「憲法を変えろ!」というのは「お見合い結婚だったから離婚しろ!」と言っているようなもの!? 安倍政権による改憲に関する寄稿文を募集中!コラボ企画の復刻版「TALK ABOUT DEMOCRACY」Tシャツ絶賛発売中!


おはようございます。IWJでテキスト業務を担当している福田玲子です。

日本最大の右派組織「日本会議」の「国会議員懇談会」の副会長をつとめるなど、タカ派体質の「地金」が気になる小池百合子新都知事ですが、少なくとも、ここにきて築地市場の豊洲移転延期を表明するなど、意外な展開になってきました。

この部分だけに限っていえば、評価できるのではないかと思われます。もちろん今後、どう決断するのかわかりませんし、彼女のこれまでの業績・発言や、思想のバックボーンその他を考えれば、油断は禁物です。

ここ2、3日、メディアを賑わしているのは豊洲の「盛り土」問題。これがなされたのは石原慎太郎都政の時代ですが、石原氏はこの問題を知らなかったのでしょうか。

計画そのものの杜撰さ、いい加減さに加え、青天井に膨らむ杜撰な金勘定など、都政をメチャクチャにしてきたと言われても仕方がない石原氏ですが、この豊洲移転に関しても、都民の健康や安全はないがしろで計画されてきたのであり、到底許せるものではありません。

もっとも、太平洋戦争の戦犯も自らの手では裁けず、戦後70年が経過した今も、敗戦を「終戦」と言い換えて、「敗戦」という現実を直視しようとしないのが日本人の性分ですから、そこまでさかのぼって失政をただしてほしいと望むのは高望みかもしれませんが・・・。

さて、「敗戦」を「終戦」とごまかし、現行の憲法がアメリカ人の手によって担われたという一面だけをとりあげて、「改憲だ!改憲だ!」と騒いでいるのが、現在の安倍政権です。

現行憲法の制定が、アメリカ人の手によって担われたのは一面的な事実ではありますが、それだけを理由に、これまでうまく機能してきたものを「改憲」、いや根本から「壊憲」してしまおうとは、愚かの一言に尽きます。

私は、「アメリカ人がつくったものだから変えろ」という主張は、こんな話にたとえられるのではないかと思っています。

ある人が他に好きなひとがいたのだけれど、意に沿わない人とお見合い結婚をさせられた。しかしいざ結婚してみたら互いに気が合い、相思相愛で幸せに暮らし、生まれ変わってもこの人と結婚したいと思うようになった。

ところが70年後、そんな二人に離婚を迫る人たちが現れた。もともとがお見合い結婚だ、当時、意に沿わないのに親や周囲から押しつけられたのだ、恋愛結婚じゃないから自らの意思で選んだのではない、だから別れろといわれる。

大きなお世話じゃないですか。アメリカの作ったものだから変えろ、もとの明治憲法の体制に戻せ、という主張は、とどのつまり、これと似たようなものではないかと思います。

現行憲法の理念、国民主権、基本的人権、平和主義の素晴らしさ、ありがたさは、「お見合い結婚」をするまで、普通の日本人の庶民は知らなかったし、わからなかったんです。

今はもう離れがたい。

国民に主権がない、万人に基本的人権が認められていない、男女が平等ではない、侵略戦争ばかり繰り返していた、そんな明治憲法のもとへ戻りたくないんです。

上記は私の改憲阻止の思いのひとつですが、このように皆様の改憲阻止の思いを寄稿していただくのが、IWJの「『国民投票』で自民党改憲草案が現実に!?みんなで語る『改憲への危機感』Talk about Democracy and Constitution」です。連日、読者の皆様からのいろいろな熱い思いをいただいています。

今日ご紹介するのは、会社員のマンボさん。「戦前・戦中を知る方々の声を聞き、共有して改憲に備えます」と題する寄稿をいただきました。以下、ご紹介します。

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自民党、安倍政権、日本会議が改憲によって目論む戦前の国家体制への回帰。

それがどのように社会と個人の破壊をもたらすのかを知るには、戦前・戦中を知る世代の方々の話に耳を傾けるのが一番だと思います。

その意味で私が以前から注目し、拝読している「昔あったづもな通信」というブログがあります。書き手は、ドイツ文学者で昔ばなし研究者の小澤俊夫さん。

と言ってもピンと来ないと思いますが、世界的指揮者の小澤征爾さんのお兄さんで、渋谷系ミュージシャンの小沢健二さんのお父さん、と言ったら少し興味を持っていただけるでしょうか。

こういった戦前・戦中を知る世代の方々のお話と危機感をしっかり受け止め、自分の家族・親戚・親しい友人達と共有しながら、来たる改憲発議に備えていきたいと思います。

■昔あったづもな通信 (小澤俊夫さん・2013/12/26~)

・第1号 「日本はこういう国だった 戦後に生まれたあなたに」

http://mukashiattazumona.blog.fc2.com/blog-entry-1.html

・第5号 「中国で見た日本の軍人」

http://mukashiattazumona.blog.fc2.com/blog-entry-6.html

・第9号 「教育委員会の独立性は、戦争の反省から生まれたもの」

http://mukashiattazumona.blog.fc2.com/blog-entry-10.html

・第28号「ナチスが政権を掌握していったプロセスと似てきた」

http://mukashiattazumona.blog.fc2.com/blog-entry-30.html

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どれも興味深い記述ですが、個人的には、上記第1号「日本はこういう国だった。戦後に生まれたあなたに」の中の、次のような一節が心に残りました。

「ぜいたく品追放とか、精密機械製造に必要と称して国民に無償提供させた貴金属類は、軍部の高官や政治家たち、官僚たち、地方のボスたちがポケットに入れてしまったということだった……それらのことが秘密裏に行われていたということは、一般国民にはそれを知る権利はまったくなかったということである。

今回成立した『特定秘密保護法』でも、国民の知る権利については、『配慮するよう努力する』程度のことでごまかされている。知る権利がないということは、知ろうとしたら犯罪になるということである…」

国民に無償提供させた贅沢品が、軍の高官や政治家たちのフトコロに…とは、呆れるばかりです。ですが、青天井に膨れ上がる豊洲の工事費や維持費に、都民の税金が注ぎ込まれているという現代の都政のデタラメさと同じですね。

しかし現行憲法下で権利を保障されている私たちには、そうした不透明なカネを調べて追及し、不当に使った人たちを責任追及する権利があります。憲法が壊されてしまうまでは、私たちにはまだ、報道や言論の自由があるのです。

そうした大切な権利は、自らの手でしっかりと守っていきたいものですね。

さて、IWJでは現在、この寄稿文の募集とのコラボレーション企画として、復刻版「TALK ABOUT DEMOCRACY」Tシャツの販売を行っています。

このTシャツの胸にプリントされているのは、TALK Openly ABOUT DEMOCRACY…and CONSTITUTION for our FREEDOM and FUTURE」という文字です。これを翻訳すると、「民主主義と憲法について、オープンに話そうよ。私たちの自由と未来のために」という意味になります。

※復刻版!! Tシャツ TALK ABOUT DEMOCRACY 色:ヘザーグレー・ブラック

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=256

※復刻版!! Tシャツ TALK ABOUT DEMOCRACY 色:バーガンディ・キナリ

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=257

そして政治や憲法のこと、民主主義のこと、そして私達の未来のことを話すための材料のひとつとして、ぜひお読みいただきたいのが、『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』です。

岩上さん他、梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士の3人が参加したこちらの書籍では、安倍政権の本当の狙い、改憲によって日本の国のかたちをどのように変えようとしているのかを解説しています。

現行の日本国憲法と自民党改憲草案を逐条で比較・検討した全12回の鼎談を収録している他、昨年12月には、安保法の「成立」を踏まえ、新書一冊分のボリュームを追加した増補改訂版も刊行しました。

IWJではこの『前夜』に関して、岩上さんのサイン入り版をお買い求めいただけます。秋の臨時国会開幕を控え、いよいよ改憲が現実味を帯びてきた今、必読の一冊です!ぜひ、お買い求めください!

※【増補改訂版・岩上安身サイン入り】『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171

※【増補改訂版】『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=169