日刊IWJガイド「SPEED今井絵理子さん『万が一のための備えは必要』と安保法制を肯定!?自民党から参院選出馬を表明!『電波停止』をチラつかせてメディア封殺を狙う安倍政権の巧妙な『情報操作』とは?さらに『1ミリシーベルトの科学的根拠』を疑う丸川環境相のブーメラン!」 2016.2.10日号~No.1245号~


■■■ 日刊IWJガイド「SPEED今井絵理子さん『万が一のための備えは必要』と安保法制を肯定!?自民党から参院選出馬を表明!『電波停止』をチラつかせてメディア封殺を狙う安倍政権の巧妙な『情報操作』とは?さらに『1ミリシーベルトの科学的根拠』を疑う丸川環境相のブーメラン!」 2016.2.10日号~No.1245号~ ■■■
(2016.2.10 8時00分)

 おはようございます!IWJで記者をしている佐々木隼也と申します。

 「どこのディストピア小説だよっ!」とツッコミたくなるような事態が、ここ日本で進行中です!そこかしこで、それも連日連夜です。昨日の本ガイドでも触れましたが、高市早苗・総務大臣が、「政治的に公平でない」と判断した場合、放送局の電波停止を命じる可能性に言及しました。とうとう安倍政権の閣僚が、堂々と電波停止の可能性を口にし始めたのです。

 これは、権力による「報道の自由」の侵害であり、圧力でしょう。

 高市大臣は、「国論を二分する政治課題」において、「一方の主張ばかりを放送する場合」は、「公平とは認められない」と定義づけています。安倍政権は、世論調査では反対の声が多数だった安保法制についても、「国論を二分する課題」と言っていましたね。たとえ反対:賛成が9:1でも、時の権力が「国論を二分している」と判断すれば、反対の声を多く取り上げることは許されない。そういう理屈です。

 大手メディアは現在、安倍政権による度重なる政治介入と圧力によって、すでにもう萎縮しきっています。先日の甘利明大臣の退任会見を観ればあきらかです。そもそもの辞任の引き金となった収賄疑惑を追及する大手記者は、一人もいませんでした。

 テレビの御用コメンテーターたちも、「辞任で責任をとった」「説明責任は果たした」「涙の辞任劇」というばかりです。これで「異常事態」が起きている、と感じなかったら、むしろその感受性の鈍感さの方が問題です。

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・【速報!】甘利大臣辞任で幕引き!?「『あっせん利得罪』の可能性もあり、議員の資格も問われるはず」と神戸学院大・上脇教授が指摘!安倍政権「4トップ」の一角が陥落で「ドミノ倒し」開始の可能性も!?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/284806
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 そしてここへきて、電波停止をちらつかせることによって、夏の参院選、そして可能性が取りざたされている4月の衆院選に向け、安倍政権に批判的・都合の悪い報道はしてくれるなよ!というトドメを刺しにきています。

 この問題については、後ほど城石エマ記者が詳細にお伝えします。

 さらに昨日は、SPEEDの今井絵理子さんが自民党本部で参院選の出馬会見を行ったのですが、この会見をめぐり、自民党の報道に対する「恐ろしい勘違い」「おごり」が露呈しました。この件についても、今井さんの衝撃的な会見内容も含めて、後ほど平山茂樹記者から、報告をさせていただきます。

 報道を圧殺して制御下に置こうとする自民党・安倍政権と、権力の暴走を監視する機関としての本分を忘れた大手メディアの、共同作業のような「独裁国家化」には、いい加減、歯止めをかけなければなりません!

★本日のラインナップ

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■「SPEED」メンバー・今井絵理子氏が自民党からの出馬を正式表明~安保法制への見解問われ「万が一のための備えは必要」(平山茂樹)
┠■「政治的公平性に違反したメディアには電波停止もないとは言えない」!高市大臣が2日続けて衆院予算委員会で答弁!政府のこだわる「法的根拠」には、実は周到な「情報操作」が含まれていた!(城石エマ)
┠■「年間1ミリシーベルトは科学的根拠なく決めた」!?~丸川珠代環境相が長野県松本市で「反放射能派」発言(ぎぎまき)
┠■沖縄には1300発の核兵器があり、発射寸前だった!?衝撃のスクープを発表した共同通信編集委員・太田昌克氏へのインタビューを、本日再配信!!(佐々木隼也)
┠■『金融権力~グローバル経済とリスク・ビジネス』著者・本山美彦氏(京都大学名誉教授)に岩上さんがインタビュー!日本の景気後退の原因である「金融権力」の正体に迫る!(平山茂樹)
┠■岩上さんの注目インタビュー告知!
┠■わとはぷ~What happened today?~10年前から進歩のなかった安倍政権(佐々木隼也)
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…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.2.10 Wed.**

【IWJ_OSAKA1】14:00~「第112回原子力安全問題ゼミ」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※京都大学原子炉実験所で行われる「第112回原子力安全問題ゼミ」を中継予定です。

【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会 田中俊一委員長による定例会見を中継します。

【録画配信・Ch4】16:00~「子どもの貧困と教育 講師:大西連(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長)」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※2月6日(土)に開催された、「練馬・教育問題交流会」主催の講演会を録画配信します。講師は大西連氏(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長)。

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

【再配信・Ch1】19:00~「岩上安身による共同通信社・編集委員・太田昌克氏インタビュー 前編」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281578
※1月8日(金)に行なった、岩上安身による、共同通信社・編集委員・太田昌克氏インタビュー 前編を再配信します。太田氏のインタビュー後編は、明日2月11日に予定しています。こちらも合わせてご覧ください。

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◆明日の中継番組表◆

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.2.11 Thu.**

【Ch未定】12:50~「とみおか子ども未来ネットワーク 設立4周年記念シンポジウム『今の復興政策が原発避難者に何をおよぼすのか』~未来予測から見える真の問題とは~」
※「特定非営利活動法人とみおか子ども未来ネットワーク」が主催する、シンポジウムを中継します。

【Ch未定】13:00~「憲法と『建国記念の日』を考える集会 -『個人より国家』を私たちは許さない!」
※「フォーラム平和・人権・環境」が主催する、集会の模様を中継します。講演者は、上杉 聰さん(日本の戦争責任資料センター事務局長)。報告者は、金優綺さん(在日本朝鮮人人権協会)。

【Ch1】14:00~「岩上安身による共同通信社・編集委員・太田昌克氏インタビュー 後編」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※岩上安身による、共同通信社・編集委員・太田昌克氏インタビュー 後編を中継します。

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(前半の続き)…

■「SPEED」メンバー・今井絵理子氏が自民党からの出馬を正式表明~安保法制への見解問われ「万が一のための備えは必要」

 おはようございます。IWJでテキスト関連の業務を担当している平山茂樹と申します。

 昨日2月9日(火)16時から、人気ダンスボーカルグループ「SPEED」のメンバーで沖縄出身の今井絵理子氏が自民党本部で記者会見を行い、今年夏に行われる参議院議員選挙での立候補を正式に表明しました。

 今井氏は立候補の動機について、聴覚障害を持つ長男(11)の子育てに触れながら、「障害を持つ子供たちが希望を持てる社会づくりをしたい」と述べました。今井氏は会見中、終始笑顔で、手話を交えながら記者からの質問に答えました。

 IWJでは、今井氏の会見が9日にも行われるという情報を、前日の8日夜の時点でキャッチ。しかし、9日の午後12時頃、自民党本部の広報に会見の場所と時間を問い合わせたところ、「一切わからない。まだ話が降りてきていない」との答えでした。

 IWJとして会見の詳細をつかみかねていたところ、突如16時から自民党本部で今井氏の会見が開始され、それをニコニコ生放送が生中継しました。結果として、IWJは会見を取材・中継することができませんでした。

 会見が終了した16時30分、IWJが抗議の意味も込めて、自民党広報部に再度問い合わせると、「今回は平河クラブにしか通達していない。クラブ以外の勝手に来たメディアを排除したかどうかは分からない」との回答。平河クラブに限定しているにも関わらず、なぜニコニコ動画だけが会見に参加することができたのかという点については、「インターネット協会など、いろいろとお付き合いがあるところもあるだろうしね」などと答えました。

 「おつきあい」があるメディアには、会見参加を認めるが、「おつきあい」がなければ認めない、とでも言いたげな口調でした。これが政権与党の記者会見参加基準だとしたら、批判的な質問をするメディアは参加させない、ということになります。

 「公平性」「公共性」を著しく欠く態度です。

 現在、自民党役員(総裁、幹事長、総務会長、政調会長)の記者会見は、平河クラブ(自民党本部に設置された記者クラブ)に限定されており、IWJをはじめフリーランスの記者は参加することができません。

 今回の今井氏の会見についても、平河クラブにのみ通達を出していたことはもちろん問題ですが、「お付き合いがある」という理由でニコニコ動画だけを参加させたことはもっと深刻な問題です。

 インターネットメディアにも会見を開放するのであれば、公平に参加を認めるべきであり、また、オープンにしたことをきちんと事前に告知し、広く参加者を募るべきではないでしょうか。

 さて、肝心の会見の中身ですが、障害者支援や社会福祉の話題以外に、注目すべき発言がありました。

 今井氏が「万が一のための備えは必要」と、安保法制を肯定(?)する発言をしたのです。

 いったいどういうことでしょうか?気になる会見の中身、ツッコミどころ満載の発言内容については、以下の記事にまとめましたので、ぜひそちらをご覧ください!

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・2016/02/09 「SPEED」メンバー・今井絵理子氏が自民党からの参院選出馬を正式表明!安保法制への見解問われ「万が一のための備えは必要」と肯定!?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/286725
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 平山記者でした。今井さんが、「万が一のための備えは必要」と発言した時は、おったまげました。「プチ戦争なら賛成!みたいに見える」などと、安保法制の本質を鋭く見抜き、批判していたように思ったのですが、思い過ごしだったのでしょうか?それとも、この間に、自民党からの何らかの説得・教育があったのでしょうか?

 謎は尽きませんが、いずれにせよ、今井さんの露出は増えるでしょうから、IWJもなんとかその場に参加し、様々な質問を投げかけられたら、と思っています。

 「安保法制は日本が海外で戦争できるようになるための法律で、仮に北朝鮮のミサイルに対応するためには、個別的自衛権で十分だと思うが?」

 「今井さんが自民党の比例票を伸ばすことで、安倍政権の改憲に近づくことになるが、それは理解しているのか?」

 …などなど、自民党は絶対に質問して欲しくないでしょうから、IWJはなんとか自民党の妨害や圧力にめげずに、国民が一番知りたがっている質問の数々を、空気を読まずに投げかけていきたいと思っています。

 これから、IWJに対しても自民党の風当たりは、ますます強くなるでしょう。ですが、IWJは負けませんよ~!泥まみれになりながらでも、国民が知るべき情報の可視化を徹底して行っていくつもりです。そのためにも、みなさまのご支援が頼りです。どうか、こうしたIWJの取材活動をお支えいただき、そしてIWJの伝える無編集・無加工の情報をお役立ていただければと思っています。

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 続いては、城石記者より、気になる高市大臣の「電波停止」発言問題の続報を、お伝えします。

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■「政治的公平性に違反したメディアには電波停止もないとは言えない」!高市大臣が2日続けて衆院予算委員会で答弁!政府のこだわる「法的根拠」には、実は周到な「情報操作」が含まれていた!

 おはようございます!IWJ学生記者の城石エマと申します。

 昨日の日刊IWJガイドでぎぎまき記者がお伝えした、総務省の高市早苗大臣による、メディア規制を強める発言が、昨日2月9日の衆院予算委員会と定例記者会見で再び飛び出しました。

 事の発端は、2月8日の予算委員会でした。民主党・奥野総一郎議員が、安倍政権に批判的なニュースキャスターの降板が相次いでいることを踏まえ、「はっきりと否定してほしいのですが、『政治的公平性』を欠いていると総務大臣が判断した放送事業者への電波停止はありませんね?」と質問。答弁に立った高市大臣は、「放送局が放送法の定める『政治的公平性』に違反を繰り返せば、電波停止が将来にわたってないとは言えません」と答弁したのです。

 政府がテレビの電波を停止をするかもしれない!?これは脅しじゃないですか!?

 ここのところ、明らかにメディアへの介入を強める安倍政権ですが、ここまではっきりと介入の可能性を述べたことはありませんでした。憲法の定める言論・報道の自由への大胆な侵犯であり、権力の乱用の「チラ見せ」です。なんというはしたなさ。もはや「異常」です。

 そして昨日9日、民主党・玉木雄一郎議員が予算委員会で、再度、高市大臣に対し、電波停止の可能性について確認。高市大臣は、放送法や電波法を根拠にあげつつ、「総務大臣は、放送法を所管する立場から、必要な対応は行うべきと考えております」として、またもメディア介入の可能性を認めました。

 放送法4条には、確かに放送内容の「政治的公平性」が規定されており、174条には、「放送事業者が法律に違反した場合には、総務大臣が放送事業者に対し3カ月以内の業務停止を命じることができる」と定められています。

 え、じゃあやっぱり高市大臣の言うとおり、政府は「政治的公平性」を欠いた放送事業者に対して、電波停止を命じてもいいんじゃないの?と思われた方もいるかと思います。

 確かにマスメディアは、高市大臣が法的根拠を示して答弁している事実だけを切り取ることで、まるで政府の言うことが正しいかのように報じていますが、実はここには政府とマスコミによる相当な「情報操作」があります。「政治的公平性」は誰が決めるのか?という議論はもちろん、そもそもこの放送法には、驚くべきカラクリがしかけられているのです…!

 このカラクリを暴いたのは、放送に対する権力介入を監視する第三者機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)委員長代行で、映画監督の是枝裕和氏。それをふまえ、IWJでは、この問題について以下の記事にしました!まさに目からウロコの事実を是枝監督が暴いていますので、ぜひ、会員登録をしていただき、記事全編をお読みください!

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・2016/02/09 メディア規制を強める安倍政権・高市大臣がテレビへ「電波停止」の恫喝的発言!BPO委員長代行の是枝裕和氏が「放送法」のカラクリを暴く!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/286707
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 また、3月1日14時から、岩上さんが是枝監督へインタビューをすることが決定しています。日本を代表する映画監督という立場にありながら、正々堂々と政府のやり口を批判している数少ない方です。こちらも必見のインタビューになること間違いなしですので、お見逃しなく!

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 城石記者でした。安倍政権やネトウヨが頻繁に盾にする、この「放送法」のカラクリについて、ぜひ、記事をご覧ください!続いては、3.11の原発事故当時から、IWJで被ばくの問題を追い続けているぎぎ記者より、「ルーピー」野次でおなじみの丸川珠代・環境大臣による、ルーピーな発言問題です!

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■「年間1ミリシーベルトは科学的根拠なく決めた」!?~丸川珠代環境相が長野県松本市で「反放射能派」発言

 おはようございます。IWJで記者をしているぎぎまきです。

 元テレビ朝日アナウンサーで、安倍内閣では環境大臣を務めている丸川珠代さんの発言が波紋を呼んでいます。

 2月7日、長野県松本市の講演で丸川環境相は「年間1ミリシーベルト(基準値)は科学的根拠がない」と発言。さらに、「反放射能派というと変ですが、どれだけ下げても心配だという人は世の中にいる」と、被曝に不安を感じる市民らをからかうような話しぶりをしたというのです。8日、地元の信濃新聞が報じました。

※丸川環境相「何の根拠もなく」 原発事故、松本で講演
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160208/KT160207ATI090036000.php

 2日後の9日、民主党の緒方林太郎議員が国会質疑で発言の真意を問いただすと、丸川大臣は、「自分ではこういう言い回しをしたという記憶を持っておりません」と認めず、「もし誤解を与えるようであれば、言葉足らずであったということについてはお詫びを申し上げたい」と歯切れの悪い釈明をしました。

 講演の発言録などが公開されているわけではないので断定することはできませんが、正確な言い回しがどうであれ、「科学的根拠なく決めた」という趣旨で言ったのだとすれば、それは環境大臣としていかがなものかと思います。

 追加被曝線量年間1ミリシーベルト未満、という考え方は原子力基本法でも定められたもので、「時の環境大臣が決めた」ものではもちろんありません。あくまでも、すでに定められた数値を採用したに過ぎません。ちなみに、この「1ミリシーベルト」が定められたのは、2000年の自民党・森喜朗内閣の時です。

 政府が繰り返し根拠として示すICRP(国際放射線防護委員会)でさえ、「どれだけ線量が低くてもその線量に応じたリスクが存在する」と言っていて、被曝量の「しきい値」はないという立場に立っています。これは、官邸のホームページにも記載されている通り、日本政府が採用してきた考え方なのです。

※放射線防護の最適化 -現存被ばく状況での運用
http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g36.html

 つまり、事故直後などの「非常時」では「年間20ミリシーベルト」までは適切と判断してもいいが、最終的には1ミリを目指す、さらには、可能な限り被曝線量を低減することが当然だというのがICRPの勧告なのです。

 民主党政権への批判がしたかったのか、「時の環境大臣が科学的根拠もなく決めた」という丸川大臣の発言か事実だとすれば、あまりにも無知で乱暴すぎます。原発事故から5年も経つのに、いまだに放射線被ばくについての基本のきも学んでいない。被災者に対する配慮にも欠け、大変残念です。

 原発事故から、来月3月でもう5年です。

 政府は被災住民の健康不安などあとまわしにして、帰還政策に力を入れ、東京オリンピック招致で安倍総理は、福島第一原発の状況について「アンダーコントロール」と堂々と100%の嘘を世界に向かって公言し、さらには原発再稼働も着々と進めています。

 「ミサイル」が飛んできた、と大騒ぎして、戦争の準備はするくせに、致命的急所となる原発は海岸線にずらりと並べたままで、ノーガードのまま、さらしっぱなしですミサイル防衛システムで、日本全土の原発をカバーすることはできません。

 一方では、あたかも原発事故の被災地ではもう、「非常事態」は「終息」し、平時に戻りつつあるかのような印象を与えながら、こと、被曝線量に関しては「平時」の数値を認めようとしていません。この事実ひとつとっても、実は「非常事態」はますます続いているのだ、ということがわかります。

 さすが、歴代首相や憲法学者の見解をものともせず、得意のご都合解釈でやりたい放題。そんな安倍内閣の本音がポロリ露呈した丸川珠代環境相のニュースでした。

 IWJでは2011年5月からこの20ミリシーベルト問題を報じ続けています。同年5月23日、文科省前で行なわれた「20ミリシーベルト撤回!文部科学省前要請行動」は、私にとっても忘れられない取材となりました。

 福島からバスで駆け付けたお父さんやお母さん、子どもたちを含めた600人が文科省前玄関に集合し、小雨の降る中、20ミリシーベルト撤回、1ミリにせよと激しく抗議したのです。これを機に、当時の高木大臣は会見で「1ミリシーベルトを目標とする」と方針を転換する表明をしたのです。

 600人の中に、今は国会議員として活躍している山本太郎さんの姿があったのをよく覚えています。

 当時の記事を紹介します。事故直後の緊迫した様子を伝える重要な記録です。アーカイブで、ぜひ、ご覧いただければと思います。

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・2011/05/23 「20ミリシーベルトを撤回せよ!」福島や関東から600人が文科省前で涙の抗議!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/84

・2011/05/02 福島の子どもたちを放射能から守れ!「20ミリシーベルト」撤回要求対政府交渉
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/7918

・2015/09/28 年間20ミリシーベルトでの帰還は「被曝リスク強要」と怒り ~南相馬・避難基準裁判開始、原告団弁護士ら「今こそ、司法介入が重要」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/267416

・2015/10/02 毎時1マイクロシーベルト!福島第一原発事故から4年半以上たった今でも、東京都内にマイクロホットスポットが~足立区職員立ち会いのもとで行われた放射性物資計測の模様を取材!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/268176
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 ぎぎ記者でした。自民党議員たちは、ことあるごとに、過去の民主党政権時のことを持ち出し、「ブーメランだ!」などと批判しますが、いったいどちらがブーメランなのでしょうか?

 かつて小泉政権時代には、福島第一原発を含めた各地の原発の安全装置を撤去し、過去の安倍政権時代には、地震による津波対策を提言する共産党に対し、「そうした被害は想定されない」として対策を怠り、原発事故の遠因を作り続けてきたのは自民党です。その反省を、今日の安倍政権から聞いた覚えがありません。

 岩上さんは、3.11から9か月後の2011年12月、茨城大学名誉教授の久保田護先生の御自宅へインタビューにうかがっています。そこで久保田先生が見せてくれたのは、赤錆びた鉄片でした。茨城の太平洋に面する海岸に、太平洋戦争末期、米軍の艦隊が沖合まで接近して、艦砲射撃で砲弾を撃ち込んだ、その破片でした!

 そして、久保田先生は、原発がなぜダメか、という根本的な理由として、地震リスクと戦争リスクに弱いからダメだ、と言いきったのです!戦争を実際に体験した戦中派ならではのセリフです。

 海辺に建てられた原発は、戦争になれば、空からも海からも標的にされます。岩上さんはこの久保田先生の話を聞いてから、「原発×戦争リスク」という複合リスクについて、至るところで発信するようになりました。

 あの時、僕自身はこの複合リスクについて、正直、あまり実感を伴っていませんでした。遠い出来事のようにしか感じられなかったのですが、わずかこの数年で、その「原発×戦争リスク」が目前のものとなるとは…。久保田先生の警告は、まるで「預言」のようだったように思われます。

 ぜひ、この久保田先生への、岩上さんによるインタビューをご覧いただきたいと思います!

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・2011/12/26 バンダジェフスキー論文の翻訳者が語る、「原発×戦争×健康被害」リスク~岩上安身による茨城大学名誉教授・久保田護氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/238804
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 続いては、佐々木より注目の再配信のお知らせです!!

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■沖縄には1300発の核兵器があり、発射寸前だった!?衝撃のスクープを発表した共同通信編集委員・太田昌克氏へのインタビューを、本日再配信!!

 「返還前の沖縄には1300発の核兵器があり、核搭載の巡航ミサイルを配備した基地が4ヵ所あった。1962年10月、キューバ危機で緊張が高まる中、沖縄の読谷村の基地に核ミサイルの発射命令が届いた。手順に従えば発射すべきところを、疑問を抱いた指揮官が『折り返し確認』をしたことで、命令が間違いだったことが判明、間一髪で事なきを得た」――。

 この衝撃の事実をスクープしたのは、共同通信編集委員・太田昌克氏。1月8日、岩上さんによるインタビューでは、その詳細を語っていただきました。

 ヒューマンエラーにより、あわや第三次世界大戦、それも沖縄発の核ミサイルによる核戦争寸前、という状態だったのです。気が遠くなるような事実です。沖縄の基地から、ソ連、中国へと核ミサイルが撃たれれば、ほとんど時をおかずして、沖縄へも、日本へも、米国へも、報復の核攻撃が行われたことでしょう。

 全世界が「瞬殺」されていたはずです。僕も、これを読んでいる皆さんも、スクープした太田さんも、インタビューした岩上さんも皆、この世に存在していません。

 こうした偶発的なミスによる核戦争勃発のリスクは、単なる歴史話ではありません。核のスイッチなどは、厳重にコンピュータ管理され、一切の人為的ミスが起こらないようになっている――そう思いがちですが、太田氏によれば、そのリスクはむしろ高まっているといいます。

 「核の抑止力を高めることが、期せずして緊張を招き、偶発的に引き金がひかれる可能性は否めない」

 ――いったい、どういうことでしょうか?

 インタビューでは他に、NPT(核兵器不拡散条約)の歴史、日本の歴代総理の核武装論と原発の関係、北朝鮮との6ヵ国協議、国連安保理での制裁措置の行方、中国の出方など、話題は多岐にわたりました。

 本日はこのインタビューを19時よりCh1で再配信します!ぜひぜひ、ご視聴ください!@iwj_ch1で実況ツイートも行いますので、ぜひ、そちらもチェックしてください!

 そして、このインタビューではまだまだ、聞きたいことが山積みのまま、あえなく時間切れとなってしまいました。そこで、明日11時より、このインタビューの続編・第二弾が行われます!こちらも、超必見です!!お見逃しなく!!!

 インタビュー第一弾の再配信をもし、お仕事や家事や所用でご覧になれないという方も、IWJの会員に登録していただければ、いつでも全編をご覧になることができます。この機会にぜひ、会員となっていただき、この必見インタビューを耳と眼に焼き付けていただければと思います!!!

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・2016/01/08 岩上安身による共同通信社編集委員・太田昌克氏インタビュー(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281578

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 そして続いては、再度、平山記者より一昨日行われた、岩上さんによる注目インタビューの紹介です!

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■『金融権力~グローバル経済とリスク・ビジネス』著者・本山美彦氏(京都大学名誉教授)に岩上さんがインタビュー!日本の景気後退の原因である「金融権力」の正体に迫る!

 おはようございます。IWJでテキスト関係の編集業務を担当している平山と申します。

 一昨日の2月8日に中継・配信した岩上さんによる京都大学名誉教授・本山美彦氏インタビューはご覧いただけましたでしょうか?
IWJでは、早速このインタビューの模様を記事としてアップしましたので、ぜひ、ご覧ください。

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※2016/02/08 岩上安身による『金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス』著者 本山美彦・京都大学名誉教授インタビュー(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/286495
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 1月29日、日銀の黒田東彦総裁は、金融機関が日本銀行に持つ当座預金のうち、任意で預けているものについて金利をマイナスにすると発表しました。この「マイナス金利」は、2月16日から実施されます。日銀としては、マイナス金利を導入することで、金融機関から企業や個人への貸し出しが増え、そのことで消費や設備投資が増加し、景気拡大につながるとの狙いがあるようです。

 2012年末の第二次安倍政権発足以後、黒田東彦総裁、岩田規久男副総裁ら「リフレ派」に率いられた日銀は、アベノミクス「第1の矢」である「大胆な金融政策」の旗じるしのもと、金融緩和を積極的に行ってお金を市場に大量に流し込み続けてきました。今回の「マイナス金利」も、こうした緩和策の延長線上にあります。

 しかし、日本の景気は拡大するどころか、後退を続けています。「マイナス金利」導入が発表された後、2月に入ってからも日経平均株価は続落。昨日2月9日は900円以上も値下がりしました。

 本山氏は岩上さんのインタビューの中で、こうした金融緩和策を「貨幣数量説(マネタリズム)という、信じられないほどレベルの低い経済学の理論で、日本の金融政策を決定している」と痛烈に批判しました。

 中国ではバブルが弾けたと言われ、EUも昨年のギリシャ危機などに見られるように金融危機を迎えています。日本および世界の金融システムは、今、極めて危機的な状況にあるのです。世界は、2008年のリーマン・ショックを経て、新しい安全な資本主義へ修正したのではなかったのでしょうか?なぜ、今また、同じような危機を繰り返しているのでしょうか。

 その答えとなるのが、本山氏が指摘する「金融権力」という概念です。本山氏によれば、「金融権力」とは、米国の格付け会社、米国の投資銀行、米国の金融コンサルタントなどが一体となり、構造化された権力のことだ、と言います。

 この「金融権力」が、どのようにして日本の富を搾取していったか。今回のインタビューで本山氏は、そのメカニズムを分かりやすく語ってくださいました。安倍政権と現在の日銀による金融政策に疑問をお持ちの方には、必見のインタビューです。ぜひ、IWJの定額会員に登録のうえ、アーカイブ動画をご視聴ください!

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 IWJでは、皆様からのご寄付・カンパも受け付けています。本山氏のような有識者の方に岩上さんがインタビューしたり、各地で取材、中継するのには、コストがかかっています。ぜひ、IWJの活動にご支援をよろしくお願いいたします!

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 平山記者でした。最近国会中継を見ていたところ、大企業の黒字は大幅に増加し、株主への配当金も数兆円規模にのぼっているにも関わらず、日本の中小企業にはそのお金がまったく還元されない!という追及を観ました。

 しかしそれもそのはずで、日本の大企業の株主として多く名を連ねる、日本トラスティ・サービス信託銀行や、日本マスタートラスト信託銀行などは、正確には日本企業とは呼べません。海外の投資家が外国の証券を扱う際に、その投資家に代わって現地国で証券の保管や決済、議決権の行使を行うのが、上記2行のような、「カストディアン」と呼ばれる金融機関です。

 つまり、日本の株を多く所有し、その配当金を得て、労働者や下請けなどに回すお金すら配当金で吸い上げようとする彼らは、外資なのです。これも、本山氏の言う「金融権力」の一つでしょう。本山氏のインタビューは第二弾も予定しています。今回聞き足りなかった部分は、ぜひ、次のインタビューで岩上さんがうかがいますので、ぜひぜひ、お待ちください!

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■岩上さんの注目インタビューと講演のお知らせ!!

 現在確定している岩上さんによるインタビューを、以下に列挙します!2月16日(火)には、鳩山友紀夫・元総理のインタビューが決まりました!岩上さんによる鳩山元総理へのインタビューは通算3回目!うかがうのはもちろん、「あの世紀のスキャンダル」についてです!!超タイムリーなインタビューとなります!

 他にもアポイントメントの調整をさせていただいている方がたくさんいらっしゃいます。確定次第、どんどんラインナップを更新していきますので、毎日、このコーナーにご注目ください!

・2月11日(木)14時~ 太田昌克さん(後編)
※共同通信社編集委員・論説委員で、『日本はなぜ核を手放せないのか~「非核」の死角』(岩波書店)、『日米<核>同盟~原爆、核の傘、フクシマ』(岩波新書)などの著書がある太田氏に、2018年に期限を迎える日米原子力協定(包括協定)など、日本の原子力政策について岩上さんがお話をうかがいます。大好評を博したインタビューの、その続編です。ぜひ「前編」もアーカイブでご視聴ください(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281578)。

・2月13日(土)13時30分~ 水島朝穂さん
※早稲田大学法学学術院教授で憲法学が専門の水島氏に、自民党の憲法改正草案、とりわけ緊急事態条項の危険性について、水島氏の共著の『「有事法制」を診る』を参考にしつつ、岩上さんがお話をうかがいます。水島氏は、緊急事態条項について、安保法制を補完するものであると、その本質を見抜かれています。必見です!

・2月15日(月)【司会】19時~20時 山本太郎氏・小林節氏 対談
※「<政治>こそ、山本太郎の天職だ!~小林節さん(慶應義塾大学名誉教授)VS山本太郎さん(政治家)」と題したイベントの司会を岩上さんが務めます。イベントの模様は、IWJで中継します!

★NEW!!!
・2月16日(火)15時~ 鳩山友紀夫元総理
※元総理の鳩山友紀夫さんに、総理時代、普天間基地の「県外移設」をあきらめるきっかけとなった外務省の役人によるペーパーが、「虚偽」の内容だったことについて、岩上さんがお話をうかがいます。この「世紀のスキャンダル」について、鳩山氏は2月4日の講演で明らかにしました。その模様はこちらのIWJ記事でぜひ予習を!→(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/285911

・2月17日(水)15時~ 樋口陽一さん
※東京大学名誉教授で、日本における憲法学の権威であり第一人者である樋口氏に、立憲主義が危機に瀕している現在の状況や日本国憲法改正草案の危険な内容などについて、岩上さんがお話をうかがいます。

・2月18日(木)14時~ 中野晃一さん
※上智大学教授であり、立憲デモクラシーを牽引し、SEALDsのよき理解者であり、「市民連合」結集の立役者でもある中野晃一さん。各地のデモや集会で野党共闘の必要性を訴えている中野氏に、岩上さんがお話をうかがいます。中野さんは、今の民主党の態度をどう見ているのでしょうか?

・2月23日(火)13時~ 高山佳奈子さん
※京都大学大学院教授で、国際刑事法が専門の高山先生は、「学者の会」の記者会見の際、岩上さんのインタビューに応えて、「マスコミの経営幹部と政権トップが会食を重ねることは、刑法上、贈収賄を構成する」と発言された方です!その時の記事は以下の通り(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/254388
)。岩上さんによるインタビューがようやく実現します!

・2月26日(金)19時~ 蓮池透さん(後編)
※北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)元副代表で、新刊『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』を出した蓮池氏に、1月27日に引き続き、岩上さんがお話をうかがいます!

・3月1日(火)14:00~ 是枝裕和さん(映画監督)
※「ワンダフルライフ」「誰も知らない」「そして父になる」などで知られる是枝監督。「クローズアップ現代」のやらせ問題に関するBPO放送倫理検証委員会の委員も務め、「BPOは政治家たちの駆け込み寺ではない」などと自民党による報道圧力を批判されています。岩上さんとのインタビューが一度、決まりかけたのですが延期。その待望の実現です!

・3月3日(木)15時~ 施光恒さん(後編)
※新刊『英語化は愚民化~日本の国力が地に落ちる』が話題沸騰中の九州大学准教授・施光恒氏。1月26日に「前編」のインタビューを行いました。施氏は、岩上さんのインタビューに応じて安倍政権が「成長戦略」の名の下に進めている「グローバル化=英語化」を厳しく批判。3月3日には岩上さんによる続編のインタビューをお届けします!

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 2月15日(月)には、山本太郎参議院議員と小林節名誉教授の対談の司会、そして2月17日(水)に、憲法学の第一人者、樋口陽一・東大名誉教授のインタビュー、18日(木)には上智大学の中野晃一教授へのインタビューが決定しています。その中日の16日にアポが取れたので、岩上さんは連続でライブをこなすことになります!

 この冬、かつてない「低体温」と「冷え」を自覚した岩上さんは、激務をのりきるため、徹底した「冷え」対策に取り組みます。昨夜も仕事の隙間をぬってキックボクシングへ行って体を動かし、内側から「温めて」いました。

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■わとはぷ!のコーナーです!!

今日2月10日は、「ふとんの日」です。由来は…言うまでもありませんね。一日中、布団の中でぬくぬくとしていたい、なぜ布団から出なければならないのか…と、多くの方が毎朝絶望していることでしょう。それほど、まだまだ寒いですね。

 そんな2月10日。IWJの過去の取材を振り返ってみると、5年前、2011年の2月10日、岩上さんは、当時野党だった自民党の新藤義孝議員にインタビューをしていました。岩上さんの同級生が新藤議員の兄だった、という縁で実現したこのインタビュー。新藤氏といえば、現安倍政権で、2013年末まで総務大臣に就いていました。

 その新藤議員、インタビューでは早くも集団的自衛権について、言及していました。

 岩上さんが、「今、日米同盟の深化と言って、アメリカの戦略に丸ごと乗っかっている。これでは自主防衛、自主独立もないのでは?」と聞くと、新藤議員は「そうは思わない」とし、次のように力説しました。

 「自分は、アメリカの意向に沿って仕事をしたことは一度もない。自民党は従属外交をしたつもりもない。連携はするが、日本の国益を最優先に考える。日本は、全面的な独立自尊はありえないだろう。外交と軍事力のバランスを取ること。しかし、軍事力は補完で、最終解決手段は外交だ」。

 …そのためにも集団的自衛権が必要だ、というロジックです。

 このインタビューを全編ご覧いただければ、今の安倍政権が、安保法制や集団的自衛権の行使容認の必要性をアピールする時に用いたロジックが、2011年からまったく変わっていないことが分かります。いや、インタビューでは、新藤議員は、その前の第一次安倍政権当時から、同様の主張をしていると言っているので、かれこれ10年前のロジックです。

 新藤議員も、自民党議員たちも、この時からまったく成長も勉強もしていないことが良く分かります。今回の安保法制の国会論戦で、安倍総理から横畠内閣法制局長官に至るまで、「昨今の安全保障環境の変化に対応するために」必要だ、と連呼していましたが、彼らの昨今とは、10年前を指すのでしょうか?いったい、時が止まっているのはどちらなのでしょう?

 ツッコミが止まらなくなってしまいそうな、このインタビュー、ぜひぜひ、サポート会員に登録し、ご覧になってみてください!

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・2011/02/10 「軍事力は補完。最終解決手段は外交だ」 ~岩上安身による新藤義孝衆議院議員インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/fellow/archives/59

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