日刊IWJガイド・番組表「改憲勢力が3分の2を獲得!――緊急事態条項の発令がいよいよ現実に!?~安倍総理は『国民投票』に言及!今回の参院選が民主制下の最後の国政選挙に!?/全国32の一人区では、野党共闘が奏功!11選挙区で自公与党勢力を押さえる!/鹿児島県知事選挙は脱原発派の三田園訓氏が当選!」2016.7.11日号~No.1396号~早刷り暫定版


■■■ 日刊IWJガイド・番組表「改憲勢力が3分の2を獲得!――緊急事態条項の発令がいよいよ現実に!?~安倍総理は『国民投票』に言及!今回の参院選が民主制下の最後の国政選挙に!?/全国32の一人区では、野党共闘が奏功!11選挙区で自公与党勢力を押さえる!/鹿児島県知事選挙は脱原発派の三田園訓氏が当選!」2016.7.11日号~No.1396号~早刷り暫定版 ■■■
(2016.7.11 8時00分)

 固唾を呑んで、開票速報を見守りました。昨日IWJの事務所で投開票の様子を見守っていた、城石エマと申します。

 20時になった瞬間、NHKの開票速報は次々当確を発表。全国選挙区の当確情報が出揃ったのが、7月11日0時過ぎ。結果は、改憲勢力が77 議席、非改憲勢力が44議席を獲得。改憲勢力の獲得議席数が、3分の2に到達しました。

 改憲勢力の内訳を見てみると、自民党が16,396,886票、公明党が6,235,586票、おおさか維新が4,329,714票、日本のこころが572,056票。自民党は、神奈川選挙区で当選した無所属の中西健治候補を、当選後まもなく「追加公認」しました。

 一方、共闘を繰り広げてきた野党側は、民進党が9,464,916票、共産党が4,747,079票、社民党が1,232,978票、生活の党が987,046票を獲得。

 改憲勢力での過半数獲得を確実にして自信を得た安倍総理は、そうそうに改憲への前向き姿勢を示しました。テレビ東京でジャーナリストの池上彰氏によるインタビューに答えた安倍総理は、なんと、選挙で一度も改憲を争点にして語らなかったにも関わらず、憲法を「前文から全てを含めて変えたい」 と”力をこめて語ったとそうです。

※【参院選】「前文から全てを含めて変えたい」 安倍首相が改憲への意欲を明言(2016年7月10日、BUZZFEED)
https://www.buzzfeed.com/daisukefuruta/revision-of-the-constitution?utm_term=.gwdNdQAyx#.kxPBzxLYV

 自民党は改憲を争点にしてきませんでした。マスコミも改憲をほとんど報じず、この選挙の争点が改憲であるなど知らない国民も大勢いたはずです。7月5日の高知新聞では、県民の約80%が「3分の2の意味を知らない」と驚愕の回答をしました。

 「アベノミクスっていうから自民党に投票したのに、なぜ安倍総理は憲法を前文からすべて変えるなんて話をしているのか!?」と、驚愕している人もいるかもしれませんが、今さら「知らなかった」と言っても、もう遅いのです。

 これまで何度もIWJが訴えてきた通り、自民・公明・お維・こころの改憲勢力が3分の2議席を獲得すれば、まず最初に手をつけるのは改憲です。自民党が繰り返し訴えてきたアベノミクスより何より、改憲に着手することは確実です。改憲に一切言及しない選挙戦を自民党が展開してきたのは、有権者を「騙し討ち」にするためであり、NHKを筆頭とするTVがほとんど参院選について報じなかったのは、この自民党の「騙し討ち」をアシストするためであり、「共犯」以外の何ものでもありません。

 TBSの参院選報道番組で安倍総理は、憲法改正について、「憲法改正は自民党立党以来の悲願だが、国民に問うのは国民投票。憲法審査会で今後議論し、国民的理解が高まる中でどの条文(を修正する)かが収れんされていく」と語りました。すでに、国民投票にかけることを想定し選挙直後に明言までしたのです。

※安倍首相「落ち着いて取り組む」 改憲実現向けて(2016年7月11日、毎日新聞)
http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160711/k00/00m/010/178000c

 国民投票は、確実に行われると見て良いでしょう。国民投票には、可決のための投票率の規定がありません。つまり、超のつく低投票率で、有権者の10%か20%しか票を投じなかったとしても、その中で過半数が賛成をすれば、改憲は実現してしまうのです。そして、一度決まってしまえば、覆すことはほとんど不可能です。

 安倍政権が改憲発議をし、国民投票で緊急事態条項が成立、そして緊急事態宣言が発令されてしまえば、もう、次の選挙はないかもしれません。少なくとも、民主制のもとでの自由普通選挙は行われない可能性があります。日本国憲法は停止され、基本的人権は文字通り停止されてしまい、内閣限りで政令が連発されて、国の形が変えられてしまうのです。

 今回の参院選の投票率は、7月11日1時時点で判明している限りで、54%前後。ずいぶん多くの国民が、この非常に危険な瞬間を目の前にして、危機感を欠いているのです。今回の投票率は、戦後4番目の低さ。実に、国民の半分が投票に行っていないのです。投票した人の3分の1が改憲阻止派だとして、それは有権者の6分の1、ということです。

 国民の大半が無知、無関心のまま、この国は一部の政治家の利害関心だけにもとづいて改憲され、国民主権も平和主義も基本的人権もなにもかもを失うという、戦後70年でもっとも大きな変化と危機の時代へ、突入しようとしています。

■<参議院選挙開票結果速報!>現役大臣2人が落選!野党統一候補は11の一人区を制する!

 全国32の一人区のうち、野党統一候補が勝利したのが11選挙区。野党共闘の議席獲得数がひとケタだろうと予想したメディアもあった中、ここまで議席数を伸ばすことができたのは、野党共闘の成果の一つの表れでしょう。

 内訳を見てみると、野党統一候補が制した一人区は、青森・田名部匡代候補(民進)、岩手・木戸口英司候補(無所属)、宮城・桜井充候補(民進)、福島・増子輝彦候補(民進)、山形・舟山康江候補(無所属)、新潟・森ゆうこ候補(無所属)、長野・杉尾秀哉候補(民進)、山梨・宮沢由佳候補(民進)、三重・芝博一候補(民進)、大分・足立信也候補(民進)、沖縄・伊波洋一候補(無所属)。

 こうして見てみると、東北地方での勝利の多さ、そして民進党候補の当選数の多さが分かります。反対に、関西地方以西や複数区での自民・公明・お維の議席獲得の多さが目立ちます。兵庫と大阪では、自民・公明・お維新の3党の改憲勢力が全議席を制覇。神奈川でも4分の3議席を改憲勢力が押さえました。

 どこも接戦を極めた一人区でしたが、中でも新潟選挙区の無所属・森ゆうこ候補と、自民党・中原八一候補の接戦は、最後の1秒まで結果が見えませんでした。最後の最後、森候補と中原候補の差は2000票差。息の詰まるような死闘の末、森候補が当選を勝ち取りました。

 さらに注目すべきは、現役2大臣の落選。福島選挙区の岩城光英法務大臣、沖縄選挙区の島尻安伊子沖縄・北方担当相の2人です。2人の大臣は、野党統一候補に大きな差をつけられ負けました。

 野党共闘のある程度の奏功(特に東日本)、現役2大臣の落選。この選挙の一番の果実でした。

 しかし、やはり3分の2を改憲勢力が占めたのは事実です。これから、さらに厳しい戦いを戦わなければなりません。次は国民投票です!ここが最後のデッドラインとなります!皆さん、肝に命じましょう!

■<鹿児島県知事選>「脱原発」訴え 無所属・元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓(みたぞのさとし)氏が、現職・伊藤祐一郎氏を制し当選!

 参院選の裏側で行われていた、鹿児島県知事選挙は、無所属・新人で元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓(みたぞのさとし)候補が、無所属現職・伊藤祐一郎氏を破り当選しました。

 鹿児島県には、全国で唯一稼働中の川内原発があります。民進党・社民党の支援を得た三田園氏は、4月の熊本地震の発生で原発に不安を覚えた市民グループとも連携し、公約に「川内原発を停止し、点検するよう九電に申し入れる」と掲げ、原発再稼動派の伊藤氏に勝利しました。

 三田園氏の当選を受け、川内原発は停止されるか――。日本で再び稼働中の原発がゼロになるかもしれません。 

★本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします!

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■<参議院選挙開票結果速報!>現役大臣2人が落選!野党統一候補は11の一人区を制する!(城石エマ)
┠■<鹿児島県知事選>「脱原発」訴え 無所属・元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓(みたぞのさとし)氏が、現職・伊藤祐一郎氏を制し当選!(城石エマ)
┠■【中継番組表】
┠■<★本日の配信告知★>混迷極める都知事選なぜか始まったリベラルによる宇都宮健児氏へのネガティブキャンペーン!本日14時からは宇都宮氏の出馬会見を中継!(原佑介)
┠■自民党が国民に「密告」を呼びかけ!「子どもたちを戦場に送るな」という発言をしている教師は、中立性を逸脱している!?メディア圧力に続き教育界にも迫る自民党の「言論弾圧」政策の影(城石エマ)
┠■<★新着記事★>【スクープ!】予算を盾に票集め?!激戦の長野選挙区、自民党長野県議による極めて「悪質」な脅し発言が明らかに!(西原良太)
┠■大阪府泉大津市で8万票もの投票用紙が行方不明!?市は「焼却処分した」との弁明をするものの、「不正選挙」疑惑晴れず(城石エマ)
┠■わとはぷ~What happened today?(城石エマ)
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◆中継番組表◆

**2016.7.11 Mon.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【Ch4】14:00~「自民党 安倍晋三総理 記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※投開票日翌日に行なわれる自民党 安倍晋三総理の記者会見を中継します。

【Ch5】14:00~「東京都知事選挙 宇都宮健児氏 出馬会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※宇都宮健児氏による東京都知事選挙出馬会見を中継します。

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

【録画配信・Ch6】20:00~「子宮頸がん(HPV)ワクチンに関する記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※7月4日収録の「薬害オンブズパースン会議」による子宮頸がん(HPV)ワクチンに関する記者会見を録画配信します。

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 続いては、原佑介記者より、いよいよ本格的に幕を開ける都知事選にまつわるニュースをお知らせいたします。

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■<★本日の配信告知★>混迷極める都知事選なぜか始まったリベラルによる宇都宮健児氏へのネガティブキャンペーン!本日14時からは宇都宮氏の出馬会見を中継!

 おはようございます。記者の原佑介です。

 参院選も終わり、続いて東京は早くも混戦の様相を呈している都知事選に突入します。

 「先出しジャンケン」にでた小池百合子元防衛相が注目を集めてきましたが、自民党都連は前岩手県知事・増田寛也氏を擁立する可能性が高く、すでに「分裂選挙確実」などと報じられています。

 他にも元・衆議院議員の山口敏夫氏、ヘイト団体「在特会」の前代表・桜井誠氏(本名・高田誠)が立候補を表明しており、作家の百田尚樹氏も出馬の可能性を匂わせています。

 民進党や共産党などの野党4党は、都知事選も「野党共闘」で臨むと確認し合ったものの、蓮舫氏の出馬がなくなってからは参院選も始まり、話は進展していません。民進都連が、民進党の長島昭久氏を擁立するという話も出ましたが、民進党執行部が承認した話ではなく、今は元神奈川県知事の松沢成文参議院議員、そして元経産官僚の古賀茂明氏なども検討中だといわれています。

 松沢成文氏は元次世代の党の議員で、安倍政権による憲法改正に賛成する意向を示している無所属議員です。なぜ、このような人物を立てて対安倍政権の「野党共闘」ができるというのでしょう?党内最右派松原仁氏が、同じく最右派の長島議員をかつごうとするのと同じ匂いを感じます。

 ちなみに、民進都連の松原仁会長は日本会議所属の議員で、昨年、日本会議系のグループが開催し、安倍総理もビデオメッセージを寄せて改憲を訴えた「今こそ憲法改正を!武道館一万人大会」にも出席している、バリバリの安倍シンパ。民進党は、本気で市民の側に立って安倍政権と対峙するのであれば、選択を誤らないようよろしくお願いします。

 そして今、もっとも注目されているのが俳優・石田純一さんの動向です。「野党共闘候補であれば出馬する」と述べていますが、果たして野党共闘は成功するのでしょうか。残り4日間、なかなか微妙な情勢です。他方で、本日、日弁連元会長の宇都宮健児弁護士が出馬会見を開きます。IWJも会見の模様を中継いたします。本日14時から、チャンネルは5番です。

※【IWJチャンネル5番はこちら】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5

 宇都宮健児さんをめぐっては、「希望のまち東京を作る会」が、「宇都宮けんじブログ」というブログで次のように記したことがちょっとした「波紋」を呼んでいます。

 「野党統一の支持については、それを立候補の前提条件にしない姿勢を示し、政党の支持は『私たちの政策に賛同してくる政党なら自民でも公明でも歓迎です』と話し、都知事選は政策を巡る論戦でないといけないと強調しました」

 これに対し、「宇都宮健児は出馬できれば自公の推薦でもいいと言っている」と、批判的な見方をしている人がいます。前回の都知事選で宇都宮推しだった人の中にも、です。「宇都宮は知事になりたいがために自公に擦り寄るつもりか」という批判です。

 「宇都宮は野党共闘を邪魔するな」といったツイートさえ見かけましたが、もし野党共闘が実現せず、民進党が松沢成文氏を担いだ場合はどうするのでしょう?リベラルを代表して立つのが石田純一氏になるのか、古賀茂明氏になるのか、宇都宮健児氏になるのか、あるいはこの中から複数名出るのかもわかりませんが、レイシストでもなければネオリベラリストでもない、リベラルな候補者にはもっと敬意をもったようがよいかと思います。

 長くなってしまいましたが、いずれにしても、今日は都知事選の候補者選びがどうなるのか、固唾を呑んで見守りたいと思います。
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 原記者でした!

 本日の日刊IWJガイドのフルバージョンはこちらからご覧ください。
http://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20160711

 それでは今日も1日、よろしくお願いします。

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/