新評論様から『学生に賃金を』をご恵贈いただきました。
空海はもともと京都の大学で儒教を学び、官職に就こうとしていましたが、勉強をしていくうちに、仏教がおもしろくなり、大学をやめて出家してしまいます。官職としての将来に期待していた家族や親戚は落胆し、誰からの支援を受けられず、引き取ってくれる寺もなく、ひとり山岳修行に明け暮れますが、31歳までまったく食えない状態が続いたそうです。
著者の栗原康氏は、この空海の姿に自分自身を重ね合わせています。「わたしはいま35歳、年収は80万円で、借金は635万円。借金は日本学生支援機構から借りた奨学金だ。(略)食えない。職業は、大学非常勤講師。」(本書より引用)。
なぜ、日本の大学は授業料がたかくて、奨学金には借金しかないのか。大学に入学しても借金返済のためのバイトが忙しく、読みたい本も読めない。なぜ、学生生活はここまで破壊されてしまったのか。本書では大学の無償化と、返済義務のない給付型奨学金の創設を論じています。
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