高文研・真鍋かおる様から『奪われた野にも春は来るか―鄭周河写真展の記録』をご恵贈いただきました。
高橋哲哉・徐京植著 『奪われた野にも春は来るか 鄭周河写真展の記録』
高文研、2015.7
2011年に起こった福島第一原発事故は、4年経った今でも様々な議論を巻き起こしています。
本書は、事故後2011年11月から2012年3月にわたり福島を訪れて撮影をした韓国人写真家の鄭周河氏による写真展「奪われた野にも春は来るか」で展開されたトークセッションの全記録です。福島をはじめとする6箇所で行われた写真展でのすべての議論が鄭氏の写真から始まっています。
原発事故を写した写真というと、爆発直後の写真など物々しいものを思いつくかもしれませんが、鄭氏は事故後と変わらず存在しているようにみえる福島の自然を写しています。
見えない放射能汚染を「写した」写真と「韓国、在日朝鮮、沖縄といった歴史的に深い関係を持つ『他者』からの問いにさらされながら」(高橋哲哉)引き出された議論は新たな議論の地平を拓いています。
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