日刊IWJガイド「憲法学者の小林節・慶応大教授『首相は逆切ればかりであります』歴代の法制局長官の口からも安保法案は『9条違反』!NHKは中継せず」2015.6.23日号~No.1014号~


■■■ 日刊IWJガイド「憲法学者の小林節・慶応大教授『首相は逆切ればかりであります』歴代の法制局長官の口からも安保法案は『9条違反』!NHKは中継せず」2015.6.23日号~No.1014号~ ■■■
(2015.6.23 8時00分)

おはようございます。IWJのぎぎまきです。

昨日、何気なくTwitterのタイムラインを見ていたら、こんな見出しが目に飛び込んできました。

「仲間が継いだ弁護士の遺志 考える大切さ絵本に託す」

東京新聞の記事です。すぐに、「あ、日隅さんのことだ」とピンと来ましたが、日隅さんが「絵本?」と不思議に思いながら記事のURLを開いてみました。

2012年6月、胆のう癌で亡くなられた日隅一雄弁護士はIWJの前身である岩上安身事務所時代からお世話になっていた方です。闘病中、痛みで寝られない夜に物語を書かれていたんですね。知りませんでした。日隅さんが書き溜めていた物語がついに、「ウホウホあぶない
ウホウホにげろ」の題で絵本化され、先日、出版されたそうです。

ヒョウに襲われかけた子猿たちを、自分の命を投げ出して守った先生猿。先生猿が死んでしまったことを知らせず、親猿たちは子猿たちが再びヒョウに襲われないよう、柵で囲い、閉じ込めてしまいます。しかし、子猿たちは知恵を絞り、柵から脱走を図ります。ざっくりとしたストーリーはこんな感じらしいのですが、私はまだ手に取ってないので分かりません。

生前、「子どもたちに読んで欲しい」と弁護士仲間に話して言たといいます。痛みを堪えていた日隅さんの表情を今でも思い出します。そんな中で、日隅さんが子どもたちに伝え残したかったことは何なのでしょう。早速、この絵本を購入し、私も読んでみようと思っています。

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子どもの未来社
「ウホウホあぶない ウホウホにげろ」
原案:日隅一雄 文:一色悦子 絵:市居みか

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■今度は元法制局長官が安保法案を「憲法違反」

「おぼっちゃま!、安倍おぼっちゃま!」

そんな声があちらこちらから聞こえてくるようです。

6月4日、衆議院憲法審査会で与党参考人を含めた憲法学者ら3人が、安保法案を「憲法違反」だと指摘したことで、世論が大きく動く結果になりましたが、今度は、あまりに度を超える安倍総理おぼっちゃまに、歴代の法制局長官らが釘を刺しました。

昨日22日の衆院特別委員会で、法政大学教授の宮崎礼壹氏と、弁護士の阪田雅裕氏が元内閣法制局長官として、集団的自衛権の行使を可能にする法案に国会で初めて批判的なコメントを述べたのです。

宮崎氏は限定的であれ、行使容認は憲法9条に違反していると発言。法案の撤回を求めました。

また、2004年から小泉内閣のもとで法制局長官を務めた阪田氏は、ホルムズ海峡での機雷掃海は「これまでの政府見解を逸脱した行為だ」と指摘。集団的自衛権行使の容認は、「憲法を順守すべき政府自ら憲法の縛りを緩くなるように解釈を変えるということ」と、立憲主義さえしらんぷりする政権をいさめました。

でも、この委員会をNHKは中継しなかったんですよね。まったく、どうしようもないですね、日本放送協会って。

でも、みなさん、どうしようもないと愚痴っているだけじゃダメなんです。おかしいと思ったら、NHKに一本電話して意見を届けましょう。生前、意見は直接ちゃんと伝えないといけないと言っていたのは日隅さんでした。メディアは、国民が監視しなければいけないんです。日隅さんは、「おかしい」と思ったらすぐに連絡ができるよう、テレビ局など大手メディアの電話番号を携帯電話に登録していらっしゃったのを覚えています。

話を戻しますが、昨日の委員会には「違憲」発言で安倍政権に打撃を与えた小林節・慶応大学教授も参考人として発言しました。冒頭から、まさに「小林節」が炸裂したようです。

「まず、結論から明確に述べておきます。この戦争法案は憲法に違反し、政策としても愚かであり、廃案にすべきだと考えます」

「首相の口癖は過去一年聞かされました。『丁寧に説明する』という言葉だけはクリアに入っていますが、一生懸命聞いておりますけど、一度も説明された記憶はありません。紋切り型の決まりきった返事か、後はレッテル貼りと、逆切ればかりであります」

小林教授、痛快ですね! NHKが中継しなかった理由がよくわかります。世論への影響を懸念してのことには違いありません。

…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.6.23 Tue.**

【Ch4】12:30~「日本外国特派員協会主催 日本共産党・志位和夫委員長 記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※日本外国特派員協会で行われる、日本共産党・志位和夫委員長による記者会見の模様を中継します。

【録画配信・IWJ_NIIGATA1】13:00~「映画『野火』塚本晋也監督インタビュー(聞き手:IWJ中継市民・山田朋洋)」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-niigata1
※2015年6月22日に行った、映画『野火』塚本晋也監督インタビューの模様を録画配信します。

【Ch5】14:00~「舛添要一 東京都知事 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※舛添要一・東京都知事による定例会見の模様を中継します。

【Ch6】17:00~「6・23盗聴法院内学習会 ―講師 山下幸夫・弁護士」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※参議院議員会館で行われる、盗聴法院内学習会の模様と中継します。山下幸夫・弁護士が講師として登壇予定。

【IWJ_KYOTO1】18:30~「辺野古に米軍新基地をつくるな!安保法制=戦争法案NO!」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※「<異議あり!「戦争する国」づくり意見広告運動>」主催。安保法制と辺野古米軍基地問題に関する講演が行われる予定。

【IWJ_KYOTO2】18:30~「『沖縄慰霊の日』沖縄戦に想を馳せ…安部政権の戦争出来る国作りを許すな!」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto2
※「沖縄慰霊の日」に行われるデモ。「戦争できる国づくり」に反対を訴える。

【Ch1】20:00~「岩上安身による『介護マンガ「ヘルプマン!!」』著者・くさか里樹氏インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※IWJ代表・岩上安身による「介護マンガ『ヘルプマン!!』」著者・くさか里樹氏へのインタビューを中継します。

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(前半の続き)…

■金曜日26日は憲法学者の長谷部恭男教授にインタビュー!

他方、与党の参考人については、今回は手堅い事前チェックを済ませたのでしょう。与党推薦で参考人として発言した森本敏・元防衛相は、安保環境の変化を理由に「安保法制は極めて重要だ」と述べ、安倍総理の私的諮問機関である「安保法制懇」のメンバーだった西修・駒沢大名誉教授についても、さすが、憲法改正を目指している日本会議系団体の役員だけあって、「戦争法案ではなく、戦争抑止法案だ」と言い切ったそうです。

少し先の話になりますが、今週金曜日、26日は午前10時から小林節氏と並んで、憲法審査会で「違憲」発言をした長谷部恭男教授に岩上さんがインタビューする予定ですので、ぜひお楽しみに!

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2015/06/15 「95%超の憲法学者は違憲だと回答する」 長谷部恭男氏、小林節氏、改めて「安保法案=違憲」を主張~安倍自民を陰で支える「日本会議」への言及も
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/249275

2015/06/05 土砂降りの中1000人の若者が「戦争反対」の声! 憲法学者・小林節氏もスピーチ「決まってますよ、違憲です」~SEALDs主催、戦争立法に反対する国会前抗議行動
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/248007

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■志位委員長が外国人特派員協会で記者会見 12時30分から!

政府は国会をなんと9月末まで延長することを決定しましたね。95日間の会期延長は、戦後最長の会期らしいですが、度胸あるな、と思います。

このままの流れで行けば、会期が長引くほど、反対の声が広がるだけなんじゃないかと思うのですが、「アメリカとの約束」を口実に使えるのも夏まで。法案の成立を目指す政府与党と野党、法案に反対する国民とのバトルで、熱い夏になりそうです!

この方が安倍総理に質問すると、国会がシーンと静まり返ると言われているのが、日本共産党の志位和夫委員長です。本日、その志位委員長の記者会見が外国人特派員協会で行なわれます。IWJで、ぜひご覧ください! お昼の12時30分からCh4で中継です。

■介護の現場をマンガで描く「ヘルプマン!!」のくさか里樹さんに岩上さんがインタビュー

岩上さんのインタビューも、もちろん見逃せません!

今夜8時からは、「ヘルプマン!!」という介護マンガの著者、くさか里樹さんにインタビューします。

「ヘルプマン!!」は軽いタッチの描画で日本の老人介護の問題を分かりやすく描き、現在も「週刊朝日」で連載中です。

「老老介護」「認認介護」「介護難民」など次々と新しい言葉が生まれる背景には、人口の4人に1人が65歳以上の世界一の超高齢化社会の現実があります。介護の世界は人手不足の、待ったなしの深刻な状態。さらに、高齢化は今後加速し、10年後の2025年には、3人に1人が高齢者となります。若者が極端に少ない異常なほどの少子高齢化社会において、どうやって、介護の担い手を確保するのでしょうか。

今まで誰も描かなかったリアルな「老人介護」の現場について、くさかさんにたっぷりお伺いする予定です! 夜8時からCh1です!

介護の現場のほかにも、子どもの貧困も深刻です。なぜ、こんな時に、隣国と戦争しようなどと考えるのか。自衛官のなり手がいなくなれば、徴兵しかなくなるのは、今のウクライナを見ていてもわかるとおりですが、若者を徴兵して兵士として戦場に送り込んだら、社会の支え手がいなくなり、介護はもちろんのこと、一般の労働者も絶対数が不足して、国が立ち行かなくなるでしょう。

そうなった時には、国は、容赦なく女性、子ども、老人でも、強制的に勤労動員するのでしょう。先の大戦でそうであったように、と岩上さんが、先々をまたまた見越して、ブラックな未来を予想していました。もっとも、核の炸裂で、そんな長丁場にならずに、終わりを迎えるかもしれないとも。

悪夢すぎて、全然、私の想像力の及ばない話ですが、はるか前から「今は、新たな戦前」と予見していた岩上さんですから、現実にならないとも限らず、そうならないように何としても食い止めないとと、改めて思います。今週号の『週刊現代』に、安倍総理のオフレコ発言の暴露記事が掲載されており、それによると、安倍総理は、南シナ海を舞台に、中国との戦争を想定した発言を、番記者たち相手にしたとか。事実なら、その戦闘の拡大の果てに、国中が戦場となるような途方もない悲劇が待ち受けているのかもしれません。

はぁ・・・・安倍総理の妄想だけに留めておいてもらいたいと痛切に思います。それだけに、憲法違反の戦争促進法案は、絶対にくいとめなくてはいけないと思います。

■都民の血税1400億円が無駄に 新銀行東京から事実上の撤退

さて、安保法案の陰で見過ごされがちなニュースも、ちゃんと掘り起こさなければいけませんね。

6月18日、Business Journalが「見たくない日本的現実」というシリーズの中で、石原慎太郎元都知事が「人気取り政策」の一つとして、2005年に設立した「新銀行東京」から東京都が撤退する事実について報じています。

IWJに入るまでは身近な社会問題にほとんど目を向けず、遊ぶように暮らしていた政治経済音痴の私ですから、東京都が、都民の税金1400億円を注ぎ込んで銀行を運営していたことさえ、恥ずかしながら知りませんでした。

調べれば、2005年の開業から経営は行き詰まっていたといいます。出資した莫大な税金1000億円の大半を失った上、2008年には血税から新たな400億円を追加出資したというではありませんか。

新銀行東京は、リーマン・ショック直後、融資を渋る銀行がほとんどの中、中小企業の救済を目的に設立され、以来、中小企業にとっては生活保護的な役割を担ってきたのも事実です。

しかし、貸し出しだけで収益を上げるのは難しい上、銀行の貸し渋りも改善され、いつしか、新銀行東京はお役目ご免、経営も厳しく、都政のお荷物になっていたといいます。

まず、役所が銀行を経営する必要があるのか、、、? と私は思うわけですが、設立時、1000億円を出資するということを、石原さんはちゃんと都民に説明したんでしょうか。選挙の票集めのための政策とも言われていますし、都民の多くは計画の目的やリスクの大きさを聞かされずに進んだ事業だったのでしょう。

石原おじいちゃまは、1400億円という血税を無駄にした後始末はどうするのでしょうね。今後、新銀行東京は事実上撤退し、東京都民銀行と八千代銀行を傘下におく、東京TYファイナンシャルグループの傘下に入ることが正式合意しているといいますが、その決断をした舛添要一都知事の定例会見を、本日、14時からCh5で中継します!

6月22日に行なわれた「都営霞ヶ丘アパート住民緊急記者会見」。IWJで中継いたしました。国立競技場の建替えに伴い、取り壊される予定の都営アパートの住民らが計画見直しを求めた件で、IWJの石川記者が質問します。住民の大半が70代以上というこのアパートの住民が、今更新しい土地で新しい関係を築き暮らして行くのは容易ではありません。都からの一方的な立ち退きの通告に反対し、舛添都知事に、住民の声を直接聞くよう求めています。

大手メディアではなかなか報じられないこうした問題にも、IWJはこれからも注目して行きたいと思っています。それには、安定した財政が必要です!
引き続きのご支援をお願いいたします!

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■IWJの新番組 記念すべき「第0回」の動画アーカイブが公開されました!

先週の金曜日、19日に突如スタートしたIWJの新番組ですが、「アーカイブを見られるようになるのはいつか」というお問い合わせを沢山いただいています。

お待たせしました! 昨日の夕方、動画が公開されましたのでお知らせいたします。

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2015/06/19 IWJ定期番組(仮)「第0回」(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/249751

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■わとはぷ!のコーナー ~What happened today?

やはり、6月23日と言えば、「慰霊の日」に触れないわけにはいきません。

70年前の今日、太平洋戦争における沖縄戦が終結しました。1945年4月1日、アメリカ軍が沖縄本島に上陸、国内最大の地上戦となり、20万人以上が犠牲に。県は6月23日を「慰霊の日」に制定し、今日も糸満市の平和祈念公園では戦没者追悼式が行なわれます。

沖縄の地元紙は総力をあげて、戦禍を経験した当事者の証言を伝え続けています。「軍靴の音」が聞こえる今だからなおさら、先日の瀬戸内寂聴さんのように、戦争を体験した方々は最大の危機感を持って、声をあげているように思えます。

沖縄では、避難先の壕の中で泣く子どもの殺害が頻発したといいます。日本兵による殺害だけではなく、親自身の手によって我が子を殺さなければいけない悲劇すらあったといいます。

想像するのも耐えがたいこうした場面を、唯一の地上戦を経験した沖縄の人々は体験してきたわけです。沖縄戦体験者の4割は、何かしらの心的外傷を負っているといいます。その傷口に、まさに「塩を塗り込むよう」に、戦後70年たっても米軍機の爆音がまき散らされ、オスプレイが危なっかしく飛びまわり、辺野古に巨大な米軍の新基地の建設が強行されようとしています。

今日は、安倍総理も全戦没者追悼式で来沖中です。過去2年間、式典後に仲井眞前知事と会談したという総理ですが、今年は、政治的な対立関係を深めることを回避し、翁長知事との会談は見送るそうです。集団的自衛権の行使を可能にし、自衛隊の海外任務を広げ、他国の戦争に首を突っ込むことを許す法案を通そうとしている安倍総理の追悼式への参加を、沖縄のみなさんはどう受け止めるのでしょう。

「戦争につながるすべてを拒否したい、絶対に子どもや孫に負の遺産を受け渡してはいけないという思いが沖縄にある」

2014年1月、沖縄を訪れた岩上さんが、沖縄選出の糸数慶子議員にインタビューをしました。私も現場でよくお会いする糸数議員ですが、この時のインタビューでは、涙を流しながら、ご両親から聞いた沖縄戦の体験を話してくださいました。こちらにご紹介しますので、ぜひ、ご覧ください。

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2014/01/11 【沖縄名護市長選】「次世代に負の遺産を受け渡してはならない」糸数慶子参院議員が「沖縄の思い」を語る
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/119324

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それでは、今日も一日、IWJをよろしくお願いいたします!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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