【IWJ】第7期(平成28年8月1日~平成29年7月31日)決算収支報告


 いつもお世話になっております。IWJ代表の岩上安身です。日頃よりIWJをお支えいただいておりますこと、まずは感謝申し上げます。会員の皆さま方に第7期(平成28年8月1日~平成29年7月31日)の決算状況についてご報告させていただきます。

 平成29年4月25日の中間報告で、1,200万円の赤字の危機に瀕していることをご報告し、ご支援のお願いをした折には、大変多くの方々にカンパ・ご寄付をお送りいただきました。心より御礼申し上げます。お陰さまで無事に第7期の期末決算を終え、第8期を迎えることができました。これもひとえに会員の皆さまのお力添えのたまものです。深く感謝申し上げます。

 第7期から第8期にかけてを振返りますと、「共謀罪の強行採決」「築地移転問題」「都議選『都民ファーストの会』「森友問題」「加計問題」「緊急事態条項」「北朝鮮ミサイル危機」「国難突破解散」「小池劇場」「民進解体・希望への合流騒動」「立憲民主党の誕生と躍進」などなど、様々な出来事が次々におこりました。その中にあり、世間とマスコミが「小池劇場」に大きくふり回されるなか、IWJは「小池劇場」と「前原クーデター」の本質を素早く見抜き、ブレることなくこの空前の政局と解散総選挙を正確にお伝えすることができたと思います。スタッフも一丸となって取材や中継に奔走したことはいうまでもありません。

 昨年の参議院選挙の結果、改憲勢力が3分の2を占め、このたびの衆議院選挙でも改憲勢力が3分の2を抑えるという深刻な結果がもたらされましたが、それ以前もそれ以降も自民党改憲草案のもつ恐さ、特に緊急事態条項の持つ危険性に対してIWJは、どこのメディアよりも早く、そして徹底的に警鐘を鳴らし続けてきたと自負しています。

 今後、北朝鮮のミサイルの脅威を煽られながら、改憲への働きかけはますます強まり、同時に戦争遂行体制が整えられていくのでしょうが、原発を抱えたまま、北朝鮮のような核ミサイル保有国と戦争するなど、正気の沙汰ではありません。しかし、そうした正気とは思えない政策が着々と実行され、日本をどんどんと危ない方向へ追いやり、果ては永久独裁条項まで用意しているのが安倍政権であるのは、まぎれもない事実です。しかし、ひたひたと迫る戦争と、上からのクーデターによるファシズムの危険性に、大手既存マスコミは真剣な警笛を鳴らそうとしません。原発を抱えて戦争するなど正気の国ならばありえない話なのに、緊急事態宣言を発令してまで「ありえない戦争」に向かって何も考えずに準備がひたひた進んでいます。こうした問題を真剣に取り上げるメィアが少ないことに、本当に強い危機感を抱いています。

 IWJは、勇気と先を見通す知性とをもって、誠実に事実と歴史を皆さまにお伝えしていきます。 これからも、テレビや新聞が伝えない重要な出来事を編集・加工のない一次情報のままお伝えし、時に隠されたり見過ごされたりしている真実を掘り起こして深堀りをするインタビューや検証レポートなどをお届けしたいと思います。そして、スポンサーに左右されない、市民の利益のための、市民の立場にたった、市民の協力によって成り立つ独立メディアとして情報を発信してまいります。

 多くの人から、岩上安身は大丈夫か?IWJはいずれ弾圧にあうのではないか?とご心配いただいておりますが、そのリスクよりも当面の経済危機の方がはるかに大きなリスクで、このままだと、岩上安身が弾圧される前に収支が悪化して倒産あるいは、豆粒のような小ささにダウンサイズしてしまう可能性の方がずっと高いと思われます。

 どうぞ皆さま、今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 過去7期の会員数の推移は下記の通りです。

2011年12月末  739名
2012年12月末 4,688名
2013年12月末 5,412名
2014年12月末 4,781名
2015年7月末 5,023名
2016年7月末 5,995名
2017年7月末 5,955名

※2015年より決算期変更

【会員推移内訳 2016/8~2017/9】

期日 サポート 一般 合計
2016年 8月末 1,681名 4,271名 5,952名
2016年 9月末 1,670名 4,197名 5,867名
2016年 10月末 1,649名 4,147名 5,796名
2016年 11月末 1,725名 4,106名 5,831名
2016年 12月末 1,778名 4,009名 5,787名
2017年 1月末 1,786名 4,018名 5,804名
2017年 2月末 1,770名 4,026名 5,796名
2017年 3月末 1,784名 4,027名 5,811名
2017年 4月末 1,758名 3,964名 5,722名
2017年 5月末 1,767名 3,932名 5,699名
2017年 6月末 1,814名 4,124名 5,938名
2017年 7月末 1,817名 4,138名 5,955名
2017年 8月末 1,837名 4,146名 5,983名
2017年 9月末 1,855名 4,098名 5,953名

 IWJが独立したメディアとして現在の規模で安定的な活動を続けるにはどうしたらよいのか、と会員の皆さまから質問されることがたびたびあります。

 ひとつの方法は、現在ご登録の約6,000名の会員様全てがサポート会員に切り替えていただいたら、財政問題は一気に片づきます。

 現実は、サポート会員の方が30%、一般会員の方が70%の登録状況ですので、この割合のまま、現状の活動規模を維持するために、ご寄付・カンパに頼らずに会費だけでまかなおうとすると11,000人の会員登録が必要になります。約倍増しないと、会費だけではまかなえません。

 現時点では総会員数が6,000名に届くか届かないか、というのが現状です。一般会員の全部とはいわず、半分の方もサポート会員に切り替えてくだされば、それだけで4千万円の増収になります。今期、カンパの伸びが鈍く、見通しがたいへん厳しいものになったとしても、会費で切り抜けていくことができるのではないかと思います。一般会員の皆さま、どうかサポート会員へのお切り替えをご検討くださいますよう心よりお願い申し上げます。

 もちろん、まだまだ皆様のご寄付・カンパに頼らざるを得ない状況は変わりありません。今期も引き続きご支援の程よろしくお願いいたします。

 第7期の会費収入は前年度比3%増の92,954千円となりました。またご寄付・カンパは前年度比3%増の70,075千円となりました。

 一方、業務委託費・外注費は前年度比9%減の41,392千円、給与は前年度比1%増の61,563千円となりました。ただし、スタッフの法定福利費(社会保険料)が前年度比82%増の7,978千円になりました。逆に、その他の経費は前年度比14%減の43,337千円と、削減に成功しました。

 活動実績を前年度と比べますと、インタビューが122本から119本へやや減少しました。 これは、既に日刊ガイドや第7期中間報告でご報告していますが、昨年7月に私、岩上安身が再びの心臓発作に見舞われ、主治医からのドクターストップがかかったために、2016年7月から8月にかけて、慢性的なオーバーワークを一時的に制限し、休養に努めたためです。

 動画配信数は2,998本から1,958本へ、UPした記事数は3,115本から1,911本へ減少しました。常に充実した中継・配信、コンテンツの提供を目指して活動してきたIWJですが、財政難のために活動規模を一旦縮小せざるを得ない状況に陥り、人件費を削減したためです。

 第7期の詳細は以下のとおりとなっております。

 税理士法人西川会計の監査を受けた決算をもとにご報告させていただきます。

(単位:千円) 
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<収入>
会費  92,954
カンパ  70,075
物販・イベント 6,224
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収入合計     169,253
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<支出>
取材活動 3,329
物販仕入 802
業務委託費・外注費 41,392
給与 69,542
*その他経費 43,337
税金等 4,909
**その他 5,455(サイトSSL化費として11月末完了予定)
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支出合計 168,766
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収入169,253 ― 支出168,766 = 当期収支差額487千円

*その他経費 43,337千円 のうち主な支出項目(単位:千円)
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地代家賃 7,106 (事務所の賃借料等)
旅費交通費 5,124 (出張旅費、通勤交通費)
保険料 4,992 (倒産防止共済他)
支払手数料 4,510 (クレジット決済の利用手数料、各種手数料等)
事務備品・消耗品費 3,830 (撮影機材、パソコン代等)
リース料 2,647 (システムサーバー利用料等)
通信費 2,743 (携帯電話使用料、通信機器使用料)
管理諸費 2,490 (システム利用料、会計監査料等)
新聞図書費 2,000 (書籍・雑誌購入代)
減価償却費 1,604 (事務所の内装設備、機材等の減価償却費)
修繕費 1,392 (機材・車両修繕代等)
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**その他
第7期中より継続的に作業している、サイトのSSL化作業費として、11月中に完了後支払予定。

 過去5年半にわたる1万6000記事を、以前のシステムから新しい記事システムに移行させる「WEBのお引越しプロジェクト」は、皆さまのご寄付・カンパのサポートのお陰で、完了いたしました。ご理解・ご協力、誠にありがとうございました。
しかし、ネットメディアである以上、皆さまに見やすく、分かりやすく、ストレスフリーなサイトを提供し、より多くの方々に親しんでいただけるIWJするためには、WEBの改造の歩みを止めることはできません。
 
 現在進めていますプロジェクトとしましては、2010年の設立以来蓄積してきましたIWJの貴重な動画すべてを洗い出し、それを保存するだけでなく、価値あるコンテンツとして今後も活かしていくために、見出しやテキストの情報を追加する作業も着手していますが、まだ整理されてない過去のコンテンツは膨大にあり、改善点も残っています。さらに、スマートフォン用のホームページ作成も開始しております。たくさんのコンテンツを快適で安全にご覧になっていただけるよう、今期もWEB改造プロジェクトは継続していく予定です。

 皆様のご支援のおかげで第7期は赤字を出すことなく第8期につなげることができました。IWJでは設立当初より、活動にご賛同いただている多くの方からの会費・ご寄附・カンパが、そのまま活動のための大事な収入源となっています。今後とも変わらぬご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

 報道規制が日増しに強くなっていると感じられる現在も、IWJは「真実を伝えるメディア」として走り続けています。皆様の周りにIWJの活動をご存じない、会員登録されていない方がいらっしゃいましたら、是非とも一言、IWJのことをご紹介いただけますと幸いです。

 今後とも、IWJへのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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過年度の収支報告は、下記のとおりです。

第一期収支報告(2012年4月21日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/19932

第二期収支報告(2013年6月25日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/19934

第三期収支報告(2014年5月29日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/19919

第四期収支報告(2015年7月28日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/22480

第五期収支報告(2016年6月10日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/25692

第六期収支報告書(2017月4月21日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/30480
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