていたのです。今回の一件で露わになった官僚の独裁構造。官僚による「腐敗の絆」を断ち切るためには、市民が連携し戦わなければならないのです。
あれだけ騒がれた「がれき広域処理」それが、ひっそりと終焉を迎えていました。本書では、その一部始終が記録されています。「絆」と称して「でたらめ」な復興を進めた環境省に対して不信が募るとともに、官僚機構に牛耳られる日本の構図が明らかになりました。一方で、広域処理の阻止に多くの市民が動いたことは、大きな意味があります。民意を結集させることで国を変えることができる。この事例を多くの人に知っていただくことができれば、よりよい民主社会の構築につながります。今まさに日本人ひとりひとりの行動が試されているのです。
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