【IWJブックレビュー】『現代思想』3月臨時増刊号 総特集:シャルリ・エブド襲撃/イスラム国人質事件の衝撃

 青土社の思想誌『現代思想』最新号に、1月24日に配信された「岩上安身による東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー」の抜粋が掲載されました。

 本号は「シャルリ・エブド襲撃/イスラム国人質事件の衝撃」と題され、冒頭、エティエンヌ・バリバールやアラン・バディウ、ノーム・チョムスキー、トニ・ネグリ、スラヴォイ・ジジェクといった、錚々たる顔ぶれの海外知識人による論考が並んでいます。

現代思想 2015年3月臨時増刊号
総特集◎シャルリ・エブド襲撃/イスラム国人質事件の衝撃
青土社、2015.2

 特集の立て方としても、事件の真相に対してジャーナリスティックに迫るというより、ミシェル・ウェルベック『服従』の読解や、「私はシャルリ」というスローガンが持つ思想的な意味など、『現代思想』ならではのラインナップになっています。

 そのなかで、最もジャーナリスティックな内容となっているのが、岩上安身が聞き手となった、板垣雄三氏へのインタビューです。このインタビューの中で板垣氏は、シャルリー・エブド事件の背景として、パレスチナによるICC(国際政治裁判所)への加盟が目前に迫っていたということをあげています。

 パレスチナがICCに加盟すれば、それまでのイスラエルによる戦争犯罪が、白日のもとにさらされることになる。そのことを防ぐためにこそ、今回の事件が起こされたのだ、と板垣氏は分析します。ヨーロッパ各国の首脳が集まったデモに、イスラエルのネタニヤフ首相が参加していたことが、そのことを端的に示しているのだ、と。

 板垣氏へのインタビューは、IWJのアーカイブ動画で全編をご覧いただけます。書店で『現代思想』を手に取り、興味を惹かれた方は、ぜひ、IWJの動画アーカイブをご覧ください。誌面には収録されていない、板垣氏によるイスラム国人質事件に対する分析もご覧いただくことができます。

2015/01/24 イスラム国による邦人殺害予告事件、その背景に日本とイスラエルとのかつてない異常接近 ~岩上安身による東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー

 また、板垣氏に関しては、先日、有料メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」にて、8時間を超える超ロングインタビューをフルテキスト化し、詳細な注釈を付して発行しました。こちらでは、昨年夏に行われたイスラエルによるガザ侵攻にはじまり、ウクライナ情勢、そして板垣氏が提唱する「ハイパー・モダン」という新しい概念まで、たっぷりとお届けしています。

 本メルマガでは、板垣氏自身が注解を作成。たとえば、イスラエルと北朝鮮の知られざる関係について、板垣氏は次のように記しています。

 朝鮮半島とパレスチナとは、世界秩序の綻びの二大焦点(グローバル・イッシューズ)となっている。

 二つの場所は、(1)第二次世界大戦の終わり方、しかも(2)その直後の国連も絡む分断国家の生まれ方、さらに(3)朝鮮戦争とパレスチナ戦争(イスラエル独立戦争)の後始末がつかぬまま現在にいたっていること[前者では、北朝鮮が「体制変革」されるべき「悪の枢軸」の片割れと名指され、他方、後者では、イスラエル国家を既成事実化するため、のちの1967年六日戦争の後始末=「中東和平」問題に話をすり替える国際政治の欺瞞が「常識」として独り歩きさせられてきたが、それも無残に破綻しているのが現状]、という深刻な矛盾が特異に積み重なっている点で、共通している。

 そして(1)、(2)、(3)のいずれの局面でも、そこでの特別の覇権的役割について責任を問われなければならない立場にあるのが、米国だ。だから、米国・イスラエル・北朝鮮を客観的にリンクさせて観察するという見方が、当然のこととして必要になる。

 ぜひ、この機会に、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」をご購読ください。

■第185~189号「世界の『いま』は欧米中心主義の断末魔 東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー 第1弾」

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