株式会社KADOKAWAの堀由紀子様から『知られざる皇室外交』をご恵贈いただきました。
皇室外交は、日本で見るのと外国から見るのとでは、その見え方に大きなズレがあると、ジャーナリストで本書の著者である西川氏は指摘します。
日本では天皇、皇后の外国訪問は、政治や外交とは無関係の国際親善であると説明されます。他方、海外では両陛下の訪問に政治・外交的意味を持たせ、両陛下の一挙手一投足に、日本の国の意志を見出そうとします。
日本の首相が何度訪問しても不可能だったことを、天皇が訪れることによって成し得たことは少なくないとのこと。それを可能にしたのは、究極のところは、天皇、皇后の人間力に依拠していると、著者は強調します。
1953年、大戦の傷跡が残る欧州の国々を、19歳の明仁皇太子が訪問して以来、連綿と続く各国王室との交流、市民や在外日本人との対話、戦没者の慰霊、等々。両陛下の振る舞いやおことばの根底にある思いに迫り、皇室外交が果たしてきた役割について、本書は深く分け入り、明らかにしています。
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