日本農業新聞論説委員長の緒方大造様から『TPP いのちの瀬戸際〜壊国協定のベールを剥ぐ〜』をご恵贈いただきました。
2012年4月に発売された『まだ知らされていない壊国TPP 〜主権侵害の正体を暴く〜』の続編となる今回の新作は、前作発売から2013年7月までに日本農業新聞に掲載された記事が収録されています。交渉参加国との事前協議、政権交代、安倍晋三総理による交渉参加表明、日米合意、交渉への正式参加など、一連の動きを取材し、TPPの本質に迫り続けた取材班の記録が記されています。
日本農業新聞取材班『TPP いのちの瀬戸際~壊国協定のベールをはぐ〜』
(創森社、2013.9)
第1章『壊国協定TPPの全貌と主権侵害』では、TPPが浮上した経緯や構図を振り返りながら、交渉の現実が細かく説明されています。第2章『TPPと日本の針路———読者の見解』では、「TPPに参加することで生じるであろう日本の危機」について、各地のレポートや他国の例をもとに分析されています。第3章『TPPが危険な理由———職場・各界の声』では、農業だけでなく、オタク文化や不動産業にまでおよぶTPPの悪影響が記されており、TPPが国民に与えうる危険性に対して、改めて驚愕する読者も多いのではないでしょうか。
本書で特に注目したいのが、第4章の『TPPの病根を抉る―—海外リポート』です。米国、カナダ、韓国など、海外まで足を運んだ取材班の記録が集約されており、海外におけるTPP問題や、他国ではTPPがどのように見られているかを知ることができます。この章を読むことで、日本が抱える問題を別の角度から考えてみることができます。
TPP関連会合が東京で開かれたばかりですが、TPP参加に向けて前進し続ける日本政府を止めることはできるのでしょうか。本書では、TPPの本質が書かれているだけでなく、今後、日本が「壊国」への道を進まないために何をすべきか、目前の問題とどう向き合っていくべきかが論じられています。「TPPは自分には関係ない」と考えている方にも、是非、ご一読いただきたい一冊です。(2013/11/07発行【IWJウィークリー24号】より転載)
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