【献本御礼】佐藤 昭夫著『「武力信仰」悪夢再現を憂える―戦後労働法を学んだ陸軍将校生徒(米寿の記)』(悠々社)

記事公開日:2015.3.16 献本御礼(ブックレビュー)
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 悠々社様から『「武力信仰」悪夢再現を憂える―戦後労働法を学んだ陸軍将校生徒(米寿の記)』をご恵贈いただきました。

 「私は、歴史や現実を見、自分の頭で考えることを知らなかった。そのため、幼年時に植えつけられた権力による価値観の呪縛から逃れるには、復員後3年余りの日時を要した」(同書より引用)――本書は、著者の佐藤昭夫氏が仙台陸軍幼年学校卒業、陸軍予科士官学校在学(陸軍最後の将校生徒)という軍国主義一色だった少年時代の反省から、「自ら考えることの大切さ」を学び続けた記録でもあります。

佐藤 昭夫著
「武力信仰」悪夢再現を憂える―戦後労働法を学んだ陸軍将校生徒(米寿の記)
悠々社、2015.3

 また、同氏は、早稲田大学の労働法研究者として歴史を検証するとともに、多くの労働運動の実践にも関わってこられました。早稲田大学の労働基準法90条違反に対する告発や、裁判所や労働委員会への11件にものぼる意見書は、それ自体が貴重な資料となっています。

 戦争への反省と思想・表現に対する権力統制の恐ろしさを書き、国家による「国論統一」のための事例を挙げ、労働法分野での労働基本権の法理を主張し、「政府の憲法9条解釈」批判など、戦争に引き込まれた歴史経験を忘れずに、犠牲を重ねながら実践してきた経験と成果を生かし、「知恵と力を結集」することを呼びかけています。

 

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